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ゲームの仲間と異世界攻略! ~異世界でも育成にいそしみます〜  作者: eo


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24話:治療

「初めて見る魔物だな。」


「ワーウルフに似てるけどそれよりもなんか神々しいね。」


「ワンワン毛並みキレーなの!」


「あの銀色の毛皮にクリスタルのような頭の角、高く売れそうだわ〜。」


「というかなかなか襲ってきませんね。ずっとこちらを見ているだけと言いますか...。」


フラッと目の前に現れたのはオオカミ型の魔物。艶やかでサラサラとした銀色の毛並みにキラキラと輝く頭の角。赤色の瞳はじっとこちらを見つめてきておりどこか威厳を感じるほどだ。


(何かを訴えてきてる?)


まるでその魔物はついてこいとでも言うみたいに俺たちに背を向け、ゆっくりと歩き出した。


「罠でしょうか、どうします?マスター。」


今まで会った魔物は会うなりすぐに襲いかかって来るものばかりだったが、この魔物からは敵意を感じられない。


「いや、ついていってみよう。」


よくよく見るとその魔物の足はなにかに抗うようにずっと震えていた。それでも確かな意志を持って1歩ずつ前に進む姿に様子を見ることにした。


しばらくその魔物の後をついていくと3つの分かれ道に差し掛かったがその魔物はさらにその横にある4本目の細い道に入っていった。ちょうど岩場の影となっているところでそこに道があることを知っていないと気づけないくらいの入口だった。


しかも地面に目を落とすと暗いためあまりはっきりとは見えなかったが血痕のようなものが少し落ちているのに気づいた。


「マスター...。」


「...大丈夫。行こう。」


魔物は焦るように段々と歩調を早め、細い道から開けた場所に出る頃には俺たちを気にすることなく走り出していた。


「あ、ちょっと待ってよ!」


俺たちも慌ててその後を追いかける。そして道を抜けた先、行き止まりとなった狭い空間には先程の魔物ともう一体、血だらけで倒れている同種の魔物がいた。


「クゥーン、クゥーン。」


俺たちを案内してきた魔物は横たわっている魔物の身体を必死に舐めているが、その魔物はもう返事を返す気力もないらしくただ静かに呼吸を繰り返している。


レオンたちには止められたが、魔物達をこれ以上警戒させないように武器をしまい、恐る恐る2匹に近づいていく。


倒れている魔物は腹を大きく切り裂かれており少し腸も見えてしまっている。恐らく先に来ていた冒険者にやられ既のところで逃げてきたのだろう。魔物の呼吸もだんだん弱くなってきておりこのままだとあと数分もしない内に息耐えてしまう。


「キューン」


必死に倒れている方に鼻先を擦り付け、悲しい声でなく魔物。まるで動物や人間のようで、今にも死にそうな仲間に縋り付くようなその様子に魔物だが『助けたい』と思ってしまった。


しかしこの場には治癒の魔法を使える者はいないし、薬草やポーションもこのダンジョン探索のために他の冒険者たちが買い占めたのか売り切れていたため持ち合わせていない。


「くそっ、どうすれば...。」


他のメンバーも近くに寄ってきて消えゆく命を悲痛な目で見つめている。


(みんなにスキルポイントを使ってもらったとしても回復士じゃないから治癒系統のスキルは獲得できないし...あ、そうだ!)


「ステータス!獲得可能なスキル一覧を見せてくれ!」


ステータスポイントなら俺も持っている。ステータスからスキル一覧を開き、目当てのスキルを探す。レオンたちは俺がやろうとしていることに気づいたのか静かに見守ってくれている。


(あった!)


「スキルポイントを5消費して『治療』スキルを獲得する!」


思った通り、ゲーム内でもよくギルドメンバーに使っていた『治療』がスキルとしてあったので獲得に必要なスキルポイント5を消費して獲得する。無事、自分のステータスの【スキル】に『治療』が追加されたことを確認し、早速使用する。


使い方なんてもんは知らないがとにかく無我夢中で死にかけている魔物の腹に両手をかざし「治療!」と叫んでみる。すると手元が暖かな光に包まれ、成功かと思ったが直ぐにその光は収まってしまい、目の前にポップアップが現れた。


『スキル使用対象外です。使用条件を満たしていません。』


「はぁっ!?」


なんと、せっかく治療のスキルがあるのに目の前で死にかけている魔物には使えないというのだ。


(どうすればいい?本当にもう手はないのか?こんなにも助けを求めて、俺を頼ってくれたのに?俺には助けられないのか?)


打開策が思い浮かばず頭を抱える俺に俯いて静かに最期を待つ仲間たち。ずっと俺たちをここまで案内してきた魔物の消え入るような悲痛な声だけが洞窟内に響いている。


その時、カイがぽつりと声をこぼした。


「...なぁ、思ったんだけどよ。スキル使用対象外で使用条件を満たしてないって出てたんだよな?ってことは使用条件を満たせばスキルを使えるってことか?」


その声に顔を上げてカイを見る。


「でもそれって魔物だから使えないんじゃないの?使用条件を満たすこと自体無理なんじゃ...?」


カイの言葉にアイリーンがもっともな疑問をぶつける。


「いや、マスターのスキルがスフィーダの時と同じなら思い当たる使用条件がある。」


_______________

【名前】柳颯汰

【職業】マスター

【レベル】28

【能力値】

HP280/280

MP280/280

SP23

筋力:28(+50)

攻撃力:28(+50)

防御力:28(+50)

敏捷:28(+50)

【スキル】ガチャ、拡張、倉庫、治療

【アイテム】金貨81枚

_______________


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