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ゲームの仲間と異世界攻略! ~異世界でも育成にいそしみます〜  作者: eo


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36話:解除

「っ!」


紙一重でカイの剣を交わしたレオンはそのままバックステップでカイと距離をとる。


カイは剣を振ったあとはまた脱力して虚ろな目で地面を見ている。


「カイ!どうしたんだよ!俺の声聞こえてる!?」


カイに声をかけるとゆっくりとこちらを向いたが目線は合わず、表情は抜け落ちたままだ。


「マスター!もしかしたらカイは洗脳かなにかされてるんじゃないかな!?あの冒険者たちを殺した魔物が近くにいるのかもしれない!」


レオンがカイから目線を外さずに声を上げる。


「でもそうだとしたら、どうすればカイは元に戻る?魔物を見つけて倒すしかないのかな?」


だが、あたりを見回しても魔物の姿はどこにも見当たらない。文献で見たものではオオトカゲが最有力候補だがそんな巨体が隠れられるところはない。


(洗脳したとしてその方法は?やっぱりにおいなのか?でも俺たちは全員マスクをしているしカイだけかかるのはおかしい……。何かを見た?それともその魔物の近くをカイが通った?だめだ、分からない!)


「マスター!さっきからカイのやつ、マスターの声に反応してるんだ。俺の声には無反応なのに。だからヴァンやルナの時みたいにマスターの存在が鍵なのかも!」


「え?」


確かに俺が話す度にカイがこちらに反応して体を動かしているように見える。


「それならできるだけカイの近くに寄ってみるからレオンはカイを抑えていて欲しい!できれば剣を落とさせたらベスト!いける?」


「わかった!任せて!カイをぶん殴ればいいんだね!!」


「違うよ!?」


だいぶ乗り気なレオンが腕をぶん回しながら笑顔で了承してきた。どうやら合法的にカイと戦える(ボコせる名分ができる)のが嬉しいようだ。


ということで早速カイの元へ戦いを仕掛けにいくレオン。それに反応したカイも剣で応じ、激しい戦闘を繰り出す。


「カイ!聞こえてる!?今そっち行くから!」


その間もずっとカイに声をかけながら距離を詰めていく。こちらに反応は示しているがレオンの猛攻に手一杯と言った感じだ。


(洗脳?されてるからかいつもより動きが鈍い……?普段なら攻撃力特化型のカイの方がレオンより強いはずなのに今は少しレオンに押されてる。)


さらに俺が少しずつ近づく度にどんどんカイの動きが鈍くなっているように見えた。


「足元が疎かだよっ!」


カイの攻撃を剣で受け流し、そのまま足払いを仕掛けるレオン。いつもならそんなものに引っかからず軽くかわすカイだが、今回はモロに引っかかり体勢を崩す。そしてそれと同時に下から剣を上へ振り上げてカイの剣を弾き、無防備な状態にさせる。


尻もちを着いたカイの後ろに素早く回って両腕を取りグルンっと体を回転させてうつ伏せの状態でカイを拘束。カイは華奢なためレオンにかかればカイを転がすことなんてお茶の子さいさいだ。


「マスター!もう大丈夫だよ!」


いい笑顔を向けてくるレオンに従って駆け足でカイの元に行く。抵抗していたカイも俺が傍によると抵抗をやめ大人しくしている。


「カイ?俺の声が聞こえる?」


「マ……スター……?」


カイの横から声をかけると顔だけこちらに向けながら(体の上にレオンが乗りガッチリ拘束しているので顔しか動かせない)微かに声を発するカイ。


「気がついたんだね!良かった!俺たちのことわかる?どう見えてる?」


「……視界に、モヤがかかったような、感じだ。頭痛ぇ……。気ぃ抜くとまた意識持ってかれそうだ。ただ、マスターの声だけは……ずっと聞こえてた。体の自由がきかなかったんだが、マスターが近くに来た事で……少し動かせるようになった……。」


途切れ途切れになりながらも現状を伝えてくるカイ。しんどいのかその額には汗をかいている。


前髪が汗でへばりついていたので、払ってやろうとカイの額に手をあてると、ピクリとカイが反応した。


「マスター、こんなこと頼んで悪りぃんだがもっと触ってみてくれないか?今マスターが俺に触れた瞬間すげぇ楽になったんだ。」


先程よりも流暢に話すカイは揺らいでいた瞳孔も今は定まっている。


カイの言葉にレオンはムッとするが明らかに体から力が抜けた様子を見てレオンもカイの拘束を解き体の上からどく。


「こう?」


座り直したカイの真正面に座り両手を取ってぎゅっと握る。


「まあ、それでも充分楽なんだけど……、ちょっと失礼っ!」


「おわっ!」


ニヤリといつものような意地悪な笑みを浮かべたと思った瞬間、グイッと腕を引っ張られ気がつくとカイの腕の中に収まっていた。


「はぁ〜。やっぱこっちの方がすげえ楽だわ!生き返る〜。」


俺は風呂かなにかか!と思っているとゴッ!っとすごい音が頭上からして今度は後ろにグイッと体が引っ張られ、カイから引き剥がされた。


「痛ってぇ〜!!」


前を見るとシューっと煙をあげている頭を両手で抑えているカイが目に入った。


「どさくさに紛れてマスターに抱きつくからだ!まだここはダンジョン内でお前に洗脳をかけた魔物が近くにいるかもしれないんだから気を抜くな!」


正論を言ってはいるが実はレオンも颯汰に抱きつきたかっただけで、今も後ろから颯汰を抱きしめている。なんとも説得力がない。


「殴るこたぁないだろ!それにお前も今マスターを抱きしめてるじゃねぇか!ったく!」


「まあまあ、2人とも。カイも調子が戻ったみたいで何よりだよ。それより、カイはいつ意識が混濁したのか分かる?」


俺の問いに少しずつ先程までのことを思い出そうとするカイ。


「確か……」

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