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依頼を受けてみる

宿へと戻り仕分けしてあった荷物を買って来た布鞄へと入れていく。

下着類・シャツ類・ズボンやスカート類・タオル類・外套類。

それらとテントや食器類などを背嚢へと詰めていけば、旅する雰囲気が出てきたように思う。

後は出発前に食料を買えばいいだろう。

あ、地図があればよいのだが何処かで売っているだろうか。

もしかしたら旅人ギルドで売っているかもしれない。

売っておらずとも、売っている場所を聞いてみればいいだろう。

明日旅人ギルドにどのような依頼があるのかを見に行った時に聞いてみる事にし、この日は眠りについた。

なお、あのサンドウィッチはまだ半分も残っているので朝食で頑張りたいと思う。



アッパッパのお陰かぐっすりと眠る事が出来てすっきりとした目覚めを迎える。

今日もあの「クァクァクァッ ホヘーッ ホヘェーッ」と名前も姿も分からない鳥の声が聞こえた。


朝食を食べに降りたついでにおかみに聞いてみる。


「ああ、あれはフラミンゴの声だよ。おもしろい鳴き声だろ」


フラミンゴだったのか。

息子が幼い頃に何度か動物園に行った覚えはあるが、あのような鳴き声だったであろうか。

考えてみたが思い出せそうにない。


今日の朝食はシーラーズィーというサラダとナンだった。

胃が持たれていたのであのサンドウィッチは夜にでも食べる事にした。

看破1位特典の肩掛け収納鞄に時間停止機能があってよかった。

あの肩掛け鞄は食料用にしようと思う。


食べ終わり部屋で少し休憩をしてから旅人ギルドへと向かった。

今日の旅人ギルドはまばらだが人が居た。


「おはようございます。ご用件は何でしょうか」

「おはようございます。儂に受ける事が出来る依頼はありますかのぅ。

 後、地図を購入したいのですが売っている店をご存じでしょうか」

「畏まりました。

 まず地図ですがどのギルドでも販売されております。

 東部・西部・南部・北部と4つに分かれておりますので

 ご希望の物を仰っていただければお渡ししますよ。

 1枚につき銅貨2枚になります」

「では北部の地図を1枚お願いしますじゃ」

「畏まりました。こちらになります」


地図を受け取り銅貨2枚を渡す。

B4くらいの大きさだろうか。

持ち運びやすく、かと言って小さすぎずで扱いやすい大きさだ。

私は腰に巻き鞄、ウエストポーチに入る大きさに折りたたんで収納した。


「次に依頼ですが本日は、そうですね。

 こちらの3つが手頃かと思われます」


見せて貰ったのは依頼書の紙だ。

1つ目は街の南門を出た場所にある草原でのツノウサギ狩り。

ツノウサギのツノが欲しいと書いてあり最低数は10で上限は無いとなっていた。

報酬は狩りの作業料として中銀貨1枚。別途ツノ1本につき小銀貨1枚。

ツノ1本が随分高いなと思った。


2つ目は街の東門を出て真っ直ぐ進んだ場所にある岩山でのアルミジロー討伐。

これから繁殖期を迎える為増えすぎない様に間引くのだと書いてある。

報酬は中銀貨1枚と小銀貨3枚。

アルミジローとは何だろう、アルマジロの親戚か何かだろうか。


3つ目は1つ目と同じ場所で薬草の採取だった。

これは完全に出来高制となっており、渡された袋1つに付き銅貨5枚となっている。

見せてもらった袋の大きさは両手サイズだった。

同じ場所での依頼なら1と一緒に依頼を出せばよかったのにと思う。


「ツノウサギの依頼と薬草採取の依頼は同時に受ける事は可能ですかのぅ」

「はい、問題ありませんよ。

 依頼主が其々別の薬師なので個別に依頼表が出ているんです」

「ツノウサギの方も薬師の方がですか?」

「はい。ツノウサギのツノは薬の素材になるのです」

「そうなのですか。

 ではこの2つを受けたいと思います」

「本日行かれますか?」

「はい、受けたらこのまま行こうかと思いますじゃ」

「承知いたしました。

 ではこちらの方で処理しておきますね。

 門が閉まるのが17:00ですのでそれまでにはお戻り下さい」

「分かりました」


薬草をいれる袋の束を受け取り旅人ギルドを出て南門へと向かう。

ツノウサギの毛皮と肉も商人ギルドへと持ち込めば買い取ってくれると言うので持ち帰ろうと思う。

ある訳ないがビニール袋が欲しいと思う今日この頃。


南門を出て10分も歩けば草原に到着した。

この手の依頼は普通の冒険者は受けないらしく、辺りに人影は見当たらない。

葉の生い茂った低木を見つけ、陰に隠れて変身を解いた。

ダークエルフ姿の方が動きやすいし視力も良いのだ。

収納鞄からショートボウと矢筒を取り出し装備して狩りを始める。

勿論薬草を入れる袋も忘れない。


ツノウサギは地面に巣を作る。

昨日の雨で巣も湿気(しけ)っており毛を乾かす為巣から出て来ていて狩り易いはずだ。

ゲームならだが。

所々に生えている低木に身を隠しながらツノウサギを探していく。

暫くするとオオバコを食(は)んでいる群れを見つけた。

20羽弱の大きな群れだ。

その内6羽はまだ角が短いので若いのだろう。

若い個体は残しておき、立派なツノを持つ成体を狙う事にした。


弓を構え矢をつがえる。

大きめの1体に狙いを定め、矢を放つ。

トスッと音を立てて矢がツノウサギの頭に命中した。


ゲームでしか扱った事はない弓も不思議とどう動けばよいのか体が分かっているようだった。

他の武器もこういった感じなのだろうか。

だとしたらチートだな。

いや、極上の収納鞄やギフトを持っている時点でチートな気がする。

今考える事ではないな。


意識をツノウサギに戻せば、1羽がやられた事でパニックを起こし右往左往している。

次の1体に狙いを定め矢を放つ。

何度か繰り返し10羽を仕留める事が出来たのでいったん終了とする。

獲物を回収し手早く解体しなければならない。

臭いが付く前に血抜きをする為に水場を探して歩く。

少し離れた場所で小川を見つける事が出来た。


喉に小さな切り込みを入れて川の流れに漬けておく。

血が抜けるのを待つ間に少し休憩をとる事にし、水で喉を潤す。

時々小川を見つめ、水に流れる血の色を確認する。

ほとんど色が出ていないように見えるのでそろそろ頃合いだろう。


解体が終わり、仕上げは生活魔法の「洗浄(クリーン)」を使う。

一瞬で綺麗な仕上がりになるので便利だ。

残った内臓や筋の一部は川に流し、他は土へと返すために埋める。

一部を川に流すのはそこに住む魚の餌にもなるからだ。

私が子供の頃は水道がまだ家になくて、川で洗い物をする家が多かった。

その時お櫃に残った米などはわざと川に流す。

不思議に思い何故かと母に聞けば、川に住む魚のごはんになるからだと教えて貰った。

川を使わせてもらっているお礼なのだとも言われた。


10羽もいれば腰が痛い。

立ち上がり背伸びをして体を解すと何かと目が合った。

草むらから目だけが見えているので正体が分からないが敵意は無さそうだ。

驚かせない様にゆっくりと後退してその場を離れる。

後5羽くらいは狩りたい。

先程狩った場所よりも離れた場所でツノウサギを探す事にした。



読んで下さりありがとうございます。

昼夜の寒暖差が激しくなってきましたねぇ、皆様体調には気を付けてくださいませ( ˙灬˙ )

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