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続きのチュートリアルが始まった②

携帯食を1枚食べ、水も少しばかり飲んでそのままぐっすりと床で眠る。

何も心配せずに体を横にする事が出来るのはとても助かる。

そう言えばこのダンジョン何階まであるのだろう。

初心者用ダンジョンであればそう深くはないはずだが。

考える内に瞼が下がり、私はぐっすりと眠る事が出来たのだった。


翌日、洗面台で顔を洗った後に朝食を食べる。

とは言っても相変わらずの携帯食と水なのだが。

食べ終わった後は奥へと向かって歩き出す。


相変わらずの蟻ばかりだ。

そう思っていたら階段の手前でミニボスに遭遇した。

エメラルドグリーンの大蠅だ。

無駄に綺麗な色をしているのが残念な気持ちにさせる。

どうしてこうも触りたくないような物ばかりがミニボスなのか・・・

ゲームではデフォルメされているのでそこまで気にはしなかったが、これが現実ともなれば不気味で気持ち悪いとしか言いようがない。

しかもモンスターなのでサイズも大きくなっている。

触りたくは無いが倒さなければ先へは進めないので諦めて戦闘に入った。


大きくてもさすが蠅。すばしっこくてイラッとする。

蠅叩きかクルクルと筒状に丸めた新聞紙が欲しいと切実に思う。

兎に角動きを鈍らせなければと思い足か羽を狙う事にした。

せっせとヒットアンドランを繰り返し、攻撃を食らわないようにしながら刻んでいく。

しばらく経ってやっと頭を切り落とす事が出来た。

人魂女神さん、ナイフじゃきつくないですかね・・・

愚痴をこぼしても仕方が無いので魔石を回収して階段を上る事にする。

魔石を拾おうとして、側に竹製の蠅叩きがが落ちている事に気付く。


( ・・・ )


今?! 今出すんです?! せめて1つ前のミニボスからにしませんか!

叫びたい衝動を押さえながら回収する。

もしかしたら今後役に立つのかもしれない。と言うよりも是非に役立っていただきたい。


階段を上り3階へと到着する。

青空が消え、木の根が張り巡らされた壁が並んでいる。

現れるモンスターは蜂系のキラービーやスピアビー、蝶系の眠り蛾などだった。

モンスターたちの大きさは其々が20㎝前後だ。

蠅叩きで対抗できるだろうか。


パンパンッ スパパパパンッ


結論としては対抗出来た。

が蠅叩きが当たるとモンスターたちが弾けるので私は全身ベトベトだ。

ここまでベトベトになれば諦めがついて開き直れる。まぁヤケクソとも言うが。

セーフティーゾーンにシャワーがあればいいのだが無いだろうな。

進んで行くと行き止まりに辿り着いた。

おや、と思う間もなくシュンッと飛ばされた。

ワープか!

気が付けば先程とは違う通路に立っている。

なるほど、これは迷宮型って事でいいのだろう。

A地点からB地点へ。B地点からC地点へ。C地点からD地点へ。D地点からA地点へ。

と言った感じでどういった順で飛べば出口に辿り着けるのかを探さなければならない。

地図があれば判り易いのだがある訳もなく。

目印代わりにワープ地点の壁にナイフで文字を掘っておく。

まずは此処をAとした。

モンスターを倒しながら進んで行き止まりが見えたら少し手前に文字を刻む。

それから足を踏み出しワープする。

出先でもすぐに壁に文字を刻む。

この作業を延々と繰り返す事になるので気が遠くなった。


セーフティーゾーンを見つければそのつど休憩を挟む事にした。

3回目の休憩の時、お湯が張ってあるタライが置いてあった。

もしかして気を利かせてくれたのだろうか。

人魂女神に感謝しありがたく使わせて貰った。

せっかく身綺麗になったので、この日はこのまま此処で眠る事にした。



3日目の朝を迎えた。

この日も作業を繰り返す。

段々と文字が刻まれた場所へ現れる回数が増えた。

何度も繰り返す内に少しづつだが何処と何処が繋がっているのか覚えて来た。

これが若者ならばもっと簡単に覚えられるのだろう。

やれやれ、歳は取りたくないものだ。

結局3日目はこの作業を繰り返すだけで終わりを迎えた。

セーフティーゾーンには今日も湯の張ったタライが置かれていた。ありがたい。


4日目、思ったよりも携帯食が減っていない事に気付く。

何故だろうと考えてみれば、どうやら昼食を抜かしていたようだ。

集中していると食事を抜かしてしまう事があり、息子によく叱られたものだ。

懐かしい。

いや懐かしんでいる場合ではない。

空腹だと頭の回転が鈍ってしまうので気を付けなければ。

そう思いながら作業に取り掛かる。

そして黙々と作業を続けた私は順路を覚えた。

たぶん合っているはずだ。

明日試してみようと思う。


5日目、朝食を終え近くのワープ地点へ向かい文字を確かめる。

S と刻んであった。よし!

SからCへ、CからAへ、AからBへ、BからPへ、PからOへ、Oから飛べば階段があるはずだ。

そう思ったのに、何故かSから飛べばCではなくてGだった。

どうやら見間違えたようだ。おのれ老眼め・・・

Gからだとどう行けばよかっただろうか。

GからEへ、EからKへ、KからJへ、JからSへと、とんだ遠回りになってしまった。

モンスターを倒しながら順路を進んで行く。今度は見間違えないように慎重に文字を確認した。

CからAへ移動する途中でセーフティーゾーンを見つけたので休憩し忘れずに昼食を摂った。

その後も慎重に歩を進めてやっとOへと辿り着く。

さぁ此処を踏めば階段にワープするはずだ。


踏み込んで出た場所で私はこけた。

それはもう漫画の様にズシャーとスライディングしそうな勢いでこけた。

何故なら石造りの壁に囲まれた部屋の中に門が1つ聳え立っており、その門に『open 08:00~16:00』と書いてあり扉が閉まっていたからだ。

開放時間があるとか聞いていないのだが。

そもそも私達は腕時計なんて物を持たされていないのに、どう時間を知れと言うのか・・・

仕方がないのでこのまま門が開くまで待機する事にする。

部屋の隅に移動し腰を下ろし携帯食と竹水筒を取り出す。

もそもそと1枚を食べ水で喉を潤す。

これまで経験したゲームのパターンから考えるとこの門の向こう側にはダンジョンボスが居るのだろう。

ボスを倒せば看破になるという事だろうと思う。

思うが店ではあるまいに営業時間が決まっているとか解せぬではないか。

さすがにこれだけでも説明が欲しかった。

そう思ってもどうにもならないので明日のボス戦に備えて眠る事にした。


6日目、身支度を整え朝食を済ませると門が開いた。

荷物を持ち直していざ門の中へ。


中で待っていたのはやはりダンジョンボスだった。

一際大きなキングスライムかと思えば、胸元に桃色の乳バンドらしき物が見える。


「雌か!クィーンスライムなのか!」


思わず叫んでしまった。

クィーンスライムはドヤァとばかりに胸を張っているのだが、残念ながら丸っとしたフォルムなので腹を突き出している様にしか見えない。

吹き出しそうになったが失礼だろうかとこらえた。


『 きゅっ 』


ゴム手袋を擦ったような音が聞こえた。

戦闘開始の合図だったらしく、やる気に満ちているクィーンスライムは鼻息が荒い。

なんだか少し変質者に見えるのは気のせいだろうか。

読んで下さりありがとうございます。

誤字報告助かります(*'ω'*)

リアクションに評価、(人'▽`)ありがとうございます

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