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ゲームの仲間と異世界攻略! ~異世界でも育成にいそしみます〜  作者: eo


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29話:遺体

「何...これ。」


細い道をぬけて大きな部屋のようになっているところに出ると途端に漂ってくるむせ返るような血のにおい。


それもそのはず、至る所におびただしい量の血が飛び散っており、その血の持ち主だったであろう人間たちの残骸もあちこちに散乱していた。


見たことない、いや、日本で普通に暮らしていれば一生見ることは無かったであろう惨憺たる場、あちこちに飛び散っている残骸が何なのかをやっと脳が理解したところで急激な嘔吐感に襲われる。


「う、うぇぇぇえっ!」


我慢できずにその場に胃の中のものを吐き出してしまった。


「マスター!大丈夫!?これ以上見ない方がいい!」


「これはひでぇな。...ダメだ全員死んでる。」


レオンが背中をさすってくれている間に他の仲間たちが洞窟内を見回ってくれたが生存者はおらず全員息絶えていたようだった。


「ついさっきまで声が聞こえてたのに...一足遅かったわね...。」


アイリーンが近くで苦悶の表情を浮かべたまま息絶えているまだ年若い男性に近寄り、そっと瞼を下ろさせながらやるせない声で言う。


「...何かおかしくないでしょうか。」


現場を見て回っていたシアンが声を上げる。


「どうしたの、シアン。」


俺のそばでレオンと一緒に背をさすってくれていたナナが不思議そうにシアンに声をかける。


「この場で亡くなっているのは男女合わせて全部で11人ですが、亡くなり方が引っかかるんです。」


「どういうこと?」


シアンの言葉に改めて俺とレオンを除いたメンバーが死体を見て回る。俺も行こうとしたがまだ顔色が悪いらしく、レオンにまだ休んでおいた方がいいと止められた。


「確かに変ね。」


アイリーンもなにかに気づいたように目を細める。


「ナナわかんなーい!どういうことー?」


「傷をよく見て。全部バラバラでしょ?」


「通常魔物は同種としか群れないため、もしこのようにパーティーが全滅したとしても致命傷となる攻撃の種類は限られるはずなんです。ゴブリンなら短剣、ワーウルフなら爪による攻撃、ホーンラビットなら角の攻撃と言った風に。」


「あー、なるほどな。確かに言われてみれば。これはあれか?同士討ちってやつか?」


「恐らくそうね。こっちの男性の額に刺さってる矢はあそこに倒れている女性が持っている矢と同じだったし他にも魔法で受けた攻撃の跡や短剣、長剣での切り傷などもあったわ。」


恐らく火魔法の攻撃により顔が半分焼けこげた遺体や剣によって身体の一部を損傷した遺体、矢や槍が刺さって絶命している遺体など、人間による傷としか思えないようなものばかりだった。


「それに何よりこれだけ人間の死体があって一つも魔物の死体が見つからないのも変だ。」


そう、ヴァンが言うようにこの空間には人間の死体はたくさん転がっているが魔物の死体は一つも見当たらないのだ。


「でも微かにだけど魔物のにおいもするわ。さっきまではここにいたはずよ。」


「ナナもルナと同じ意見なの!魔物のにおいあっちの方に続いてるの!」


ルナが指差すのは颯汰たちが入ってきたのとは反対側に続く細道。


「...じゃあこれはただの仲間割れではなく魔物の仕業ってことかな...?」


「マスター、大丈夫?」


だんだんと落ち着いてきたのでゆっくりと立ち上がって会話に加わるとナナが俺の服を心配そうにくいっと引っ張ってきたのでヨシヨシと頭を撫でてやる。


「魔王みたいに人を操るような能力を持っているのか、それとも幻覚を見せるような能力なのか...どっちにしろ手強そうだね。」


「どうしますか、主君。このまま進みますか?」


ヴァンの問いかけにみんなの目が俺に向く。


「...いや、どんな能力を持っている魔物か分からない以上、むやみに進むのは危険だと思う。対策しないまま進んでもこの人達と同じ結果を辿ってしまうだろう。まずはギルドに戻ってこのことをみんなに伝えないと。」


俺の意見に反対する仲間はおらず、そのまま俺たちは引き返すことにした。遺体は放置しておくとほかの魔物に食い荒らされる恐れがあるしこの人達の帰りを待っている家族や仲間もいるはずだ。そのためいったんスフィーダに戻って遺体を安置した後、書いた地図を頼りにギルドにもどることになった。


帰り道に出会った魔物はその場で倒しつつ、来た時の半分くらいの時間でギルドに戻り、見たことを受付嬢に伝えるとすぐさまギルドの奥の部屋に案内されこの街のギルド長と対面することになった。


いかにも屈強そうな筋骨隆々の50代くらいのおじさんがギルド長らしく、リガルドさんと言うらしい。


リガルドさんに見てきたことをそのまま伝え、持ち帰ってきた遺体も取り出してみせると悲痛な顔をした後俺たちに情報提供と遺体を持って帰ってきたことについての礼を述べ、他のギルド職員にダンジョンの一時的な封鎖を命じた。


これで俺たちの役目は終わったと、いつも通り森へ狩りにいこうと思ってるとギルド長から思いがけない声がかかった。


「君たちにはすまないのだが、どうかダンジョンの調査に協力していただけないだろうか。」

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