第五話 奸士討伐のすゝめ
始明の邸宅に到着した彼らは...
始明『到着!』
仭『おおぉ!』
半球で大きく、真っ白な邸宅に着いた仭は目を光らせた。
仭『珍奇!』
あくびをしながら徳弘は車から降りる。
徳弘『おはよ〜って、どこだよここ』
始明『ここが俺のレジデンスさ!』
祈『なんかあそこヒビ入ってない?』
始明『ほら、入れ入れ』
祈[ガン無視かい]
須ケ牟田始明の最高執事 アウ
アウ『お帰りなさいませ』
始明『ウィ〜』
祈『中全然変わってないじゃん...』
始明『最近は食事に掛けたいんだよ金を。アウ、飯持って来てくれ。四人分』
アウ『承知致しました。もう準備出来ています』
テーブルに和牛、白米、味噌汁、ポテトサラダ、デザートのチョコアイスそれぞれ四人分の和牛定食がある。
始明『ナイスー!お前ら!今日は和牛だ!』
仭『うぉー美味そう!早く食おうぜ!』
徳弘『最ッ高...!』
小さい声で徳弘は言った。
祈『いただきまーす』
始明『誰か肉嫌いな奴いない?』
祈『いねーだろ』
その後、彼らは無言で食事を進めていった。
仭はこのような環境を好まない。
仭『あっ、聞きたいことあるんだけどさ。結局八百万親睦会って何?やばいカルトなの?』
祈『それはそうだけど、なんでカルトだって知ってるの?調べても情報あんまないし』
始明『確かに』
仭『あー、実は昨日、親睦会から宗教勧誘が来たんすよね...』
徳弘以外の二人が驚愕する。
始明『おい仭、それ本当か?』
仭『ガチだよ、俺のお兄ちゃん究勿って言うんだけど、究勿が冷静に対処してくれてさ。ちょっと揉めてたけど追い払えたよ』
二人はアイコンタクトを互いに交わし悩んでいる。
始明『よし』
[確定!]
祈[確定!]
徳弘『お前...やばいんじゃね?』
仭『かもな...』
始明『まず、親睦会の話をしよう。正式名称は八百万親睦会。簡単に言えば、神道系のカルト宗教だ。マジで関わったら人生終わるよ』
仭『あーなる、』
祈『ちなみに存攘って奴が教祖で、一番強い。何千人もの人達を殺しているかも』
徳弘『じゃあ、存攘がラスボスって事ですね?』
始明『ま、そういうこと』
和牛を食べ終えた始明。
仭『で、俺なんかしたの?』
始明『いや、何でもない。勧誘って聞いてびっくりしただけだ』
祈『親睦会は普通勧誘なんかしないんだけ
ど...なんでだろう』
始明『とりま、お前ら二人には課題をやる。奸士を倒して来てくれ』
徳弘『いきなりそんなこと言われても...俺全然動けないっすよ、』
仭『俺も不安...』
始明『いやぁ、動ける動ける。賦力って運動神経も良くなるから絶対動けるはずよ?』
徳弘『適当っすね...』
始明『いや、これガチだから。もう一回言う、ガチ』
仭『でも相手によるくね?例えば昨日の奴とか、俺らだったら即死っしょ?』
始明『そうだなぁ、う〜ん。まだお前らの事よくわかってないから、実戦してみて欲しいなー。ちょっとトイレ』
徳弘『気になる事があるんですけど、昨日みたいに奸士や神は俺達を襲いました。それって頻繁に起きる事なんですか?』
祈『基本は襲って来ないんだよね...私達襄士は滅多に神とか奸士と鉢合う事が無いんだよ。アイツらが暴れてればそこに行って戦えるんだけど、本当に大変なのは奴らを倒す事なんだよな〜』
仭『どうやって倒すの?』
徳弘[なんでコイツの口は敬語とタメ語が共存してんだよ]
執事のアウが仭の背後に来た。
アウ『人殺し。彼らにとってそれはゲームで言う残機、ライフです。人を殺せば殺すほど残機が増えて身体を再生させる事が出来るんですよ。例えば1000人殺した奸士や神が襲って来たとしましょう。私たちが生き残る方法は逃げるか、1001回殺すかの二択です』
仭『めんどくさ!もし相手が格上だったらどんなに奇跡起こしても...』
徳弘『普通に死んでもおかしくないですね』
アウ『鎌倉時代には都で何百人もの人々を殺害した奸士がいました。老若男女問わずにです。その時の襄士の数はほぼ0と言っても良いでしょう。最終的に鎌倉武士が総動員されたことで事なきを終えましたが、鎌倉武士側の犠牲も多く、後の元寇で大きな影響を与えたらしいです。まあこの辺は梅二さんの方が博識ですね』
祈『ウメジー!』
徳弘『誰ですか...』
いきなり始明が透明化を解いて仭達の前に現れる。
始明『そんなめんどくさい事しなくても一発で仕留められる方法がある!』
仭『うわびっくりした!』
祈[まじで気付かなかった...足音とかやっぱしないんだなぁ〜。女子風呂とか入ってそう]
彼女は始明がドライアイなのを知らない。
アウ『幷ですよね。全身に廻る賦力を圧縮して放つ』
始明『正解!アウさんは頼もしいねぇー』
アウ『仰る通りです』
徳弘[二人ともメンタル強えな...そうやって生きていきたいけど!]
仭『あっ!それって昨日あのモヒカン奸士に撃ったやつっすよね?マジでカッコよかった!』
始明『ああぁ、嬉しいもっと言って♡』
初めて『かっこいい』と言われた結果、始明は声が低くなり謎の快楽に埋もれた。
仭『言葉責めwwww』
仭がツボにハマりテーブルを叩き出す。
徳弘『おいおいガラスだぞ割れるって!w』
少し徳弘も笑いを堪えているように見える。
始明『おまwそれ言うなwww』
仭と始明はツボが浅い。食卓は爆笑の渦に巻き込まれた。
アウ『・・・』
祈[何が面白いんだか...]
こんな幸甚もガラスのようにすぐ割れてしまう。
外から軽トラックが食卓の右上にあるリビングに投げ込まれた。ガラスやコンクリートが割れる音が鳴り響く...
仭&徳弘『えっ』
アウ『!?』
祈『軽トラ!?』
始明『ぶち殺すぶち殺すぶち殺す社会的に殺すぶち殺すぶち殺す』
彼らは徐々に笑顔を失っていく。
始明『俺がぶっ殺してやる!』
祈『あぁ...キレちゃった...』
始明『と、言いたい所だが仭!徳弘!』
仭『?』
徳弘『はいッ』
始明は声を上げて言う。
始明『俺の家の仇を取って欲しい!奸士か神か知らんけど、取り敢えずぶっ倒せ』
仭『さっきの話聞いてめちゃめちゃ怖いんすけど』
始明『安心しろ、俺が見てるから』
徳弘『・・・なら、やるしかないですね』
仭『それならまだ安心か〜』
始明『でも全力でやってくれよ?実力を試したい』
仭『了解!』
始明『祈とアウは民間人の保護を優先しろ!恐らく軽トラ投げてきた奴は逃亡した。お前ら行くぞ、練習試合だ!』
仭『勝つぞ!』
徳弘『さっさと見つけて終わらせようぜ』
そうして彼らは車に乗り市街地へと向かった。
浜松駅ビル メイワンにて
⁇?『さぁ出てきなさい。哀れな襄士達』
この奸士の顔は縫い目があり男の顔、女の顔に左右に分かれており、声も男と女の声がハモったような声だ。
仭『アイツか!』
車の中から仭は奸士に指を刺す。
始明『なかなか目立ってんなぁ、珍しい。ん?』
始明は違和感を覚えた。
奸士は普通一般人を襲う事はあまりない。残機稼ぎも必要だがやり過ぎると重大な連続殺人事件として警察や襄士が動き、特に襄士が自分を殺しにくるかもしれない。だから、奸士はあまり活発的では無い。しかし例外もある。降影や彗諾のように刺客として向かう奸士もいる。八百万の神は人間を襲う。食料を確保するためだ。人間がマグロを刺身にして食べたり、牛肉を焼いて食べるように神々も人間の臓器や筋肉などの中身を食い荒らす。奸士と同じで刺客として八百万親睦会から襲ってくる神もいる。
第六話 お前ら何者?
coming soon...




