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遠い目になってしまう

走ると目立ってしまうので速足で噴水へと向かう。

到着して辺りを見回すのだが誰がルリリ達なのか分からない。

どういった容姿になっているのかを聞き忘れていたのだ。

おそらくルリリ達も私の容姿を知らない。

というかまさか性別が違うなどと思ってもいないだろう。


取り敢えず3人組を探してみたが昼時とあって意外と3人組が多い。

困ったぞ・・・


「ぷぅーるるるるるっ ぷるぷるぷるぷるっ」

「 ・・・ 」


まさか?・・・


「ぷぅーるぷるぷる ぷるぷるりん」


おそらくこれだ、ルリリだろう。

判り易いが変なリズムで口ずさまないで欲しい。


「ルリリ?」

「あっ!ぷるた・・・ん?」

「うわぁ、じぃやだ。マジか」

「やっぱり・・・」


オズワルドとアズールは何か心当たりがあるようだった。

何かのゲームで知り合いだったのだろうか。


「ねぇねぇ、なんでおじぃちゃんになってるの?」

「まぁ話せば短い話ですじゃ」

「そっかぁ、じゃぁ御飯食べながらゆっく・・・ 短いの?」

「ルリリ、此処じゃ人目が多すぎる。場所を移そう」

「そうだな。何か昼飯を買ってからギルドの談話室を借りようか」

「大丈夫ですかの?まだ何処のギルドにも登録はしておらなんだが」

「えぇ?まだなの?」

「ステータスの確認もまだですか?」

「3日以内と言われましたんでのぅ、まだですじゃ」

「チュートリアル完了報酬の事は聞かれました?」

「なんですじゃろかそれは」

「「 ・・・ 」」

「ぷるたーん。また説明受けてないのぉ?」

「みたいですのぅ・・・」


ルリリは呆れた顔になりアズールとオズワルドは遠い目をしている。

後日もう一度教会へ行ってクレームを入れようと思うと心に誓う私であった。


3人を代表してアズールが説明してくれる。

ギルドか教会でステータス確認をすれば此処でやっとチュートリアルが完了となる。

完了すればチュートリアル完了報酬として初心者セットの様な物が貰える。

なので早めにステータス確認を済ませチュートリアル完了報酬を受け取る方がよいらしい。


なるほど、そういったシステムがあるゲームもあった気がする。

初心者ルーレットが回せたり期限付きガチャ券が貰えたり、限定ファッションが手に入るなんて物もあったと思う。


「俺達はステータスの確認をしたついでに

 冒険者ギルドの登録も済ませておいたんです」

「そうでしたか。

 では儂も早めにステータスの確認はしておいた方が良さそうですのぅ」

「談話室を借りる時にステータス確認もしてしまいましょう」


一旦話が纏まったので移動を始める。

まずは昼食を買うのだが日中だと屋台は出ていないようで、代わりに店先に台を置いて持ち帰れる料理を売っていた。


私はキョフテという肉団子を1つ購入した。

コブシほどの大きさなので1つで十分だろう。

アズールとオズワルドは羊のシシケバブを5本も購入していて驚いた。

私であれば2本もあれば十分だと思う。

「多すぎ!」などと言っていたルリリはフェセンジャーンという鶏肉の煮込み料理を大盛りで購入している。

シシケバブ5本と同量くらいの肉が入っているのだが大丈夫なのだろうか・・・

若さゆえだろう、食べれるという事はいい事だ。と思う事にした。


冒険者ギルドでアズールが談話室を借りる手続きをしている間に私はオズワルドに付き添われてステータス確認へと向かった。


受付窓口が並ぶ一角にステータス確認が出来る水晶が置かれていた。


「手をかざせば画面が浮き出てきて確認出来ます。

 本人の承諾がない限り他の人には見えませんので安心して下さいね」

「ありがとうございますじゃ」


礼を言い教えて貰った様に水晶の上に手をかざす。

すぅっとタブレットサイズの半透明な画面が現れた。

画面に移された内容はゲームでのステータス画面に似ていた。


name:プルート(じぃやver)  age:69  HP:690/690 MP:69

種族:異邦人  job:ノービス lv:12

gift 変身(制限付) 鑑定眼(最上級)

所有魔法:生活魔法全般

Job適性:弓師(アーチャー) 盾師(タンカー) 治癒師(ヒーラー) 付与術師(エンチャンター) 魔物使い(テイマー) 死霊術師(ネクロマンサー) 錬金術師(アルケミスト) 庭師(ガーデナー)

     家具職人(クラフター) 料理人(シェフ)

 

多すぎるのではなかろうか。

経験のあるジョブを並べればよいという物でもなかろうにと溜息が出てしまった。


画面の左下にある『閉じる』を押せば黒画面になり『チュートリアル完了』の白文字が現れた。

すぐにそれも消え、画面も消えた。


「終わったみたいですね。どうでした?」

「なんとも言えませんのぅ。適性が多すぎですじゃよ・・・」

「あぁ、俺もでした。後からゆっくりと確認する方が良さそうですよね」

「ですのぅ」


2人で遠い目になるのも仕方がないと思う。

チュートリアル完了報酬はしれっと収納鞄に入っているらしいので宿に帰ってから確認しようと思う。


部屋を借りる手続きも終わっており、アズールとルリリは先に行っているらしいので私達も移動する。

談話室は2階にありAからEまでの5室ある。

私達が使うのはEで一番奥の部屋だった。


「あ、ぷるたん来たー!」

「ルリリ、少し落ち着け」

「ルリリ、お前この部屋は防音になっているからいいけど

 外に出たらちゃんと「さん」付けで呼べよ?」

「わかってるよぉ」


2人は食べずに待っていてくれたようで、食べながら話をする事にした。

まずルリリが気にしていたので私が何故「じぃや」の姿なのかを説明した。


「手違い・・・」

「忘れて・・・」

「なんてこった、パンナコッタ」

「「 ・・・ 」」

(何故そのような古いギャグを知っているのだろうか・・・)

「ルリリ・・・」

「えへっ」


「変身スキルで帳尻を合わせたって事ですか」

「みたいですのぅ」

「そしてお詫びが鑑定眼ですか」

「皆もギフトで付与されておりますじゃろ?」

「俺達の場合は鑑定スキルですね」

「ぷるたんと同じ最上級だったよぉ」

「よかったですのぅ」


正直に言おう。

ここに居る4人全員鑑定スキルと鑑定眼の違いが分からなかった。

結局は使い勝手は同じだろうから気にするまいという事になる。


続いてアズールがこの世界に存在する種族と平均寿命について教えてくれた。

種族・・・

人間だけではないらしい。

だからスーリアも変身対象に入っていたのかもしれない。


人族・エルフ族・龍人族・獣人族・巨人族・小人族・魔族・精霊族と存在する。

妖精も存在するがこの世界では妖精が進化して精霊となるらしく同種族扱いなのだそうだ。

他にも家畜や野生動物、モンスターなども存在する。

平均寿命は人族が300年と短命で、次に獣人族が500年。他の種族は1000年以上らしい。

私達も人族のくくりになるので平均寿命は300年になるのだとか。

300年、私はすでに69歳だから後231年くらいだろうか。何事もなければだが。

と思ったのだが違うらしい。

降り立った時からになるそうだ。随分とまあ長生きなこって・・・

という事はだ。

「じぃや」のままでもよいか。だなんて思わなくて良かった。

あの風貌で300年もの間過ごすなんて腰痛がでそうではないか。股関節痛も出たかもしれない。

ピリカ様が対応してくれて本当によかったと思う。


「他には大丈夫ですか?」

「ギルドについては聞いてますか?」

「自分のジョブに関係するギルドに登録出来る、でしたかのぅ?」

「「「え?それだけ?」」」

「その反応は違うという事ですかのぅ・・・」


全員で遠い目になってしまったのも仕方がないのではないだろうか。

読んで下さりありがとうございます。

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