第二章 第9話 来訪と改良
村。
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朝。
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車輪の音。
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ゆっくりと、
近づく。
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門の前で、
止まる。
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馬。
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荷車。
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商人の列。
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キャラバン。
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村人が、
集まる。
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ざわつく。
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ダンが、
前に出る。
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「久しぶりだな」
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低く言う。
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商人が、
笑う。
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「相変わらずだ」
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軽く返す。
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視線が、
村の奥へ向く。
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「忙しそうだな」
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言う。
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ダンは、
短く頷くだけだった。
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場面が、
変わる。
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森の外れ。
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模擬戦。
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相手は、
野生のボアだった。
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魔物ではない。
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だが、
突進は速い。
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群れで来る。
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一頭が、
トールの横を抜ける。
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避ける。
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だが、
茂みに押し込まれる。
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枝が、
布に引っかかった。
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裂ける。
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さらに、
牙がかすめる。
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布が、
また裂けた。
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トールが、
顔をしかめる。
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「……熱には強くても、これじゃな」
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ジョーは、
裂けた布を見る。
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「普通の布だ」
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短く言う。
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「切れれば終わりだな」
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それだけだった。
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場面が、
戻る。
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村の一角。
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布が、
広げられている。
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ジョーと、
トール。
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試している。
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ナイフ。
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軽く当てる。
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引く。
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布が、
裂ける。
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止まらない。
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トールが、
息を吐く。
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「やっぱりか」
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短く言う。
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ジョーは、
無言。
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現実は、
変わらない。
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その時。
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足音。
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リーネが、
来る。
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「見てきた」
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短く言う。
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ジョーが、
顔を上げる。
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リーネが、
続ける。
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「薬草は普通」
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「薬も、変わった物はない」
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淡々と、
言う。
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「失敗した調合のオイルがあった」
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一瞬、
間。
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「燃える」
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それだけだった。
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トールが、
顔を上げる。
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「使えるな」
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短く言う。
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リーネは、
頷く。
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「あと、雑貨」
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少しだけ、
言葉を選ぶ。
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「目新しい物が二つ」
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「細い鎖」
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「馬具に使うやつ」
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「それと……」
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一瞬、
間。
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「小さい箱」
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「持ち運べる大きさ」
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ジョーが、
わずかに眉を動かす。
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リーネが、
続ける。
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「商人は、化粧道具を入れると言っていた」
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トールが、
苦笑する。
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「いらねぇな」
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軽く言う。
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リーネは、
頷く。
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「いらない」
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はっきり言う。
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だが、
続ける。
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「軽い」
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「仕切りがある」
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それだけだった。
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ジョーの視線が、
止まる。
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布。
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裂け目。
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ナイフ。
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そして、
鎖。
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繋がる。
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「……縫うか」
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小さく言う。
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トールが、
顔を上げる。
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「は?」
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ジョーが、
続ける。
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「薄くする」
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「通す」
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短く。
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ダンが、
来る。
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話を聞く。
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「数は?」
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短く言う。
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リーネが、
視線を動かす。
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馬小屋の方へ。
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丁寧に畳まれた、
手綱。
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指で、
示す。
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「あの手綱、二つ分くらい」
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それだけだった。
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ダンが、
一度だけ頷く。
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「泉のスライムは、この村にとってもおおごとだ」
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低く言う。
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「村長と商隊長に相談してくる」
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それだけ言って、
背を向ける。
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場面が、
動く。
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しばらくして。
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鎖が、
運ばれる。
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ダンが、
戻る。
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「安くさせた」
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短く言う。
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トールが、
わずかに眉を上げる。
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ダンは、
続ける。
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「村の為だ」
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それだけだった。
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布が、
広げられる。
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リーネが、
針を持つ。
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縫う。
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細かく。
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丁寧に。
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動かないように。
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ジョーが、
支える。
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トールが、
押さえる。
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やがて。
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一枚、
できる。
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ジョーが、
手に取る。
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ナイフを、
当てる。
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引く。
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止まる。
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刃が、
通らない。
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トールが、
息を飲む。
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「……止まった」
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ジョーが、
見る。
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「通らない」
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短く言う。
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リーネが、
触れる。
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「……いける」
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小さく言う。
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だが。
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鎖は、
少ない。
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もう一つ分。
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それだけ。
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トールが、
息を吐く。
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「二人か」
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ジョーは、
答えない。
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ただ、
泉の方を見る。
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次は、
そこだ。




