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大正浪漫なスチームパンクの蒸気都市で、ドラッグストア機能とポイントを駆使してスローライフを送ります  作者: Fos B


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第22話:時代屋さん、寝ている獅子を起こしてはいけない。特に、最強の瞳さんを……!

いつものお約束。時計塔の音で目が覚めた。

でも、私はまだ眠い。二度寝しよう、二度寝しよう……。このソファーは寝心地がいいし、誰かが枕と毛布をかけてくれたから快適快適。絶対起きないぞ! と思っていたのに、

『リーンゴーン、リーンゴーン!』

と、超大音量の呼び鈴が鳴り響いた。私はびっくりして飛び起き、ソファーから身を起こすと、奥から風ちゃんがドタバタと駆け足でやってきて、慌てて玄関のドアを開けた。すると――。

(なんということでしょう……)

朝日をバックに、瞳さんと花ちゃんがものすごい仁王立ちで立っている。そして、中へどうぞとも言われていないのに、ドスドスと室内に踏み込んできた。

それと同時に、奥から源さんと元さんも恐る恐るやってくる。逆光で見えなかったけれど、今の瞳さんははっきりと「鬼の形相」だった。

「時代屋さん、まさかとは思いましたけど……まだ13歳の女の子に徹夜同然のことをさせるって、どういうことですか? 暁ちゃんは、うちが預かっている大事な子なんですから、もう少し気をつけてくださいよ! 今回は多めに見ますけど、二度目は無いですからねっ」

「そうだそうだー!」と、花ちゃんも激しく同意する。

時代屋の3人は小さく縮こまり、「申し訳ない……」とすごすごと頭を下げた。

「組合に行く前に、4人でうちに来て朝食を食べてってください! もう用意してあるんだから、早く!」

「ハイ……」

「支度して、今すぐよ!」

「了解です!」

それだけ言うと、瞳さんと花ちゃんはドスドスと音を立てて文明開花へと帰っていった。

私たち4人は顔を見合わせ、苦笑いをしながら急いで支度を済ませ、朝食をいただきに文明開花へと向かった。

今朝のメニューは美味しい中華粥だったので、お腹が空いていた私はもりもりと完食する。温かい緑茶も飲んでほっと一息ついたところで、いよいよ4人で『蒸気機関組合』へ向かうことになった。

蒸気機関組合は、私がこの世界に降り立った中心部にあるので、歩くと30分くらいかかる。だが、時代屋さんには最新式の蒸気機関を使った車があり、ありがたいことに4人乗りなのでそれに乗せてもらった。

(こんな大きな車、どこにあったんだろう……? やっぱり時代屋さんは謎だ、謎仕様すぎる……)

元さんの運転で出発する。後ろの座席から、私はしみじみと言った。

「この乗り心地、すごくいいじゃないですか! 全然揺れないし、腰も全然痛くならないですね」

すると、呆れたように風ちゃんが返す。

「何言ってるの? これ、暁ちゃんが考えた蒸気機関車の『サスペンション』だよ。試しに車にもつけてみたら、すごく調子が良くて蒸気機関車の応用を車にもできるって、みんなが大喜びしてたんだよ」

(私、というか――元の世界の小学生たちの天才っぷり、あざっス!)

「それはよかった、よかった!」

「暁ちゃん、自分がどれだけすごいこと言ってるかわかってるのかなあ……」

「まあまあ、良くなったなら何でもいいんですよ!」

「「「ハハハ……」」」

そんなこんなで、蒸気機関組合の立派な建物の前に車が止まった。

「あれが、蒸気機関組合だよ」と教えられて見上げると、レンガ造りともコンクリート造りともつかない、重厚で立派な建物がそびえ立っている。

そこに私たち一団は気後れすることもなく、堂々と足を踏み入れた。

(よし、ここでは特に絡まれるフラグはなさそうだな……みんな紳士淑女の皆様だし……)

時代屋のみんなと一緒にロビーに入ると、すぐに係の支配人風の男性が飛んできた。

「組合長はいるかい?」と源さんが聞くと、「お待ちしておりました。こちらへどうぞ!」と丁寧な案内が始まる。

そこに現れたのは、白黒映画で見たような昔風のおしゃれなエレベーターだった。私たちはそれに案内されて乗る。

(これを文明開花に欲しいよー!)

そして、最上階の立派な扉の前に到着する。案内役の支配人風の人が軽く扉をノックして中に入り、私たちも後に続いて部屋へと通された。「どうぞこちらにお掛けください」と言われ、ふかふかのソファーにみんなで腰掛け、そっと顔を上げると――。

そこに座っていたのは、なんと、あの時私のチョココロネを高値で買ってくれた、あの『シャーロック・ホームズ風の紳士もどき』だった。

(始まった〜、始まった〜! フラグの回収が始まったぞ! いったいどうなるどうなる……? 頼むから暁ちゃんを面倒事に巻き込まないでくれよ〜!)

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