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お助けキャラも楽じゃない【書籍化】【コミカライズ連載中】  作者: 花待里
ジェパニ編

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【会報】SF(少し不思議)な小話

本日、櫻庭まち先生による「お助けキャラも楽じゃない」コミカライズ4話目が各電子書籍サイト様でアップされています*

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【天使と書いてベルたんと読むの会】会報 特別号

 6月19日 曇天だが心は晴天

 報告者:ザック・エーカー


 親愛なる同志諸君……。今日はこの会報を通じて諸君らに感謝を伝えたいと思いペンを取った。

 少し長くなるが、こう思った経緯を聞いてほしい……。


 ──俺は先日、酔ってとある雑貨屋にふらっと入った。

 自分でもよく分からないが、何故かその店に入らなければいけない気がしたのだ。

 店内には見た事もない器具がズラリと並んでいて、壁に貼ってある使い方を見ると、どうやら筋トレに使う物らしい。その他にも、不思議な素材のトレーニングウェアや靴で溢れていて、こんな店にどうして今まで気付かなかったのかと不思議に思いつつ、俺は商品を夢中で眺めた。

 すると、店の奥から店主らしき人物が現れ、声をかけてきた。


「キミ、良い筋肉してるね?」


 俺の筋肉を褒めてくれたその店主も、それは立派な筋肉の持ち主だった。小麦色に焼けた肌、俺達も愛用している白のタンクトップからこれでもかとはみ出て主張する美しい筋肉は、まさに理想。筋肉の黄金比を体現していると言っても過言ではなかった。


「そんなキミにオススメの商品があるよ」


 その神々しい筋肉の店主は、白い歯を見せつけながら、ド派手な眼鏡を渡してきた。赤い絵の具を薄めずそのまま塗りこんだような鮮やかな色のフレームにラメやらハート型のパーツやらを盛りに盛ったデコレーションで、とてもシラフでは装着できないデザインの代物。


「キミが今一番知りたがっているだろう数値が見える眼鏡だ」


 いい笑顔でウインクをかます店主に言われるがままに、俺はその眼鏡を掛けて店の外に出た。すると、道行く人達の頭上に数字が見えるではないか!

 女性は大体25パーセント、男性は40パーセントが平均値といったところだろうか。

 一体これは何の数値なのか……。俺が今一番知りたい数値とは……?

 しばし考えて、俺の筋肉な脳みそは閃いた。

 もしかしてこれは、「好感度メーター」が見える眼鏡なのではないかと!

「好感度メーター」とは、最近王都を中心に流行っている恋愛小説に出てくるもので、相手がどれだけ自分の事を好きか、そのメーターの数値で分かるのだという。数値が高ければ高いほど自分の事を好きという事らしい。

 ちなみにその小説の原案はルイス殿下の婚約者であるキャロル様で、最近何人もの小説家を支援しているそうだ。

 どうして俺が一番知りたい数値が好感度なのかというと、待ちに待ったベルたんの護衛担当の日が控えていたからだ。

 ベルたんは俺の事をどう思っているのだろうと気になって気になって夜しか眠れない日々!だが、この眼鏡でベルたんのご尊顔を拝し奉れば、ベルたんの俺に対する好感度が分かる!まさに今俺が一番求めている物なのだ!

 道行く人達ですらそれなりの好感度なのだ。今まで少なからず接する機会があったベルたんなら、高い数値が期待できるのではないか?

 もし万が一、90パーセントを超えていたその時は、結婚を前提に交際の申し込みをする!!

 俺はそう決めて、翌日の護衛任務に臨んだ。


 約束の時間より早めに集合場所に行くと、既に相方のジェイドがいた。


「え、何その眼鏡……。今から宴会芸でもすんの?」


 俺も地味に気にしている眼鏡の奇抜なデザインをディスってくるジェイドの好感度は91パーセント。そんなに俺の事を好きなのかと思うと、その憎まれ口も許せる気がした。

 眼鏡は今だけ少しだけと言い訳をしている間に、後ろからベルたんの声が聞こえた。

 緊張の瞬間……。

 もし90パーセント超えていたら、交際を申し込む!

 そう覚悟を決めて振り返り、ベルたんの頭上に輝く数字を見て、俺は思わず地面に膝をついた。


 23パーセント……?


 奇抜な眼鏡に驚いたのを隠すように目を瞬かせるベルたんきゃわわすぎてマジ天使永久に網膜に焼き付けたい!!という気持ちは一旦置いておいて……。

 道行くおっさん達より好感度が低いなんて、俺は何かしでかしてしまったのだろうか……!?

 エスコートには常に細心の注意を払っているし、孤児院でも積極的にベルたんのお手伝いを買って出ている。それなのに何故……!?

 落ち着けザック、今からでも挽回できるかもしれない。いや、挽回してみせる!そう思って俺はその日一日、ベルたんファーストで任務に当たった。


「ザックさん、ジェイドさん、今日もありがとうございました」


 無表情を装いつつも隠しきれない感謝の微笑みに萌え転がりそうになりつつ、例の眼鏡を掛けて見た数値は23パーセント。1パーセントも増えていない。

 OMG通り越してTKG。

 どうやら遥か東の国ジェパ二には、卵かけご飯なる魅惑のグルメがあるらしい……。残酷な現実を受け止めきれず、そんな脈絡もない事を考えながらとぼとぼと詰所へ戻った俺。

 ドアを開けて見えた光景に俺は涙を止めることができなかった。


「おかえりザック、ジェイド!」

「ベルたん成分おすそ分けしてくれよ!」

「なんだその変な眼鏡!?宴会芸の練習か!?」


 そう声をかけてくる同志達の頭上に浮かぶ数値はどれも90パーセント超え。


 お前ら……俺の事めっちゃ好きなんだな……。


 ありがとう……!こんなに俺を想ってくれて……!!

 そして変な眼鏡よありがとう!これ程の愛に包まれているんだと教えてくれて……!

 残念ながら俺の心は狭小住宅で、ベルたんという天使が住むスペースしかない。諸君らの熱い想いには応えられないが、戦友として、いつまでも共に在る事をこの名にかけて誓う!


 第一騎士団万歳!!


 という訳で、今宵は天使の渚亭にて、ザック・エーカーのファン感謝祭を開催する!

 とびきりのファンサでお迎えするつもりだから期待していてくれよな☆

 以上!


 追記

 ちなみに、好感度眼鏡は気がついたら無くなっていて、不思議な雑貨屋も見つけられないままでいる……。


【回覧者サイン欄】


 ザックの話から考えるに、それは「筋肉率が見える眼鏡」ですね【副団長】

 筋肉率だとしたら俺達の数値がバカ高いのも納得いきますね【副団長補佐】

 憐れザック【団長】

 うっかりネタは団長だけでお腹いっぱいだというのに……【副団長】

 副団長に禿同!!【副団長補佐】

 はい、いつものやつー(泣)【団長】

 あー、確かにこの前変な眼鏡かけてたな?あれがコレか【ヨンソン】

 泣きながら筋肉褒めてくれたり、やたら優しくて気持ち悪かった時な【ワグナー】

 その謎の雑貨屋って筋肉界隈に伝わる都市伝説じゃね?ザック異世界に片足突っ込んでて草【メルビン】

 ザックにそれは筋肉率だよって教えてあげた方がいいかな?【ダニエル】

 面白いからしばらくこのままでいんじゃね?とびきりのファンサ何するのか気になるし【ヨゼフ】

 ……

 ……

 ……

 私の筋肉率って何パーセントなのかしら?骨密度も気になるわね【アイリス】

 もし本当に好感度が分かる眼鏡があるなら是非手に入れたいね。不穏分子を炙り出せそうじゃないか(ニッコリ)【ルイス】

 先生ー!今日もルイス君のお腹が黒くて怖いでーす!【キャロル】

 キャロル嬢の小説家支援が不穏すぎる【ランスロット】

 いずれこの世界にラノベを流行らせるのが夢です!【キャロル】

筋肉率は現代人の女性平均25〜35パーセント、男性平均35~45パーセントらしいです(Google検索)

ベルたんは若いですが、運動しない貴族女性なので少し低い設定に。ごめんよザック。

自分で書いといてアレですが、ザックのファンサが気になって夜しか眠れません。(正常)

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