第四章 第12話 領主の依頼
2日後の朝。
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空気が、
少しだけ違う。
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静かだ。
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いつもと同じはずなのに、
どこか、
落ち着かない。
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リーネが、
手をかざす。
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火が、
灯る。
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小さい。
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だが、
安定している。
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揺れない。
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「……こんな感じ」
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小さく。
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ジョーが、
それを見る。
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頷く。
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「いいな」
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短く。
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リーネが、
少しだけ息を吐く。
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その様子を、
トールとガルドが見ている。
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「……安定してきたな」
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トール。
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一拍。
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「ジョーに教えられるだけあるな」
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軽く。
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リーネが、
少しだけ顔を上げる。
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何も言わない。
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だが。
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わずかに、
誇らしそうだ。
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ガルドが、
短く言う。
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「……ああ」
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それだけ。
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間。
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トールが、
言う。
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「今日、行くんだろ」
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ガルドが、
頷く。
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「領主のとこ」
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それだけ。
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軽く言う。
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だが。
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軽くない。
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トールが、
息を吐く。
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「泉の件か」
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「それ以外にあるか」
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短く。
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風が、
吹く。
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ダンが、
歩いてくる。
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準備は、
終わっている。
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無駄がない。
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「行くぞ」
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それだけ。
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誰にともなく。
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ジョーが、
立つ。
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一瞬だけ。
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手を見る。
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水。
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まだ、
掴めない。
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だが。
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確かに、
そこにある。
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何も言わない。
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リーネが、
帽子を押さえる。
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トール、
ガルドも、
続く。
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誰も、
多くを語らない。
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だが。
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分かっている。
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これは、
ただの用事じゃない。
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村の話だ。
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泉の話だ。
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守り神の話だ。
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そして。
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自分たちが、
関わったことだ。
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ダンが、
振り返る。
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一度だけ。
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「気を抜くなよ」
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短く。
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それだけ。
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ジョーが、
頷く。
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「分かってる」
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歩き出す。
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村の外へ。
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道は、
続いている。
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静かに。
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だが確実に。
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“外”へと繋がっている。




