第二章 第11話 深層の真相
森。
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泉の周囲。
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火は、
まだ残っている。
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揺れる炎。
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焦げた匂い。
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だが。
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終わっていない。
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静かだ。
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動きは、
止まっている。
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だが。
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消えてはいない。
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ダンが、
立つ。
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泉を、
見る。
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長く。
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じっと。
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視線を、
落とす。
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水面。
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揺れている。
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変わらない。
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あの奥。
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深い。
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見えない。
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ダンの目が、
細くなる。
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「……おかしい」
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小さく、
呟く。
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誰にも、
聞こえない。
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だが。
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止まらない。
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一歩。
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泉へ。
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近づく。
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縁に、
立つ。
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覗き込む。
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暗い。
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底が、
見えない。
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その時。
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違和感。
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水面が、
揺れる。
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違う。
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波ではない。
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流れ込む。
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冷たいもの。
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映像。
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断片。
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人。
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集まっている。
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泉の周囲。
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静かに、
頭を下げる。
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中央。
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小さな祠。
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水に、
触れている。
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澄んでいる。
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静かだ。
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穏やかだ。
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そして。
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揺れる。
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乱れる。
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火。
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叫び。
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何かが、
投げ込まれる。
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沈む。
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光が、
消える。
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冷たさが、
変わる。
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重くなる。
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歪む。
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そこで、
途切れる。
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ダンの呼吸が、
乱れる。
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そのまま、
立ち尽くす。
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頬を、
伝う。
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一筋。
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涙。
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気づかないまま。
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「……そうだったのか」
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小さく、
呟く。
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振り返る。
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ジョーを見る。
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言葉を、
選ばない。
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「底にある」
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短く言う。
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ジョーの眉が、
わずかに動く。
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「何がだ」
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低く、
返す。
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ダンは、
泉を見る。
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一瞬、
間。
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「祠だ」
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短く言う。
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トールが、
顔を上げる。
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「なんだそれ」
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ダンは、
答えない。
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ただ、
泉を見る。
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ジョーが、
視線を落とす。
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水面。
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揺れている。
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「……それで、これか」
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小さく言う。
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ダンは、
答えない。
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だが、
否定もしない。
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ジョーの目が、
細くなる。
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考える。
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一瞬。
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そして。
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「引き上げるしかないな」
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低く言う。
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トールが、
顔をしかめる。
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「おい、待て」
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言う。
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だが。
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ジョーは、
すでに動いている。
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布を外す。
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鎖を、
外す。
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地面に置く。
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布を、
見る。
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水を、
弾く。
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それでいい。
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「削る」
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短く言う。
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布の内側。
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吸った部分。
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削ぐ。
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残すのは、
外側。
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撥水だけ。
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ダンが、
手を伸ばす。
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無言で、
押さえる。
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ずれないように。
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手際よく。
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補助する。
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無駄がない。
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トールが、
見る。
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「おい……」
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言いかける。
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止まる。
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理解する。
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「潜るのか」
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低く言う。
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ジョーは、
頷く。
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後方。
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縄が、
運ばれる。
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太い。
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長い。
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ジョーが、
受け取る。
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腰に、
結ぶ。
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もう一端を、
トールに渡す。
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トールの手に、
重みが乗る。
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視線が、
合う。
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ジョーが、
言う。
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「離すな」
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それだけだった。
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トールの指が、
強くなる。
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握る。
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頷く。
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ダンが、
泉を見る。
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静かだ。
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だが、
深い。
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ジョーが、
一歩踏み出す。
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水面に、
触れる。
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弾く。
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そのまま、
入る。
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沈む。
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音が、
消える。
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冷たい。
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暗い。
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深い。
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その中へ。




