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天然くんだった

足を運んでくださりありがとうございます。

アズールによれば、ギルドは大きく分けて4つあるらしい。

いずれも国とは関係なく独立した機関になっており、王侯貴族の介入は出来ない仕組みになっているそうだ。


1つ目はアズール達が登録した冒険者ギルド。

これは戦闘系のジョブになった人が登録する事が出来るギルドだ。

ギルドを通して生産系のジョブの人や商人、国からの依頼を受けたりダンジョン攻略を行い、それによって経験値と報酬金を受け取る事が出来る。

また登録した冒険者のトラブルなどにも対応しているらしい。


2つ目は商人ギルド。

文字通り商人や店を持っている人達のギルドだ。

商標登録や特許の手続きや管理をしている。

ギルドに登録する事で独自の製品や商品の品質を守る事が出来る様になっている。

粗悪な模倣品や悪品質な商品が出回るのを防いでくれる役目もあるらしい。


3つ目は生産者ギルド。

農業や畜産業、店舗を持たない生産系ジョブの人達のギルドだ。

地域によっての価格差が大きく広がり過ぎないように調整したり、病害虫による被害の補償をしたりしている。

他にも肥料や飼料の相談や情報共有もしているらしい。


4つ目は旅人ギルド。

これは引退者や移住を希望する人が旅をする時どのギルドにも属していない場合でも口座利用が出来るようにと作られたそうだ。


ここまで説明を聞いて疑問にを口にする。


「口座というからには銀行があるのだろうに、

 何故(なにゆえ)ギルドに未所属だと使えないのですかのぅ」

「ぷるたーん・・・」

「「そこもかよ・・・」」

「と言いますと?・・・」

「あのね、ぷるたん。銀行無いの」

「はい?・・・」

「銀行の役割もギルドが担ってるんですよ」

「なるほど。ギルドに未所属だと口座が無いという事になる訳ですかな。

 そうなれば旅人は大金を持ったまま旅をする事になり

 犯罪者に狙われやすくなると・・・

 ぶっそうだな、おぃ!そこはしっかりと説明して欲しかったのぅ!」

「だよねぇ」

「「 ですよね・・・ 」」

「ですからぷるさんも早めにどこかのギルドに登録したほうがよいですね」

「そうですのぉ。今はまだそこまでの大金は持っておりませんが

 いずれは貯めたいと思いますしのぉ」

「ぷるたん?」

「「 ぷるさん?! 」」

「ん? 儂まだ依頼を熟したわけでもありませんし

 狩りをした訳でもないので何かを売って金を得た訳でもないですからのぅ」

「ぷるさん、通貨についての説明は受けました?」

「女神様が硬貨しかなくて感覚的には円と同じだといっていたような・・・」

「担当の方からの説明は?」

「手持ちの金額理解してます?」

「金貨が5枚と銀貨がじゃらじゃら?・・・ 5万円くらいかと」

「ぷるたん、それちがっ」

「小金貨でも1枚で日本円の10万円です。

 俺達が貰ったのは大金貨なので1枚100万円。

 つまり500万円以上持っている事になるんですよ」

「 ・・・ 」


頭の中に某アニソン四天王の歌声が流れアンドロメダ星雲を走る列車に揺られている自分が見えた気がする。

汽笛が哀愁を誘うなぁ・・・


「ぷるさん?! ぷるさん! おーい、戻って来て下さい!」

「はっ、すまない。ちと星雲と列車が見えておりましたじゃ・・・」

「「 銀河鉄道・・・ 」」

「なぁにそれ」


少しばかり現実逃避をしてしまったが、再びアズールの説明を聞く。

最低額は銅貨で100円、小銀貨が1000円、中銀貨が5千円、大銀貨が1万円、小金貨が10万円、中金貨が50万円、大金貨が100万円。そして更に上なのが白金貨で1000万。

平民が手にするのは普段なら大銀貨まで。商人で中金貨まで。それ以上となれば振込となるそうだ。

大金貨や白金貨は貴族がたまに手にするくらいらしい。

つまりそんな稀で高価な物を私は持ち歩いていたという事になる。

少しばかり現実逃避をしたってよいではないか・・・


「他には何かなかったかな」

「大丈夫じゃないか」

「あ、お医者さんは居ないから気を付けてね、ぷるたん」

「へ?」

「ああ、そうでした。

 この世界には医者というジョブは無いんです。

 治癒師は外傷しか治せませんし薬師の薬はその人のLV次第なんです。

 ただ治癒師も薬師もLVやランクが高い人は少なくて。

 しかも高度な治癒や効果の高い薬は高額になるので平民には手が出せません。

 ですので怪我や病気はなるべくしないように気を付けてくださいね」


大きな街ならば治癒師や薬師もそこそこ居るが小さな町には1人か2人。

村や集落ともなれば行商人が売りに来る薬が頼りなのだそうな。

だがその薬も消して安価な物ではなく、効果もそこまで高くないという。

なるほど、江戸時代や明治時代の感覚だろうか。


「まぁぷるさんなら大丈夫でしょうけどね。

 サブキャラやサブジョブで治癒師(ヒーラー)も調薬もやってましたよね?」

「何故知っておるんですかのぅ?・・・」

「ラグナージュエバーストーリー アーク鯖 ギルド『ニブルヘイム』」

「ぅえっ・・・」

「アズライルとトムゾー、覚えてません?」

「ほら、初心者ゾーンのクエボスで行き詰ってた初心者の2人組。

 覚えてないです?」


ラグナージュエバーストーリー、通称ラグストはサービス開始から終了までの8年間遊んだゲームだ。

運営が補填アイテムを大盤振る舞いし続け重課金者が減り惜しまれつつもサ終了した。

私が居たサーバーは光(アーク)なのだがPK(プレイヤーキル)プレイヤーが多く初心者が育ちにくいので悪鯖と呼ばれていた。

そんな悪鯖で珍しく初心者を見つけ、初心者がぶち当たる最初の壁であるクエボスに苦戦していたのを助けた事があった。

それが縁で私の所属先のギルドに来たのだが・・・

初めてのMMOという事でなかなかの天然ぶりを発揮したおもしろキャラの2人組が確かに居た。


「思い出しましたじゃよ。アズとトム。確か天然くんで」

「「 うわぁぁ、そこは忘れて下さい! 」」


ラグストでも「じぃや」を使っておりランキングにも入っていたからだろう。

2人はあの白い部屋で私のランカージョブとプルートの名を聞いてもしかしてとは思ったらしい。

だがそんな人はほかにもいるだろうしと思っていたが、待ち合わせ場所で「じぃや」を見て確信を持ったと言う。


「ねぇ、もしかしてオズたんが言ってた師匠ってぷるたんだったの?」

「そうだよ」

「わぁ、オズたんの憧れの人!」

「うわっ、バカ!言うんじゃない!」

「「 ぶはっ 」」

「確かアズたんも理想の人で師匠の様になりたいって言ってたよね?」

「ああ、そうだよ。今でもそう思っている」


「じぃや」や「ばぁや」に憧れてどうするんだ・・・

私のようになるのは駄目だろう・・・

私は癖のあるプレイヤーだったので好き嫌いが別れていたし、私自身も人の好き嫌いが激しかったのだ。

もっと違う人を目標にする方がよかろうにと思う。


「それよりも移動手段についての説明は聞きました?」

「徒歩や馬、馬車くらいだと思ったのですが、もしかしてまた違うんですかのぅ」

「勿論それらもあります。

 ですがその他にもモンスターを騎乗ペットとして飼う事が出来ますよ。

 テイマーから購入するか、国が管理する飼育場から購入する事が可能です」

「俺達も飼ってますよ」

「そうそう、今日も乗ってきたんだよぉ」

「なるほどですじゃ。

 それにしてもいくら騎乗ペットでも移動時間が早くありませんかのぅ?」

「あー、転移門を使いました」

「転移門? ワープポータルですかのぅ」

「そんな感じの物ですね。って、これも説明受けてないのか・・・」

「1回の使用料が大銀貨1枚一万円で、使用MPは10です。

 転移できるのは国内のみですけど便利ですよ」

「転移門は街の門兵の詰所の奥に設置されていますよ」

「なるほど。教えてもらい感謝ですじゃよ」

 

「ところでそろそろ外が暗くなり始めておりますがの。

 帰らなくてもええんですかのぅ?」

「うん、ぷるたんと話す事がいっぱいだろうから

 今日はこっちに泊まるつもりなんだぁ」

「そうでしたか、ならば安心ですじゃのぅ。

 それで何処の宿に泊まるんですかのぅ?」

「「「 ・・・ 」」」

「ルリリ、任せただろ?」

「そうだっけ?あずたんが探すのかと思ってたぁ」

「「「 ・・・ 」」」


此処でウダウダ言っていても仕方がない。

私達は話を切り上げ急いで宿屋探しをする事になった。

~ オマケ ~


オズ「うわぁぁぁ、マスに此処で遭遇すると分かっていたなら

   トムゾーなんて付けるじゃなかった」( ノД`)シクシク…

ルリ「名前浮かばなくて某アニメの友藏捩ったんだもんねぇ」

アズ「それでトム蔵か」(;´Д`)

オス「トムソンとかにすればよかった・・・」

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