ランキングなんてものがあったらしい
夕食を終えて部屋へと戻る。
備え付けのケトルでお湯を沸かしお茶を淹れてからアズールへと通話を鳴らす。
チャララ~チャラララ~
ぶ・・・
何故宇宙の戦艦アニメソングが流れるのか・・・
「ぷるさん?」
「こんばんは。少々報告がありましてのぅ」
「何故このメロディなんですか。判り易いですけども」
「儂にも分かりませんですじゃよ。
先日の通話では普通に電子音だったと思うのですがの・・・」
「ですよね。
まぁそれは置いておいて。報告とはなんです?」
「それなのですがの・・・転職しましたじゃ」
「え? 何にしたんです?
いや待てよ。通話で話す事ではないですよねこれ。
今何処に居ますか?」
「ハザルの町におりますじゃよ。此処で越冬するつもりですじゃ」
「ハザルでしたら転移門がありますね。
分かりました。明日そちらに向かいます」
「いやいや、でしたら儂がそちらに向かいますじゃよ」
「いえ、こちらですと場合によっては大騒ぎになるかと・・・」
「あぁ、なるほど? 分かりましたじゃ。
では明日、午前中からの方が良さそうですのぅ」
「では朝食後の9:00頃に転移門の前でおち合いましょう」
「分かりましたじゃ。お手数お掛けしますのぅ」
通話を切りゴロンとベッドへと寝転がる。
明日アズール達には話すとしてアナンタ達にはどうしよう。
知らせた方が良いだろうか。随分と世話にもなったしな。
そうすると異邦人であることの説明も必要になるのだがピリカ様やホロケウ様的にはどうなんだろうか。
チュートリアル云々の件を省けばよいだろうか。
その事もアズール達に相談してみるとしよう。
そんな事を考えながら眠りについたからだろうか。
夢の中でホロケウ様がカゥボーイ姿で「OK牧場!」とサムズアップしていた。
何故カゥボーイ姿・・・
そして今時の若者は「OK牧場」のギャグなど知らないと思うのだが。
ああ、私だからそれを使ってきたのか・・・
なんとなく釈然としないが致し方あるまい。
「クァクァクァッ ホヘーッ ホヘェーックションッ」
なんだ最後のは。クシャミか。そうかフラミンゴもクシャミをするのか。するのか?・・・
妙な気分で目が覚めてしまった。
身支度を整えてお茶で一息つく。
やはり早々に冬物を手に入れなければ肌寒い。
暖炉に火を入れれば良いのだろうが昨夜はそこまで寒くなかったように思ったのだ。
アズール達との話が早く終われば店を見てまわろうと思う。
朝食はプロフというピラフのような物だった。
マトンがゴロゴロと入っており朝からボリューミーなのだが美味しくてペロリと食べきる事が出来た。
飲み物はシナモンが効いたチャイだったのだが私が知っているチャイのようなミルクティーではなくストレートティだった。
つまりはシナモンの効いた紅茶である。
これはこれで美味しく、茶葉を店でも売っていると聞いたので是非とも購入したいと思う。
部屋で一休みした後に落ち合う転移門へと向かった。
日が差し始めれば少しだけ気温も上がるのだがやはり肌寒い。
感覚的には11月頃の寒さだろうか。外套を羽織って来て正解だったな。
正直トンビコートなどと随分古臭い物をと思ったのだが、この国では一般的な物のようですれ違う冒険者達も似たような外套を羽織っていた。
古臭いなどと思って申し訳ない・・・
転移門へと到着すれば3人も丁度到着したようだった。
「あ、ぷるたーん。おはよう!元気だった?」
「おはようございますじゃよ」
「「おはようございます」」
「何処で話ますかのぅ」
「そうですね、またギルドの談話室を借りましょうか」
確かギルドの談話室は防音になっているのだったな。
その方が安心か。
冒険者ギルドへと移動しオズワルドが部屋を借りる手続きをした。
部屋は前回と同じように2階の一番奥だった。
「寒いからお茶入れるねぇ」
ルリリはそう言いながらも机にあれやこれとやとお菓子を並べていく。
朝食後のはずなのにこのお菓子の量はいったい・・・
「おい、ルリリ。多すぎやしないか」
「そーぉ?だって見てたらおいしそうでついつい買っちゃうのよねぇ」
「気持ちは分かりますがのぅ。全部出さずともよいのではないですかの」
「そぉお?」
何故かドーナツ系のずっしりした物が多いのは気のせいだろうか。
いや、確かオズワルドの好物なのだったか。
兄妹だからルリリの好物でもあるのやもしれん。
お菓子とお茶が並んだところで話を始める。
「それでぷるたんは何に転職したのぉ?」
「半強制的に錬金術師と薬師になり申した」
「「「 はぃ?! 」」」
「ちょっと待ってください。半強制的にとは?」
「まさか誰かに脅されたのぉ?ひっどーい」
「いえ、脅された訳ではありませんのじゃ。ただちょっとこう・・・
押し売りのようなテレビショッピングの決算セールのような感じですの・・・」
「え?意味わかんないんだけど」
転職しようと教会へ出かけ水晶玉に手をかざせば、まず薬師の文字が点滅して主張した事。
薬師はサブジョブ予定だからと頭で訴えたら今度は錬金術師が点滅して主張した事。
その後頭で若い子に頼んでくれと訴えていたらピリカ様との会話がはじまったのだと話して聞かせた。
「点滅して主張・・・」
「オマケが付いて更にオマケのオマケが・・・」
「これまでの知識と経験が反映って、行き成り高LVとかですかね?」
「どうなんですかのぅ。確認しておりませなんだ」
「「 そこは確認しましょうか・・・ 」」
アズールに付き添われ1回の受付近くに置いてある水晶玉で確認をしてみる。
job適性の下に新たな項目「job」が出来ていた。
メインジョブが薬師になっておりLV37、サブジョブが錬金術師になっておりLV29。
LV37だの29だのと言われてもそれがどの位置付けになるのかが分からない。
「どうでした?」
「部屋に戻って話すよ・・・」
位置付けが分からないので誰かに聞かれたくはないと思った。
部屋に戻りLVを伝えるとアズールとオズワルドの顔が引きつった。
「転職したてですと通常はLV1からなんです。俺達の場合もそうでした。
そしてカンストが100らしいのですが
現在の最高LVが77でアナンタさんと言う大剣使いの方ですね」
「 ぐほっ げほっげほっ 」
「ぅわあ、ぷるたん大丈夫?!」
飲みかけていたお茶が気管に入ってしまったではないか・・・
アナンタってそんなに凄い冒険者だったのかと遠い目になってしまう。
あー、うん、あれだ。これはアナンタさんには話しておいた方がいいな。
「次に高LVなのがクンダリさんとアシックさんと言う方でLV75。
その次がブランカさんとロボさんの姉弟でLV74となってますね。
その次は差があってLV65でリヒターという方です」
「よく覚えてるな」
「まぁな。いつか俺達もそうなりたいと思ってな」
「なるほどですじゃ。儂はほどほどにのんびりとですかのぅ」
「「「 無理そうじゃね? 」」」
「えぇぇ、変なフラグ立てないでもろうて・・・」
クンダリとかアシックとかブランカとか知り合い軒並みではないか。
「一応聞きますがそのランキング?は国内のですかの」
「ええ、そうですよ」
「安心しましたじゃ。大陸ランキングだのワールドランキングだのでしたら
儂憤死する所でしたわぃ」
「もしかしてお知り合いがランキング入りしてました?」
「4人ほど・・・」
「「 マジか! 」」
「ぷるたんすごいねー」
ルリリ、凄いのは私ではなくてアナンタさん達だろう・・・
ちなみにこのランキングは冒険者のみが適用されているらしく、生産系やその他は不明なのだそうだ。
薬師や錬金術師なんかは知られたくないだろうしなと思う。
「俺達もぷるさんに誇って貰えるように頑張ろうぜ」
「そうだな」
「いやいや、儂が誇ってどうするんですかの・・・」
「だって2人の憧れの師匠だもんねぇ~。フフフッ」
何故儂に憧れたのか不明なのだが・・・
過去の私よ、この2人に何をした・・・
話も終わり談話室を出て皆で昼食を食べに行く事にした。
その際ルリリは2人からくれぐれも私のジョブについては口外するなとこれでもかというくらいに念押しされていた。
読んで下さりありがとうございます。




