シーン85ライラック。
ついに私達はケニージア城下町を訪れていた。
辺りを見回すと緑………時折あるのは噴水や綺麗な街並み。
そして幸せそうな国民の笑顔。
それは女王であるアキニー様のセンスと努力がそんな国民に幸せをくれているようだ。
幸せそうなこの国の様子を見た私。
『すごい……………………さすがアキニー様の国だわあ。』
『そうだねフェルノ………この国は昔は貧困の国で治安も悪くて有名だったみたいね。』
私達がそんな話をしていると。
聞こえてきたのはセミルちゃんの声だった。
『ねえねえサーベルさん!あっちも見てみましょうよ?』
『んあっ!?セ………セミルどのおおっ!?』
そこにはセミルちゃんに腕を組まれて歩くサーベルさんの姿があったの。
『んなっ!?セミルちゃん………あなた………何やってるのよ?』
私が焦り二人の元へ駆け出そうとすると…… そんな二人の目の前に走って来た小さな姿が見えたのでした。
そんな何かはちょこちょこと走っていくと二人の目の前で立ち止まっていたの。
そして小さな物体は球状になりもごもごしていた。
私はそれを見て立ち止まっていた二人に追いつく。
『ねえ!二人とも!どこにいくつも…………り………えっ!?』
私がそう声を上げたその時。
『け…………喧嘩はダメで………………すよ?』
球体の何かがそんな声をあげる。
『えっ!?』
『なんだこれは!?』
『…………………………喋った………………………。』
私達が驚いていると……………………それはモコモコと動き出すと………………ゆっくりと人間の身体に変化していく。
私達はそんな何かに驚き目を向けていると………。
その子は人間の少年の姿へと変化していたの。
『ふぅ………………僕はこのケニージアの兵士の一人でアルマジロの獣人…………アルマジャーロです!あなた達…………見たところ旅の方々かと思ったのですが?』
鎧に包まれたその少年はそう質問してきたのでした。
そこへ後ろからきたドエルゴが口を開く。
『アルマジャーロ殿…………我々はあの冒険王レイオール殿の知人でこのケニージアへとやってきた者………一度女王アキニー様へとお目通りをさせていただきたいと思い来たのですが………。』
『なにっ!?アキニー様の元へ!?だが………あの冒険王レイオール殿の知人ですか…………。』
そういったアルマジャーロくんは考えている。
『そ………そうなのか……………でもあのレイオール殿の…………………。』
するともう一人の兵士がやってくる。
それは美しい容姿の女性兵士だった。
『アルマジャーロ…………どうしたのです?』
『えっ?あ!?兵士長!!!お、お疲れ様です!!』
すると美しい女性兵士は兜を取り外すとにっこり笑顔を見せる。
『すみません……………部下が大変失礼しました…………先日までここでは激しい戦いが起こっていたもので…………私はケニージア国王である女王アキニー様の近衛兵でありこのケニージアの兵士長………………『ライラック』と申します………以後お見知り置きを。』
そう丁寧に挨拶してくれた『ライラック』さん。
美しい彼女に驚いているとドエルゴが口を開く。
『いやいやこちらこそ大変失礼致しました…………わしは冒険王レイオール殿のパーティメンバーの一人……………大地のドエルゴと申す者…………そしてこちらの方がレイオール殿の愛娘の『フェルノ嬢』です。』
『まあ…………その子があのレイオール殿の…………。』
綺麗な笑顔で私を見ていた『ライラック』さん………美しい彼女に私は緊張してしまう。
『は、はい!私はフェルノです……さ、最推しはアキニー様です!幼い時に一目お見かけして………ずっと憧れてお会いしたくて………ここまで冒険しながらやってきました!!どうぞよろしくお願いいたします!!!』
私は緊張で一気に捲し立てるように声を上げていたのです。
『まあ……………カワイイこね…………実はね………ここは先日まで戦いが起こっていたけれど………勇者様達が来てくれて………このケニージアは救われたのです…………今は安定してますが………敵の残党なども時折現れるので安心はできませんが……………いいでしょう……………。』
そういった『ライラック』さんは笑みを浮かべた。
『我が女王アキニー様への謁見………………私が責任を持って果たしましょう。』
私は震え………………………胸が熱くなる。
『ありがとう………………ございます!!!!!』
あまりの感動に私は涙が零れ………感謝し叫んでいたの。
こうして私はずっと夢見ていた女王アキニー様にお会いできることになったのでした。
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