第13話:料理組合ですか?テンプレはないです。(冒険者ギルドではありません。)
その後、すぐに瞳さんと冒険者ギルドへ――いや違う違う違う、料理組合に行った。案外、文明開花から近かった。
あるあるの「おい、新人生意気だなぁ」とガチムチに絡まれることはもちろんなく、普通に受付に向かう。
「ようこそ、料理組合に」
(そこはテンプレなんだ)
「理さんから話は通っております。ではまずこちらのほうに申込書を書いてください」
「記入終わりました」
「ありがとうございます。特許料のほうは口座振り込みでよろしいですね? 特許庁への税金がかかります。月締めで翌月末に振り込まれますので、そのたびに国への税金が10%。それと、私どもの組合にも手数料として10%かかります」
(税金は元の日本に比べたら全然安いじゃん。多分…すごい優遇されてるじゃん。でも組合への手数料10%ってぼったくってるよね? ちゃんとした組合だよね? ちゃんとした組織だよね?)
「入出金する時はこちらの窓口でできますので、それから日本中どこの料理組合でも大丈夫です。無料で入出金できます。また提携している他の組合でしたら、そちらの組合に加入していれば無料でおろせます。加入していない場合は入出金の金額によって違いますが、1万円までですと110円、10万円までですと550円、100万円までですと1,100円、100万円以上ですと入出金金額に対し0.2%の手数料がかかります。料理組合で入出金すると手数料がないのでお得ですよ」
(手数料の金額が半端ない。世知辛い世の中だなぁ)
「何かご質問はありますか?」
「他の組合にも重複して加入は可能なんですね」
「はい、可能です。こちらにある組合カードを他の加入する組合に持っていっていただくと、この裏側のところに組合のロゴが増えていきます。国への税金は一律10%ですが、組合手数料は料理組合の場合は10%です。けれども、他は様々なのでお気をつけください」
「他にご質問はありますか? また何かありましたらこちらへおいでください。本日はありがとうございました」
(ずいぶん事務的だなぁ……スマイルは0円だぞ)
「ありがとうございました。よろしくお願いします」
「瞳さん、ありがとうございました。帰りますか?」
「帰りましょう」
文明開花へ帰る途中に、この間のカレー&唐揚げイベントでお手伝いしてくれた3人の奥様方にも偶然会って挨拶できた。富さん、冬さん、民さんだ。瞳さんと理さんと幼馴染みだそうだ。皆さんのご主人も幼馴染みで、みんなこの街は仲良しだらけだ。ほんと平和で良いよね。
少し立ち話をしたかったけれど、もう宿の仕事があるからすぐに別れて、私たちは文明開花に急いで帰っていった。
やっとテンプレあるあるスローライフになってきたよ。
あれ? 私、仕事探してる設定じゃなかったっけ? そういえば宿代も払ってないなぁ……。
「瞳さん、私、そういえば宿代払ってませんよね。すみません」
「何言ってんの、宿で働いてくれてるじゃない。こっちこそお給料出さなきゃいけないのに忘れていたわ」
「いえいえ、じゃあこれでwin-winってことで」
「win-win?」
(やばい、やばい。こっちはwin-winなんて使わないんだ)
「じゃあ、持ちつ持たれつってことで。特許料も私いただくことだし、それに朝昼晩とまかない食べてるし、水道代や魔石代も払ってませんから、仕事が決まるまではこの状態で良いでしょうか」
「もちろん! うちは大歓迎だわ、落ち着くまで。じゃあこれでお互いいいわよね」
「ハイ!」
これから帰って、はなちゃんと、また謎の呪文踊りをしなきゃなぁ〜。
身から出た錆とは言え、ちょっと恥ずかしすぎるんだけど……真面目にやってくれてる花ちゃんには申し訳ない。あの謎の呪文と踊りが秘伝として、これからずっと未来永劫続いていくのかな……。
まぁいっか。




