第三話 全裸で?
銭湯にやって来た『刺客』とは?
仭『!?!?』
怪物『みっけた』
いきなり現れた怪物は仭を睨みつけた。
怪物の形は半円のドーナツ型で色は黒い。
単眼で口は赤い。そして右側に手が生えている。
仭『すっ、須ケ牟田さん!何すかコイツは!?』
始明『妖怪...いや、神か』
冷静な判断を下す。
始明『コイツを攫う気か?』
神『そうそう、彼を倒せと言われた』
始明『あちゃー。仭!君狙われてるよ』
仭『マジっすか!』
臨戦状態に入った始明は言った。
始明『誰に倒せって?』
神『あんま仲良くないから教えるよ。存攘って知ってるかな?』
仭[存攘...]
仭は朝勧誘してきた五所野尾乙の言葉を思い出した。
『なんだよ?存攘様に屠られるぞ!』
始明『俺が相手する。お前は見とけ』
瞬きをし、始明は姿を消した。
神『どっどこに?』
その瞬間怪物の目の前に始明が現れ右脚に蹴りをお見舞いした。
神『アアアアアァ!』
神は手で始明を押し潰そうとしたがその手も始明に蹴られてしまい、折れてしまった。
始明『弱いな!お前捨て駒だろ?』
神は赤い目を光らせて仭に光線を浴びせようとした。
神『溶けろガキッ!』
始明『やらせるかよッ!』
素早い蹴りで神の足を裂き、赤い目を殴って神の賦力を止めた。神は足を再生し、右の方向に飛んだ。
神『お前だるいな』
始明[弱点は、目だな?]
神がまた仭に光線を浴びせようとする。
仭『やばい、また目で俺を!』
始明『おい、もう一回見てろよ』
仭『へ?』
瞬きをして姿を消した後、彼は目に突進しようとした。
神『死ね!』
左足についている目で始明を追い詰めようとする。そんなの効くはずもなく...
始明『雑魚がァ!』
笑顔で蹴りかかる始明。
怪物『まずッ!』
始明にこの攻撃は効かなかった...
真ん中の目をつぶされた神はバーン!と音を立てて破裂して消えていった。
始明『どうだった?仭』
仭『す、す、すげぇぇぇ!あの怪物を翻弄で
きるなんて...』
始明『一応最強です。あと、多分アレは怪物じゃないよ』
徳弘が銭湯に参戦する。
徳弘『おまたせー...!?!?』
余裕そうな始明に仭はこう言った。
仭『須ケ牟田さんなら降影も余裕で仕留めら
れそう!あ、徳弘!』
徳弘は放心状態になった。すると...
女将『いやちょっとどういうこと?!』
始明『あ』
仭『おぅ』
徳弘『???』
戦闘で銭湯が一部崩壊していた。
女将『一体何様なんだいあんた達?弁償してもらうよ!』
始明『えっ、いや〜その』
[なんて言おう...]
女将『あんたらまず服着なさい。そこのシャワー浴びてる少年!危ないから出なさい』
徳弘『俺もですか!?』
小さい声で始明は仭に言う。
始明『たまーにこういうめんどくさい事があるんだよ。俺ら襄士や奸士とかの存在は国から認められてないからなあ...まあ費用は賄ってくれるか』
気まずそうな顔で始明は言う。
仭『費用?誰に?』
始明『あぁ、俺ら襄士グループは彦根聯...伏せろ!』
謎の波動により銭湯が倒壊した。
徳弘『えぇ!?』
女将『キャー!』
始明[もう一人いたか]
仭『大丈夫っすか女将さん!』
⁇?『さっきのは弱すぎたか...』
仭&徳弘『!?』
前を向いた瞬間、モヒカンの男が女将さんの髪を掴んでいた。
⁇?『声出すなよ?』
するとポケットからナイフを取り出し女将の首に突きつけた。
始明は速攻で男に接近し左腕を切断した。
始明『何のつもりだ』
⁇?『教えねぇよ』
始明は男を蹴り飛ばした。
仭『速すぎだろ...どうやって』
始明『ちなみにもっと速いやつもいるよ。顔と性格は可愛いんだけど力がなぁ...』
???『おいおいおい、いきなり全裸で蹴っ飛ばすとか非常識だろー』
始明『うるせーなぁ。股間はちゃんと隠れてるぞ』
風が吹き、始明の股間に巻かれたタオルがどこかへ飛んで行った。
仭『いや全部見えてる!』
始明『構わん!全てを曝け出してこそ漢の璽だぁ!』
両手を上げながら始明は言った。
仭『お〜!』
徳弘[終わってる...]
⁇?『ギャグは終わったか?』
八◻︎万親◻︎会幹部 樋口慧諾
慧諾『ガキ二人も殺すぞ』
始明『はいはい。準備は』
言葉を発しながら始明は慧諾の方に駆け出し顔面を殴った。
慧諾は体勢を立て直し右手の甲に口を当てた。
手の平には遺伝子のような模様が浮き出ている。
始明は瞬きをして透明になった。
慧諾『消えた!?おい、どこにいんだよ!』
[いや、まずはガキ共を!]
始明は慧諾にそっと近づいた。
始明『後ろ』
慧諾の首を蹴り落とす。
徳弘『えっ!?倒した!』
始明『まだだ!』
慧諾『分かってんじゃねぇか!』
血で首を繋げ、手の甲を口に付けた。
慧諾『死ね!』
そう言うと彼は手の甲に息を吹きかけた。
始明[一体何をした?ん?]
始明は目撃した。銭湯に温水を注ぐ水道が突然止まったのを。
始明[なるほど...機械停止か。電磁パルス攻撃と似ているな。コイツの場合は機械だけじゃなく人間をも破壊できるのだろう]
慧諾[外した...次]
慧諾は仭と徳弘に手のひらを向ける。
始明『そっちに手出しちゃうか』
慧諾『あ?』
慧諾の両腕はとっくに切断されていた。
始明『再生は何回できるかな?』
慧諾は速攻で腕を再生させ始明に手のひらを向ける。
だが始明は華麗に避けていく。
慧諾[攻撃が当たんねぇ!]
『テメェには関係ねぇだろ!!』
始明は動きを止めた。慧諾は絶好のチャンス。
慧諾[当たる!]
始明『そろそろ、消すね』
始明の手が白く光った。
幷
白く輝く球体を慧諾の左腕に放つ。
慧諾は左腕が消え去った。
徳弘[一瞬見えた...白い球が...]
仭達のいる方向に始明は顔を向けた。
始明『見たか?』
慧諾の左腕は再生する事が出来なかった。
だがすぐに体勢を立て直し徳弘の首を絞めて人質に取る。
彼の右手にはナイフが握られていた。
徳弘[マジか!]
慧諾『俺を攻撃してみろ...このガキを殺す』
始明『子供を相手取るか、仭。お前ならどう
する?』
仭『どうするって...助けるしかないでし
ょ!』
始明『できるか?今の実力で』
仭は悩んだ。
仭『・・・きついっす』
始明『そうだな、今のお前には厳しいな。
修行しないと』
すぐに徳弘を奪還した。
徳弘『戻った...』
慧諾『はぁ〜なんか萎えたな。もういいや』
まだ残っていた壁を突き抜けながらは慧諾は脱走した。
始明『速いな!でも上位ではなさそうだ』
仭『え?奴を追いかけないんですか?』
始明『大丈夫だ、アイツがいる』
慧諾は旅館を通り抜け息を切らしながら中央玄関を出た。
慧諾[ここまで来れば奴も来ないだろ。集会あるし、帰るか]
突然、走っていた慧諾が横に真っ二つになった。
慧諾[誰だ!?奴の攻撃じゃねぇ!]
⁇?『髪型がモヒカンの奸士っしょ?今真っ二つにしてるよ』
女性が電話しているように聞こえた。
⁇?『殺さない程度?も〜めんどくさいなぁ』
彦根聯合所属襄士 千葉祈
体を繋げ、疲弊した慧諾は彼女に手のひらを向ける。
慧諾[早く仕留めよう...]
祈に攻撃を当てた。
慧諾[油断したな!?]
祈は鼻血を出した。ついでにスマホも壊れた。
祈『ありゃ、血が...あれ?スマホがつかない!?君が壊したの?』
慧諾[鼻血程度...殺せない!!!]
祈『キレたわ』
祈の右手が赤褐色の槍に変わり、攻撃の態勢に入る。
慧諾[早く逃げねぇと!]
祈は謎の行動を取る。慧諾を切り裂いたのではなく、慧諾の近くで槍を振り回した。
慧諾『は?』
祈『よし急ご!』
慧諾[アイツはバカなのか?当たってないぞ!]
万円の笑みを顔に出した慧諾は全速力で祈の反対方向に向かって走った。
体、特に下半身はバラバラになったが...
千葉祈の賦力は槍の斬撃の傷を空間に残すことができる。空間に斬撃を作り出しそれを投げたり放置して拘束する事もできる。その斬撃を見極める事はある程度実力がないと不可能。そして、斬撃の取り外しは可能。
慧諾[もうダメだ...体が繋がらねぇ!]
銭湯が倒壊した衝撃で頭に怪我を負った女将を助けた仭はコーヒー牛乳を飲んでいた。
徳弘は風呂に浸かっており、倒壊した銭湯を満喫していた。
銭湯の残骸を整理している全裸の始明。
そして祈が到着した。
祈『チンピラ拘束したよ〜て、服着ろや』
始明『服全部消えたんよ。あのモヒカン野郎のせいで』
仭『え、無いの!?』
始明『うん無いよ。俺のだけはね』
仭『良かった〜』
徳弘[本当に良かった!!]
祈『服どうすんの?私お金持って来てないよ。スマホも壊れたし』
始明『お〜い』
始明は右手で頭を抱えた。
祈『葉っぱとかで隠せば?』
始明『それは諏訪だろ』
祈『どっち?樹希ちゃんの方?』
始明『いや知らないんかい』
女将『あの...浴衣で良ければ無償で提供できますが、どうですか?』
始明『え、それいいんですか?』
女将『勿論です。まだよく分からないんですけど、先短いボロボロなこの銭湯の被害を抑えてくれたし、たくさん満喫してくれたじゃないですか。あとの二人にも、感謝を尽くしてお金を』
徳弘『いいえ、結構です。私は何もしていないので』
仭『僕もです。危うく足引っ張りかけました。そのお金はあなたが、俺たちが愛しているこの銭湯に使ってください』
女将『あ、あぁ』
祈『あ、そうだ。モヒカン奸士はどうすんの?もう賦力とかあいつには使えないっしょ』
始明『交渉してみるよ。徳弘、着いてこい』
徳弘『あ、はい』
そして、玄関前でバラバラになっている慧諾と再会した。
始明『おいモヒカン。コイツに賦力渡してやれ』
慧諾『・・・無理だと言ったら?』
始明『足と手から原子レベルに解体して海に捨てる。罪なき人間を殺戮する奴は絶対殺す。お前みたいな新人でもな』
慧諾『・・・』
始明『もう助からない。お前は好き好んでこんな事してるわけではないだろ?』
慧諾は地面を叩きながら涙を流した。
始明『元凶は俺らが殺す。安心しろ』
慧諾『分かったよ...おいガキ、こっちにこい』
徳弘は彼に近づいた。
慧諾『一般人には即死級だからな?扱いには気をつけろよ...』
彼は腕を伸ばして賦力を徳弘に託した。
始明[頼む...]
徳弘は黒く輝き...
徳弘『うわっ!』
始明『よしっ成功!』
徳弘『成功?』
始明『普通の人間だったら死んでたよ』
徳弘『えぇ!?怖すぎませんか...』
慧諾はもう命を落としていた。
外からパトカーのサイレン音が聞こえる。そして祈が運転する青色のハイエースが徳弘達に近づいた。
祈『おーい。帰るよ〜』
仭『徳弘隣来い!』
徳弘『あいよー』
始明[死体処理は警察に任せるか...]
始明と徳弘はハイエースに乗った。
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