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チュートルアルが始まった③

足を運んで下さりありがとうございます。

本日は、11:00・17:00・21:00と3話更新いたします。

この話は本日の2/3となります。

まだの方は前の話から是非!


砂浜に散らばった流木の中から乾いた物を選んで集め薪にする。

砂浜だと山や森の様に木がないので背もたれ代わりに大きめの流木も拾って来た。

今夜はこの流木にもたれて過ごそうと思う。


ツノウサギの肉が焼けるのを待つ間にコクワの実を口に運ぶ。

キウイやパイナップルと同じで食べ過ぎると口の中がピリつくようになるので半分は明日の朝に回す事にした。

小さな身を1粒ずつ味わっていると肉が焼けるいい匂いが鼻をくすぐる。

そろそろ焼けただろうか。


がぶりとかぶりつけばジュワッと肉汁が溢れる。

少し癖はあるが肉質も柔らかくてラージマウスよりは旨い。

だがやはり肉そのものの味しかしないので喉を通りにくくなる。

これまた最後の3口は水で流し込んだ。


残りの水は竹水筒に四分の三。

モンスターを解体した時に肉を洗うのに1本分使ってしまった。

湖の水を飲むつもりだったのだが鍋も薬缶も無いので煮沸が出来ない為飲む事は諦めた。

だが回収した素材を洗う分には事足りる。

さすがに水浴びをする勇気は無かったが、足を洗って洗顔も出来たのはありがたかった。

日中は山ブドウの蔓で喉を潤せばいいだろう。


こうして2日目の夜も更けていき、モンスターが現れる事も無く無事に朝を迎える事が出来た。

ただ、とても眠い・・・


残るは今日1日。

どの時点で終了になるのかが分からないので、まずは回収した素材を纏めておく事にした。

何の蔓だか分からないがロープ代わりになりそうな物を見つけた。

その蔓で大きめな骨と皮を結んでおき、持ち歩く訳にもいかないので日の当たらない岩陰に置いておく事にした。

小さな骨と牙や詰などの細々した物は葉で包んで肩掛け鞄へと入れた。


残しておいたコクワの実とツノウサギの肉で腹を満たし森へ向かう。

ただ時間を潰すだけでもよかったのかもしれないが、チュートリアルと言ったのだから出来る事はしておきたい。

初心者向けらしきモンスターが居るという事は初心者向けの薬草なんかも有りそうだし、運が良ければレア素材なんてものも見つかるかもしれない。

そう思ったのだが鑑定スキルを持っている訳でもないし、鑑定スクロールを持っている訳でもない。

見れば分かるものなのだろうか。


うん、見て分かった物もあった。

ゲンノショウコウ・センブリ・ドクダミ・薄荷・ワレモコウ。

漢方薬に使われたりお茶として飲まれて居たりと薬効があった草花だ。

ドクダミやセンブリ、薄荷なんかは私もお茶として飲んでいた。

他にも見覚えがある草花を目にする事は出来たが、はっきりと名前を思い出す事が出来ないので手を出さずにいた。

万が一毒草だったり下剤効果がある草だったりしたら怖いからだ。

こんな場所で下したくはないし、下した最中に時間終了した暁には若者達に醜態を晒す事になってしまうではないか。

ん? 何故私は口に入れる事を前提としているのだろう。

口に入れなければいいではないか。

そう気付いた私はサンプルとして1つずつ採取しておく事にしたのだった。


昼食を挟み採取を続ける。

キノコ類も見つける事が出来たのでこれ等も1つずつ採取しておく。

キノコ類の見分けは自信がないので食べる事は控えておいた。

やがて空が夕焼けに染まり始めたので砂浜へと戻る。

残っていた水と森で見つけたコケモモを口に運ぶ。

子供の頃よくオヤツとして食べていた懐かしい味が広がった。


コケモモの味を楽しんでいると目の前にあの白い扉が突如として現れたので少し驚いてしまった。

これは終了したと思っていいのだろうか。

私は纏めておいた骨や皮を持ってゆっくりと扉を開き、足を踏み入れた。



ザワザワと若者達の騒がしい声が聞こえる。

あの空間へと戻って来たのだと実感した。


『 お疲れさまでした。

  次のチュートリアルに進む前に8時間ほどの休憩を設けます。

  皆さんが持ち帰られた物はこちらで回収致します。

  ではゆっくりと体を休めて下さい 』


「え?ちょっと待って。もう少し説明を」

「持ち帰った物ってなんだ」

「回収してどうするんだよ!」


若者達から上がった声はごもっともである。

私だって回収された素材や植物がどうなるのか気になるのだから。

だが答えてくれる気は無さそうだ。

ならば騒ぐだけ体力を無駄に消耗するだけなので私は静かに休憩しようと思った。


休む場所を探して見回せば、いつのまにやらソファーやハンモックが設置されていた。

シャワールームや軽食コーナーまである。

これは非常にありがたいと思い、まずはシャワールームへと向かった。

オールインワンシャンプーやボディソープも置いてあり、全身スッキリさせる事が出来たのだが、最初に洗い流した時に流れていくお湯が茶色く濁っていたのには驚いた。

三日でこんなに汚れていたのか・・・


シャワールームを出ると次に軽食コーナーに向かった。

サンドウィッチ類にホットドッグやハンバーガーが置いてあったのでミックスサンドを頂く事にした。

飲み物は牛乳があったのでそれにする。

腹を満たした後は紙皿と紙コップをゴミ箱へと捨ててソファーで寝る事にした。

転寝程度の仮眠ではとにかく寝不足で眠い。

ソファーに寝転ぶと扉が2つ残っているのが見えた。

なんだろうか、あの扉は。

そう思ったが私の瞼は限界を迎え、すっと閉じてしまい眠りについてしまった。



どのくらい眠っただろうか。

目覚めた時には扉は消えていた。

喉が渇いており軽食コーナーへ飲み物を取りに行けば、メニューが変わっていてパスタ類が置いてあった。

次がどうなるのかまったく予想が出来ないので食べておいた方がよいだろうと考え、カルボナーラを少しだけ皿によそった。

飲み物は蜜柑ジュースにした。

食べ終わりゴミをかたづければ丁度時間だったらしく、人魂女神が現れた。



『 次の説明をいたしますが、その前に注意事項です。

  説明の途中で話を遮るような事があれば、説明はそこで終わりです。

  説明が終わるまで静かに聞いて下さい。

  では説明を始めます。

  次はダンジョンを攻略して頂きます。

  チームはそのままでも組み直しても、どちらでも構いません。

  勿論単独でも大丈夫です。

  各階層にはセーフティゾーンが設けてあります。

  休憩などにご利用ください。

  期間は七日以内。期間内に看破すればよいです。

  七日よりも早く看破した場合は残りの期間を此処で休んで頂く事が出来ます。

  では開始します 』


説明が終わると人魂女神は消え、ダンジョンの入り口らしき洞穴が現れた。


「え?ちょっと待って。質問タイムとかないの!」

「もう少し説明を!詳しく!」

「またこのパターンかよぉー」


激しく同意である。

そして私はこの藁草履をどうにかして貰いたい、かなり切実に・・・


「あれぇ、おばさんの靴、それって草履~?」

「ぶっ、昔話とかでしか見た事ねぇ!」

「うわぁ、さすがにあれは可哀そうだろう」

「ねぇねぇ、おばさん。それ私物なのぉ?」


そんな訳は無いと叫びたかった。


「いえいえ。さすがの儂も藁草履は持っておりませなんだよ。

 何故これなのか儂も疑問におもぉておりますのじゃ」

「そうなんだぁ。じゃああの女神さまの手違いかなぁ。

 おーい! 女神様聞こえるぅ~?

 この草履、おばさんの持ち物じゃないんだってぇ~。

 手違いじゃないのかなぁって思うんだけどぉ。

 普通の靴に変えてあげてくれなぁい?」

「そうだそうだ。さすがにこれはあんまりだと思う!」

「女神様~!変えてあげてぇ~!」


数人の若者が叫び始めた。

読んで下さりありがとうございます。

リアクションや☆を1つでも頂けると非常に喜びます。


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