28話:チート?
「レ、レベル3!?」
「え、このレベルでこの強さかよ!?」
「いや、よく見るとなんか表記がおかしいわ。横に(100)ってあるもの!」
ヴァンが表示してくれたステータス画面には確かにレベル3と表記されているが、みんなと違うのは横に(100)がついていることだ。
「ふむ、恐らく主君によって進化させていただいた時にレベルのみがリセットされたのだろう。もうずっと前からレベル100のまま変動することはなかったがそうか、俺はまだ強くなれるのか。」
どこか嬉しそうに拳を握るヴァンに、横からルナが話しかける。
「私もレベル3に戻ってますわ。でもあなた、以前見たステータスと何か違う気がしない?STRとかATK?なんて表記あったかしら?」
よく見ると2人ともステータス画面の表記がレオンたちと同じくスフィーダのステータス表記になっていた。
2人は元々こちらの世界の住人のため本来は颯汰と同じく筋力や攻撃力といった表記だったはずだが、進化した時に変わったようだ。
「もしかして...」
ふとスマホからゲーム画面を開いて所持キャラクター一覧を見るとそこにはレオンらに加えヴァンとルナのイラストと情報が書かれたカードが表示されていた。
「え!!!2人がゲームのキャラクターになってる!!うわっ、しかも俺のステータスの上昇値が半端ないんだけど...!」
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【名前】柳颯汰
【職業】マスター
【レベル】28
【能力値】
HP280/280
MP60/280
SP18
筋力:28(+280)
攻撃力:28(+280)
防御力:28(+280)
敏捷:28(+280)
【スキル】ガチャ、拡張、倉庫
【アイテム】金貨81枚
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ついでに恐る恐る自分のステータスも確認してみると思った通りヴァンとルナの分のレベルも自分のステータス値に加算されており、その合計値は城内で見たクラスメイト達のステータスに引けを取らないどころか大きく上回っている程だった。
「マスター最強なの!」
「これ、あれじゃね?チートってやつじゃね?」
「ヴァンとルナの進化前のレベルも全て加算されているようですね。」
「スフィーダ以外のメンバーもマスターの力になり得るってことかしら。」
「これは我々が強くなった分だけ主君も強くなる、ということですか?」
「自分のレベルアップがご主人様のステータスアップに繋がるなんて素敵です!」
「マスター、これ仲間を増やせば増やすほど指数関数的に強くなるんじゃ...?」
前々から薄々思ってはいた事だが、改めて全員がこの『マスター』という職業のチートさを改めて実感した。
「ま、まあ強くなるのは悪いことじゃないよね!それよりせっかくヴァンとルナが魔物を倒してくれたんだから素材を回収して奥へ進もう!」
「まあそれもそうだな!俺も早く戦いてぇし!」
強くなって困ることは無いので、考えることをやめて話をそらすといち早くカイがそれに乗り、ブラックシープの解体を始めてくれた。他のみんなも一旦思考を放棄し、解体に加わってくれたためすぐに素材を取り終えることができた。ちなみにレオンとヴァンはその間見張り役をしていた。(理由はあえて言わない。)
素材たちは品質を損なわないためにもスフィーダ内の倉庫に収納し、また先へと歩みを進める。
「あら、また分かれ道だわ。」
少し先へ進むと今度は道が2つに別れており、さっきとは違って左の道も右の道も大差は無いようだった。
「どっちに行くんだぁマスター。」
「えー、どっちも見た目一緒だからなあ。」
どちらへ行こうか悩んでいるとナナが突然声を上げた。
「マスター!血のにおいがするよ!」
ナナが指さしたのは左の道。ナナの言葉ににおいを確かめようとするが自分では分からない。
「確かに、血のにおいがしますね、それもだいぶ濃いです。」
「これ、恐らくですが人間の血のにおいですね。魔物は独特な臭いがするので。でもこの濃さは1人ではないかと。どうしましょう、ご主人様。」
レオンやカイ、シアン、アイリーンは俺と同じく血のにおいは感じられなかったみたいだが獣人のナナ、ヴァン、ルナは左の道から濃い血のにおいを感じ取ったようだった。
「魔物に襲われてるのかもしれない。なにか力になれるかもしれないし行ってみよう!」
急いで左の道に入り、周囲を警戒しながらも走って進んでいく。しばらく走っているとだんだん前方が騒がしくなってきて、それと同時に薄暗い洞窟内が明るくなっていく。
「...る...!! ......す......れ!!」
「なん.........だ!...ギャァァァァ!!」
どんどん声が鮮明に聞こえ出し、耳をつんざくような悲鳴まで聞こえてきた。
走りながら仲間たちと顔を見合せ、スピードを上げる。
そのまま走り続け、狭い道を抜けて開けた大きな空間に出るとそこには目を疑うような光景が広がっていた。




