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第二章 第5話 作戦会議

集会所。


---


重かった空気が、


少しだけ緩む。


---


机の上。


---


半透明の塊。


---


誰も、


手を出さない。


---


その中で。


---


一人だけ、


違った。


---


アンが、


身を乗り出す。


---


「ちょっと見せて貸して触らせて」


---


迷いなく、


手に取る。


---


くるりと回す。


---


光を、


透かす。


---


「やっぱりな」


---


小さく笑う。


---


トールが、


眉をひそめる。


---


「お前、それ……」


---


アンは、


気にしない。


---


軽く振る。


---


「まずは…」


---


ジョーを見る。


---


「料理に洗濯、水は使うだろ?」


---


「魔法なくてもさ」


「いくら朴念仁でもわかるだろ?」


---


トールが、


鼻を鳴らす。


---


「まあな……」


---


アンが、


にやりと笑う。


---


「これ、お湯で溶かせるんだよ」


---


指で、


軽く押す。


---


少しだけ、


形が歪む。


---


「布に使えば、補修できる」


---


軽く叩く。


---


「エプロンとかさ、すげぇ楽になるんだ」


---


「貼ったとこ、水弾くし」


---


トールが、


顔をしかめる。


---


「そんなもんに使ってんのかよ」


---


アンが、


肩をすくめる。


---


「リーネも使ってるよ」


---


何気なく言う。


---


トールの視線が、


一瞬だけ揺れる。


---


アンは、


気づかないふりをする。


---


塊を、


もう一度見る。


---


「……これ、いいやつだね」


---


少しだけ、


声が変わる。


---


ダンが、


目を細める。


---


「何が違う」


---


アンは、


指で示す。


---


「乾き方」


---


「残るやつは、ちゃんと使える」


---


ジョーが、


視線を向ける。


---


アンが、


続ける。


---


「霧散するのはダメ」


---


「でもこれは残ってる」


---


軽く、


机に置く。


---


「これは当たり」


---


その一言だった。


---


ダンが、


口を開く。


---


「水場にいる理由は簡単だ」


---


全員の視線が、


向く。


---


「水を吸うからだ」


---


短く言う。


---


トールが、


眉をひそめる。


---


「は?」


---


ダンが、


続ける。


---


「体の中に溜める」


---


「水をな」


---


ジョーが、


わずかに目を細める。


---


ダンが、


塊を見る。


---


「だから離れられん」


---


「水場からな」


---


アンが、


ぴたりと止まる。


---


塊を見つめる。


---


「……ああ」


---


小さく呟く。


---


「だからか」


---


指で、


軽く押す。


---


「弾くの」


---


顔を上げる。


---


「水、通さないんだ」


---


アンが、思いついたように


ぱんと手を叩く。


---


「じゃ、見せるよ」


---


塊を持ち上げる。


---


「手伝ってよ」


---


視線が、


ジョーに向く。


---


ジョーは、


一瞬だけ止まる。


---


だが、


すぐに動く。


---


アンの横に立つ。


---


「お湯、ある?」


---


誰かが、


すぐに動く。


---


桶が、


運ばれる。


---


湯気が立つ。


---


アンが、


塊を入れる。


---


ゆっくりと、


崩れる。


---


溶ける。


---


とろりと、


形を変える。


---


アンが、


木の棒をジョーに渡す。


---


「混ぜて」


---


短く言う。


---


ジョーは、


頷く。


---


棒を入れる。


---


ゆっくりと、


かき混ぜる。


---


重い。


---


粘りがある。


---


だが、


次第に軽くなる。


---


濁りが、


薄れていく。


---


やがて。


---


透明になる。


---


ジョーの手が、


止まる。


---


アンが、


頷く。


---


「やるじゃん、それで良いよ」


---


そして汗拭き用なのか、布を取り出す。


---


それを、


適当な大きさに、


2回裂く。


---


「これを使う」


---


透明になった液を、


指で掬う。


---


布に塗り込む。


---


しっかりと、


染み込ませる。


---


次に、


布の裂け目に、


貼り合わせる。


---


押さえる。


---


しばらく待つ。


---


アンが、


指を離す。


---


二枚は、


一体になっていた。


---


トールが、


目を丸める。


---


「くっついた……」


---


アンが、


にやりと笑う。


---


「でしょ?」


---


桶の水を、


軽くかける。


---


貼り付けた場所を躱して、


周囲の布に染みていった。


---


ジョーが、


それを見る。


---


無言で。


---


アンが、


軽く肩を叩く。


---


「な?」


---


トールが、


腕を組む。


---


「で?」


---


短く言う。


---


「それがどうした」


---


アンは、


少しだけ笑う。


---


「使えるってこと」


---


それだけだった。


---


ジョーが、


それを見る。


---


考える。


---


まだ、


答えは出ない。


---


だが、


確実に近づいている。


---


村長が、


口を開く。


---


「どう使う」


---


作戦が、


始まる。

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