第五章 第11話 水の巡り
滝の音が、
響く。
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足元。
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木が、
揃う。
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床。
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部屋割りに沿って、
隙間なく並ぶ。
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削る。
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合わせる。
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はめる。
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止まる。
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「いい」
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ベルンハルトが、
短く言う。
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ジョーが、
一歩下がる。
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見渡す。
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小屋は、
形になっている。
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だが。
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まだ、
終わりではない。
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視線は、
上。
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屋根。
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流れ。
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そして、
滝。
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「なぁ」
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アーデルハイトを見る。
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「馬車の車輪、一つ用意できるか」
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一拍。
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「丈夫なやつだ」
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アーデルハイトが、
頷く。
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「手配します」
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迷いはない。
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次に、
ベルンハルトを見る。
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「長めの筒、頼む」
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ベルンハルトが、
口角を上げる。
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「任せろ」
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短く。
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ジョーは、
地面を見る。
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位置を、
決める。
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「ここだな」
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石を積む。
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土を固める。
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囲う。
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竈を作る。
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火を使う場所。
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リーネが、
首を傾げる。
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「ここで料理するの?」
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ジョーが、
頷く。
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「ああ」
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短く。
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「ついでに使う」
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一拍。
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筒が届く。
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割る。
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削る。
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均す。
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半割りの筒。
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雨樋になる。
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屋根へ。
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当てる。
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角度を決める。
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楔。
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打つ。
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止まる。
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そのまま、
延ばす。
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竈の横へ。
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少し距離を取る。
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触れない。
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だが、
離しすぎない。
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ベルンハルトが、
気づく。
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「……焼かねぇためか」
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ジョーが、
笑う。
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「熱だけ使う」
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短く。
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その先。
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箱を、
組む。
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板で囲う。
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深さを持たせる。
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水を受ける。
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「ここに溜める」
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リーネが、
目を見開く。
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「お風呂……?」
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少し弾む声。
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ジョーが、
頷く。
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「そうだ」
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側面。
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上の方に、
穴を開ける。
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高さを決める。
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筒の残りを、
繋ぐ。
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固定。
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「溢れた分だけ、戻す」
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短く。
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火を入れる。
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竈。
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燃える。
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熱が広がる。
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その横を、
水が通る。
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触れない。
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だが、
熱を拾う。
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風呂へ落ちる。
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リーネが、
手を入れる。
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少しして。
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「……あったかい」
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小さく。
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水は溜まる。
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一定で、
流れ出す。
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筒を通り、
川へ戻る。
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無駄がない。
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アーデルハイトが、
頷く。
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「理にかなっています」
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静かに。
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その時。
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車輪が、
届く。
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重い。
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その場で、
加工する。
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外枠に、
羽をつける。
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水を受ける面。
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角度をつける。
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ベルンハルトが、
歯車を作る。
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削る。
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合わせる。
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噛み合う。
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軸に、
取り付ける。
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さらに。
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上へ。
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歯車を配置。
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繋ぐ。
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上下に動く、
機構を組む。
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完成。
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ジョーが、
周囲を見る。
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「動かすぞ」
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短く。
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コロを敷く。
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丸太。
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並べる。
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ロープを掛ける。
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引く。
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重い。
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だが、
進む。
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転がる。
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滝の端へ。
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慎重に。
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位置を決める。
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固定。
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ズレない。
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ジョーが、
頷く。
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水。
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滝から、
落ちる。
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当たる。
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受ける。
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押す。
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回る。
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ゆっくりと。
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だが、
確実に。
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歯車が、
回る。
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上へ。
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伝わる。
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上下に、
動く。
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止まらない。
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滝がある限り。
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動き続ける。
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リーネが、
息を呑む。
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「……すごい」
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アーデルハイトが、
静かに言う。
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「水が……働いています」
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ベルンハルトが、
笑う。
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「面白ぇな」
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低く。
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ジョーが、
小さく言う。
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「水も、火も」
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一拍。
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「使い方だ」
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滝の音が、
響く。
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水は、
流れる。
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巡る。
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人の手で。




