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新!獣人世界へようこそ!~とある獣人はマジェストだった!?~  作者: 黒羽冥


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80/122

シーン80イーグレンス王散る。

私が斬りかかったその瞬間!!

バチンっと身体ごとなにかに弾かれてしまったのだった。


『きゃっ!!???』


地面に着地しそちらに目を向けた私。

すると見えない何かの向こうでニヤリと笑みを浮かべたシャロンが口を開く。


『フン…………これ以上は無用だな………いずれ会った時………僕はこの力を制し……貴様に地獄をみせてくれる……せいぜい楽しみにしてるんだな。』


そう告げるとスーッと消えていくシャロン。

そんな消え去ったシャロンのいた空間に目を向けていると………セミルちゃんの叫ぶ声が聞こえる。


『パパーーーーーーーーーーーーーーっ!?』


涙を流し激しく声を上げ泣き叫ぶセミルちゃん。

目の前にはぐったり深く息を繋いでいるイーグレンス王の姿があった。

そんなセミルちゃんを見ていると………私はとても他人事には見えなかった………もしこれが私のパパだったなら……私だってどうなってしまうのか分からない。

するとイーグレンス王が目を開けていく。


『おお………………やつは消え去ったのだな。』

『パパ!!!パパ!!しっかりしてよ………。』


泣きじゃくるセミルちゃんの頭に手を乗せゆっくりと撫でるイーグレンス王………なんでもなければとても幸せそうに見えるその状況。

するとキャリッシュちゃんが何とか食い止めようとアイスちゃんに命ずる。


『魔神アイス…………止血をお願い!!』


するとイーグレンス王が手を上げそれを制止する。


『いや…………もう良い……………………………。』

『イーグレンス王!!でも!!』

『ふふ………自分の死期くらい分かっておる………それに………。』


お腹にぽっかり開いた空洞はイーグレンス王のあまりにも酷い状況が見た目にも知れるものだった。


『こんな状態………そして魔神を抜かれたこの俺が生き残れる事など無いのだ。』


そう語ったイーグレンス王。

だがその時。

彼は口から大量の血液を吐き出してしまう。


『パパ!!パパ!!!』


泣きじゃくるセミルちゃん………そんなセミルちゃんに手を伸ばし語るイーグレンス王。


『セミル………………パパは今まで本当に幸せだったぞ……母…………我が妻がお前を産み早くに天に召された時は……お前に寂しくさせないように頑張ったものだが……そんなお前は寂しさを見せずこれまでいてくれた事………感謝するぞ。』

『パパ!!それならパパが、もっと……ずっと私の傍にいてよおおおーーーーっ!!』


セミルちゃんの泣き叫ぶその声に私の目からも涙が溢れ……………身体が震えてしまう。


『セミルちゃん……………。』


いつしか彼女の傍にいた私。

するとイーグレンス王が告げる。


『フェルノ……と申したか…冒険王の娘よ。』

『はい………イーグレンス王…………………。』

『このイーグレンス………決して犯してはならない事をしてしまった……あの恐るべき魔族を取り逃し……そして……強力な我が力を世界に解き放ってしまった……本当にすまない。』

『いえ!!決してイーグレンス王が謝る事なんかじゃありません!!』

『そういうてくれるか……この俺もお主の父……冒険王レイオール殿に会ってみたかったのお……だが君を見ていると……レイオール殿もきっと希望を感じさせる…ワクワクさせてくれる存在なのだろうと思う……』

『パパ……でも私はパパが一番だと思ってるんだから!!』

『セミル………ありがとう……だがそんな俺は一度レイオール殿と話してみたかったのお……きっといい『友人』になれただろうなあ。』

『パパ……………………。』

『セミル………お前はもっと世の中を見た方がいい………いいか……この俺が消えたら…フェルノ殿達についくといい。』

『えっ!!パパどうして!?』


すると私に目を向けるイーグレンス王。


『フェルノ殿……ちょっと男親だけで育てたのでな……先程のことは許してやってくれないか?そしてセミルをお頼みします。』

『イーグレンス王!!…………はい………分かりました…………任せてください!』


イーグレンス王は笑みを浮かべるとセミルちゃんに目を向ける。


『セミル………今まで…………俺は本当に………。』


そう言ったイーグレンス王の目が……………。

ゆっくりと閉じていく。


『幸せだった………………………ずっと愛しておるぞ………幸せに………………なるのだぞ。』


そう言ったイーグレンス王の口の動きが…………ゆっくりと停止していく……………。

もう………………彼の声は………………聞こえない。


『パパーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!』


セミルちゃんの声だけが…………この空島に響き渡るのでした。

お読みいただきありがとうございました。

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