表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
30/32

1-25.冒険者のすすめ①

ジルが目覚めた翌日、薬草採取に行った時の出来事について聞かせて欲しいということで、聖女見習いのレティ、冒険者のエド、ルカ、ラジェットの4人と朝食を終えてから小一時間話し込んでいる。


昨日自分がジルのお見舞いに行ったり村の人々と交流していた間、4人は森の調査を行っていて、その結果によると森は安定を取り戻している様子だったが、何が原因だったかはっきりしないという状況だそうだ。そのため直近で森に入り戦闘を行った自分にも話を聞きたいということだった。


「うーん……、ヒロが倒したマギアゴブリンはここの森の浅い所にいるのは珍しいけど、有り得ないって程じゃないよね?」


「ええ、ルカさんのおっしゃる通りでしょう。イナファの森は巨大ですから、もう少し深く入ればその程度の魔物はいくらでもいますし……。」


「おそらくマギアゴブリンは、異変から逃げてきた側の魔物だろう。例えば異常発生した強力な魔物とかな。」


レティとラジェットの発言によると残念ながら自分が命がけで倒したマギアゴブリンは、魔物のヒエラルキーで言うと下の方にいる魔物のようだ。魔法を使ってくるとは言えゲーム等で雑魚モンスターの定番であるゴブリンなのだから当然といえばそうかもしれないが、それでもとても恐ろしい魔物だったので、強い方であってくれと少しだけ思ってしまう。


「仮にそのような強大な魔物がいたとして、異変が収まったということは討伐されたのでしょうか?」


「その可能性は低いだろ。そんな強い魔物と戦える冒険者がここに来るって話は聞いてねぇからな。教会もあんたが来た最初のやつだろうし、騎士連中は態々こんな所まで来るはずがねぇ。」


やはりエドは冒険者パーティのリーダらしく他パーティの情報等をしっかりと集めているのかもしれない。途中から一言も発していなかったので、見た目通り真面目な話が苦手なようだと勝手に思っていたがそんなことは無さそうだ。


「大方もっと強いやつに負けたか、森の奥に進んで行ったかの二択くらいだろ。そもそも火事とか環境的な問題かもしれないしな。」


なるほど、確かにそういった可能性もあるのかと思いつつ、横から口をはさむ。


「あの、異変が何なのかは分からないんですけど、もう解決していると思います。」


「ん?突然どうしたんだ、何でそう思った?」


「実はマギアゴブリンと戦った後に人と会ったんです。洞窟の自分が入った方とは反対から来たので、多分森の奥から入ってきたんだと思います。それでその人が『森の異変はもう収まる』って言っていたんです。」


「その方は何者なんですか?名前は?」


「すいません、洞窟で一瞬会っただけで会話というよりも一方的に話しかけられただけなのでよく分からないんです。参考になるかあれですが、全身真っ黒の鎧で顔にも黒い仮面があって禍々しい雰囲気でした。何というか闇?みたいな。最後なんて影になったと思ったら消えちゃったんですよ!」


「闇、ですか……。もしかしたら『魔人』かもしれません。他に何か言っていたことはありませんか?」


「えっ、えっと、手柄はいらないみたいなこと言ってました。それから自分とはもう会いたくないみたいなことも。」


「森の異変解決なんて、冒険者だったら隠すはずないもんね。クエストじゃなくても報奨金とかもらえるはずだし。」


「ああ、そんな特異な冒険者はうちのリーダくらいのものだろう。」


ルカとラジェットの視線にエドが少しずつ縮こまっていく。以前聞いた通り報酬にかまわず善意で行動することがそれなりにあるようだ。


「ちょっと気になったんですけど、魔人って魔物と戦うことがあるんですか?何となく魔人が魔物を従えているイメージがあって。だから今回の森の異変の原因が強い魔物だったとしたら魔人が倒す理由があるのかなって。」


「魔人も魔物も姿形が人型かどうかだけでどちらも魔に属する我々人類の敵です。ですのでヒロさんが考えている通り、戦うことは多くないと言われています。ただ人間同士でもやりあうことがあるのですから、やつらが殺しあっていても何ら不思議はありません。」


「実際に魔人と魔物が戦っている所を見たという噂も冒険者の間ではちらほら流れる。魔物を引き連れて魔人が襲撃してきたという類の話の方が多いが、魔人にとっても不都合な魔物は存在するんだろう。」


なるほど、魔人と魔物は完全な共生関係にあるというイメージは誤っているようだ。つい元の世界の剣や魔法で魔物と戦う王道ファンタジーの世界観と混合してしまうが、異なる部分が多数あることを肝に銘じておかなければいけなそうだ。


「ヒロさんが出会ったものが何者かにしろ、不確かな証言を信じることはできません。明日改めて森の調査を行いたいと思いますが、皆さんもご協力いただけますか?」


「ああ、もちろんだ!俺たちはそのためにアストフ村に来たんだからな!」


今週は奇跡的に金曜日に投稿という快挙です!

ストーリの切れ目の都合で短めだからかもしれませんが笑


内容としては基本振り返り回なので若干面白みが少ない気もしますが、「魔人」という単語は初出しのはずなのでこの部分でちょっとだけ。


「魔人」「魔物」「魔王」等々、「魔」を関する生き物絡みの単語色々と見かけますが、定義だったり関係性を真面目に考えると若干作品ごとに差異がある気がしますね。例えばザ・なろうの転スラとかだとこれらは明確に区別されてますよね。「真なる魔王(覚醒魔王)」とかいう追加の概念があったり。


「勇者」を再解釈するというコンセプトを掲げている以上、こういう単語も何となくではなくきちんと考えながら使っていきたいと改めて思った今日この頃でした。


ではまた来週!

もしかしたら勢いで次も直ぐに投稿するかも?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ