第四話 八百万親睦会
謎の組織、八百万親睦会とは?
10月25日 正子
降影[もう0時か]
昨日仭達を襲撃し、ボロボロになった降影は高尾山麓の清滝駅に到着した。
降影[絶対怒られる...終わった]
そう思うと彼はある女性とケーブルカーに乗った。
⁇?『大丈夫?顔色悪いよ』
ため息をついた降影は言う。
降影『気分は順調?』
⁇?『あんまかな、あなたは?』
降影『最低、失敗したよ。賦力はいつも不安
定。相手に取られてもおかしくない』
⁇?『・・・人殺すの躊躇ってるでしょ』
彼らは高尾山駅に着くまで無言になった。
高尾山駅に到着
先に着いたある男は降影と待ち合わせをしていた。
降影『あ、いた』
⁇?『降影。行くぞ』
八百万親睦会幹部 撤搔
高尾山は奸士達の拠点。
彼らは人力車に乗り移動する。
仏舎利塔跡に着いた後、地下に続くエレベーターに乗った。
降影[マジで大人しいな...話しかけてみるか]
『なあ撤搔、俺任務失敗しちゃったんだけど、これ大丈夫なのか?殺されないよな?』
若干焦り気味で言った。
撤搔『死なない』
彼は即答した。
降影『あぁ、なんだ。安心したよ。ありがとな』
[少ねぇ〜もっと話してくれよ...]
エレベーターから降りるとまるでホテルのような寮があった。
比較的快適で給水所やモンステラ、エバーフレッシュなどの観葉植物を降影は目にした。
降影『ここが信者の寮か。俺の住んでた家よりも快適説あるぞ』
撤搔『上へ戻る。来い』
降影『え、早くね?てかまた登るの?』
撤搔『存攘様にここを紹介してく、れって言わ...』
降影[なんつった?]
『ん?ごめんもう一回言って?ボソボソ聞こえたから分かんなかったわ』
撤搔『降影の部屋を紹介する』
降影『あぁ。分かった』
[信者の寮紹介する必要あったのか?]
エレベーターで地上に上がり、人力車で上へ駆け上る。
降影は人力車を運転している車夫、廿五里に話しかけた。
降影『キツくないんすか?』
廿五里『いや、そうでもないよ。最初はキツかったけど、今は全く疲れるように感じないんだ。むしろ走るのが趣味になったのさ。慣れってもんは怖いんだよ』
降影『ランニングが趣味っすか...俺も学生時代では部活でめっちゃ走らされていましたね。その時は嫌だったけど、今となってはいい思い出っすよ。ランニングしてる時に女子に見られると、カッコつけたくなるのは俺だけですかね?』
撤搔『降りるぞ』
降影『あ、もう?』
撤搔『近いからな。廿五里はここで待っていてくれ』
廿五里『はい』
降影の部屋まで歩いて行く。
撤搔『何で親睦会にいる、降影』
降影『え...あぁ、話すと長くなっちゃうんだけど』
撤搔『問題なく育ってるじゃないか』
降影『・・・う、うん。そうだと思うよ。だって俺』
撤搔『詳しく話さなくても良い。俺には理解できないかもしれない。だが少なくともこれは言える』
降影『?』
撤搔『幸せだったんだな』
降影は次に言う言葉の内容が思いつかなかった。
撤搔『アレだ。木の上』
降影の部屋はツリーハウス。
降影『・・・意外と悪く無いな。ん?何だこれ。開運ひっぱり蛸?』
撤搔『それを撫でると運が引き寄せられるらしい』
降影『あーね』
撤搔『もうすぐ集会だから俺は本部に向かう。降影も早くスーツに着替えたら本部の式場に来てくれ』
降影『わかった。早めに行くよ』
降影は手短に支度を終え走って頂上へと向かった。エレベーターで一番下へ降り中央会場の前の方の席に座った。
降影[ここで良いんだよな?]
『おぉ!撤搔と隣じゃん!』
隣にひっそりと撤搔が座っていた。
撤搔『初めましての奴が多いだろう?』
降影『あぁ...まあ、ちょっと緊張するかも...』
撤搔『大丈夫、お前みたいな変な奴がいっぱいいるって考えればいいさ』
降影『俺変な奴なの?』
少し間を取って撤搔は言う。
撤搔『うん』
⁇?『静粛に。存攘様のご到着です』
八百万親睦会最高幹部 高柿鴛臣
一斉に拍手が飛び交った。
降影[来た...]
白と赤の袴を身につけた、八百万親睦会教祖の『存攘』が足音を立てながら入場した。彼はステージの真ん中に立ち、マイクを持った。
存攘『あー、あー、よし。感謝を述べます。今日もお集まりくださって誠にありがとう。我が身を見てくださる、八百万の神にも感謝しないとね。今日は遅いので手短に終わらせよう。まず最初は、君達の事についてです』
突然床がガコンッと開く。
存攘『ここ最近、君たちのような神主達の亡命が増加しているんです。何故でしょう?神から恵まれた特別な人間だというのに、悲しいよ』
床から出てきたのは...
存攘『彼らは山から逃亡し神を冒涜しました。死んで当然』
四肢の無い8人の信者の死体だった。
降影は衝撃を受けた。
降影『うわぁ...』
撤搔『仕方ない。ここから抜け出すのはまず無理だ。カルト宗教だからな』
撤搔が隣にいる降影にしか聞こえないような声で囁いた。
降影[そんな事言ってもいいのか?]
存攘『この3日以内に8人も逃亡するなんてね... 尸虣、見つけてくれてありがとう』
尸虣『いえいえ〜こちらこそ、たくさんの手足が採れたんで良かったですよ!』
笑顔で言った。
八百万親睦会幹部 川洲尸虣
降影[なんだアイツ...手足愛好家?だとしたらキモすぎる!]
存攘『次。降影!伊丹仭は殺せたよね?』
降影は浮き足立った。
降影『あぁ...その〜』
[死なないよな!?信じるぞ?]
『殺せ、ません...でした』
存攘『・・・』
降影[?]
突如、降影のうなじに赤い矢が刺さった。
降影『ア゛...アァ...』
降影の視界が歪んでいく。
後ろにいたのは...
⁇?『普通にやれば良かったのに...なんで逃したの?』
八百万親睦会幹部 慶雲揺㬢(けいうんゆらぎ)
存攘『新人だよ、揺㬢。勘弁してあげな』
揺㬢『ぶっちゃけムカついてるでしょ?存攘様。もし緋奸が復活したら...分かりますよね?』
存攘『そうだね、危ない。舐めてかかった降影にも悪い所はある。でも彼は反省して次のステップにいける人だよ』
揺㬢『人?』
存攘『大丈夫だから、矢を解いてあげな』
舌打ちした揺㬢は降影の矢を解き、回復させた。
降影『生きてた...』
揺㬢『次は無いからな?』
予想外の事態が起こる。撤搔が揺㬢の席に向けて空気を圧縮した球形の物質を投げて破壊した。
撤搔『いい加減にしろよ。揺㬢』
揺㬢『は?お前みたいなチー牛には分かんないだろ』
笑いながら揺㬢は言った。
存攘『まあまあ、二人共落ち着きな?』
撤搔『・・・はい』
揺㬢は呆れた表情をしながら会場から出ていった。
存攘『では、今夜の集会は終わりです。八百万の神々に祈りを捧げて寝床につきましょう。あ、そうだ。降影!』
降影『あっ、はい』
存攘『あとでこっちに来てくれ』
降影『分っかりました』
3分後...
降影はステージに上がる。既に信者や幹部達はもう会場にはない。
降影『何の用ですか?』
存攘『あぁ、降影。実は君たち幹部にやらせたい事があるんだ』
降影『?』
存攘『八百万の神を平定してくれないか』
降影『神を倒すんですか?』
存攘『言い方が悪いんだけどね...でも、彼らを倒せばその倒した神の賦力を得られるんだ。それを私に寄贈して欲しい』
降影『寄贈って...何をするんです?』
存攘『神と神の融合体、全神怨を作ってみたい』
降影[なんかよくわかんねぇけど、協力するか]
『了解です。出会したらで、良いんですよね?』
存攘『勿論だよ。無理に探す必要はない。たくさんいるから、他の幹部と協力して倒してね。私も動く予定だ』
降影『承知しました。あと、一つ言わせてください』
突然降影の顔が険しくなる。
降影『伊丹仭殺害失敗の責任を持って、俺が一人で伊丹仭を捜索し、奴の命を断ちます』
存攘『・・・先を越されないようにね?』
朝:東名高速道路にて移動中•••
始明『起きろ!』
仭『!?』
始明の騒音によって起き上がった仭は周囲を見渡した。
仭『夢じゃなかったのか...』
祈『あ、起きたんだ』
仭『あぁ、おはようっす?』
始明『こいつは千葉祈。バカ強いよ』
仭『おぉ、よろしゃす』
祈『それしか言う事ねぇのかよ』
始明『だってそれ以外何も無』
祈『スマホ割るぞ』
仭[俺に言ってるのかと思った...マジでビビったわ...]
始明『お〜怖っ。あとどのくらいで着く?』
祈『もうすぐ市街に入るっぽいよ』
始明『うぃーす』
祈『仭君、乗り物酔いとか大丈夫?』
仭『あぁ、大丈夫ですよ』
祈『良かった!』
仭[普通に可愛い...てかこの人も須ケ牟田さんぐらいの実力を持ってるんだろうな...すごい]
始明『もう飯とかできてんのかな』
仭『あれ?てか何で浜松に向かってるんすか?』
始明『浜松の奥の方に俺の家があるんだ。そこに色々あるしちょうど徳弘も戦えるようになったから、一回そこでお前らを鍛えたいんだよ』
仭『え、何があるの?』
始明『何だろうな』
徳弘はまだぐっすり寝ていた。
第五話 奸士討伐のすゝめ
coming soon...




