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そういう事にしておこう

足を運んで下さりありがとうございます。

冒険者ギルドを出て昼食を摂る為に店を探せばマンティという餃子のような物を見つけた。

餃子というか韓国のマンドゥの方が似ているかもしれない。

水餃子のように湯がいてあるようでヨーグルトソースに付けて食べるらしい。

1皿が銅貨3枚と安価な割には量がある。

私を含めて全員が興味を持ったのでこの店で食べる事にした。



「おっいしぃ~」

「案外ヨーグルトとも合いますね」

「中は羊肉ですかのぅ」

「肉汁が溢れてくる」


ルリリ達はお代わりを頼んでいたが私は満腹である。

相変わらずこの3人はよく食べる。


「ルリリも料理が出来ればな」

「お菓子なら作れるもん!」

「菓子ばかりじゃ飯にならないだろ」

「そのうち覚えるもん!」


なるほど。ルリリは菓子作りが得意のようだ。

料理は出来るに越した事は無いが出来なければ買ってくればいい。

今の所私も買った物を食べている。

いずれ家を持った時には作る事もあるかもしれないが。


食事を終えて皆で店を見て回る。

冬物を揃えたいのだと言えばルリリが見繕うと張り切ってしまった。

ならばとルリリに任せてみたのだが・・・

ピンクだのフリフリだのを選ぼうとするのでアズール達がそれを止めていた。

ルリリに推し負けそうになっているが是非とも頑張って貰いたい。

私はすでに言い負かされてしまっているので何も言えないでいる・・・

結局はこげ茶色の襟巻と黒のロングセーター2枚、紺色の冬用ズボンを購入した。

上着はアズール達の住む西の国境の町の方が良い物があるとの事で後日買ってきてくれる事になった。


買い物も終わり気が付けば空が夕焼け色に染まっている。

そろそろ戻った方がいいだろうと転移門へ向かいルリリ達を見送った。

宿へ戻ろうとして美味しそうな焼き栗を売っている店を見つけてしまった。


「今年の栗も甘くて旨いよ!」


店の主が皮を向いて1つ差し出してくれる。


「食べてみて気に入ったら買ってくんな」

「ありがとうございますじゃ」


熱々の栗を頬張ればホクホクとして優しい甘みが口の中に広がる。

秋と言えば栗と芋。これは買うしかないだろうと2袋購入した。

1袋銅貨2枚、日本では考えられないくらいの安さだった。


宿へ戻って気が付く。

薬草や野草を売っている店がないか見てみればよかった。

明日も店を見て回るとしよう。


「主、店よりも商人ギルドの方がよいのではないか?」

「商人ギルドはちょっといい思い出がありませんのじゃよ」

「ふむ、では村の外で探した方がよいだろうな。

 店で購入すれば薬師(ハーバリスト)だと思われてしまうぞ」

「なるほど、確かに。

 では明日は村の外を散策してみますかのぅ」


タマに言われてみれば確かにその通りだった。

野草は料理にも使うだろうからまだしも、薬草は一般人は購入しないだろう。

こんな事なら首都で依頼を受けた時に自分用にも確保しておくのだったな。

もっともあの頃は薬師や錬金術師(アルケミスト)になるとは思っていなかったのだが。


そう言えばどの様な組み合わせで何が作れるのだろうか。

と言うか覚えているスキルはあるのだろうか。

自分を鑑定してみれば分かるかもしれない。

などと思えば自動で表示された。


【薬師:取得済みスキル:薬草及び野草の加工・薬の調合 

    取得済みレシピ:傷薬・解熱薬・鎮痛薬・消炎薬・胃腸薬・風邪薬・咳止め

            精神安定剤・睡眠導入剤・肌荒れ改善薬

    その他:LVや本人の知識に基づき新たなレシピを取得可能

        スキルブック及びレシピブックは各ギルドにて購入可能】


最初からこれだけの種類を作れるものなのか?・・・

傷薬や解熱薬、消炎や胃薬なんかは野草で代用してきたから分かる。

風邪薬や精神安定、導入剤なんかはハーブで使っていた。

なるほど、知識と経験が生かされている訳か。そうか・・・

チート過ぎやしませんかね・・・


こうなると錬金術師の確認が怖くなるではないか。

こちらも知識と経験が生かされると言うならば・・・


【錬金術師:取得済みスキル:ほぼすべてなので略

              神酒(ソーマ)以外は精製可能

      その他:本人の知識に基づく為奇想天外な物が出来上がる可能性あり

          スキルブック及びレシピブックは各ギルドにて購入可能】


ぶっ・・・  待たんかい!

略すな略すな、そこ略すな! ほぼすべてとはいかがなものか。

そもそもがこの世界にどのようなポーションがあるのかも知らない。

奇想天外な物が出来上がる可能性などあってはならんだろう!

なんだこの突っ込みどころ満載な記載は・・・


「どうした主」


遥か彼方の銀河に意識を飛ばした私に対してタマが心配そうに声を掛けてくる。

出来ればあのまま銀河を旅したかったなどと現実逃避をした私を許して欲しい。

誰がこのような結果を予測出来たというのだ・・・


「少々予想外の鑑定結果が出ましての・・・」

「予想外とはどのような事だ?」


結果を伝えるとタマも遠い目になってしまった。


「主、そのように略と記載されるなど初めて聞いたのだが」

「そうでしょうとも・・・」

「奇想天外な物とは何を作るきなのだ、主よ・・・」

「作る気などありませんがのぅ・・・」

「それよりもだ、主の鑑定スキルは風変わりであるな」

「鑑定眼ですがの・・・」

「これもまた異邦人故であろうか」

「そういう事にしておいた方が楽ですのぅ・・・」

「うむ・・・」


2人して再び遠い目になってしまった。

しばらくして「ぐぅ」と腹が鳴り現実へと引き戻される。


「飯にしますかのぅ」

「うむ、腹が減ったな」


タマの餌を用意して食堂へと向かった。


この日はカチャンのケバブとサラダだった。

そう言えば収納鞄の中にあるカチャンはまだ捌いていなかったなと思い出す。

タマが旨いと言っていたが本当に旨かった。

臭みは無く程よい感じの脂が甘みがありしつこさは無いのだ。

幾らでも食べられる。と言いたいが実際には胃が追い付かない。

これはもう少しカチャンを狩っておけばよかったのではないだろうか。

機会があればまた狩りたいと思う。


食後部屋に戻り、暖炉に火を起こす。

さすがに今夜は必要だろうと思う。

日中は日が差せばまだ肌寒い程度なのだが日が暮れると一気に寒さが増してくる。

乾燥地帯の昼夜の寒暖差は激しいのだったか。

変身を解いてアッパッパに着替え、ベッドに入ればタマがモソモソと潜り込んで来た。

寒いのだろうが暖炉の前で寝れば温かかろうにと思う。


「たまには良いではないか」

「もしかして寒くなって人恋しくなったのですかのぅ」

「そうとも言う」


確かに人のぬくもりが恋しい季節なのであろうが、この国でもそう言うのだろうか。


タマの毛はフワフワと暖かく、この夜はぐっすりと眠る事が出来たのだった。

~ オマケ ~


タマ「主、寝相が悪いぞ」

私 「タマの寝相が悪いのじゃよ」

タマ「目の前に主の足がある。おかしいではないか」

私 「私の目の前にはタマのタマタマが鎮座しておりますがの・・・」

タマ「主の助平!」

私 「失礼な。タマが勝手に見せつけておるのじゃよ」

タマ「そんな事は無い!」


ブランカ 「朝から何騒いで・・・

      ベッドの横向きで寝るとか変わっているな2人共・・・」


私&タマ 「「まさか・・・」」

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