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第31話 突入2

~突入2~


「――ここ」


 このか姫が旧校舎の校門前に立った。桃子はそこから少し離れた場所で、旧校舎の全体を見ながら立ち尽くしていた。


「どうしたの、桃子?」

「私は・・・入りたくないわ」


 桃子は生まれてから今まで、なるべくそういった類のモノには極力関わらないようにしてきた。関わるとろくなことにならない。それは今までで散々経験してきたことだ。正直、もうごめんこうむりたい。


 しかも校門の外からでも、校内の異質で異様な雰囲気が、胡桃の全身にひしひしと伝わってくる。


 ――それなのに、何でわざわざ。


「その気持ちはわかる。貴女は今までたくさん辛い目に遭ってきた」

 このか姫はなぐさめるように言った。

「でも、ここで参加しないと、貴女はきっと後悔する」

「・・・なぜ?」

「それは一緒に来ればきっと、わかる」


 静かな夜の中に、ぽつりと存在する旧校舎は、とてもさみしげに見えた。しかし、それを差し置いて、圧倒的な不気味さがそこにはある。


 こんなところに入るなんて、どうかしてる。

 ――でも、この中に、桜子や秋がいるのだ。


 桃子はあきらめるようにゆっくりと校門へ近づいていく。


「素敵な決断」

「いいから、さっさと行って、さっさと帰りましょう」


 このか姫は桃子の言葉に苦笑すると、校門に手をかざした。すると校門に巻き付いていた鉄の鎖が解け、自動ドアのようにゆっくりと開いた。


「ここから先は、閉ざされた世界。門から入っても門に続いているとは限らない。旧校舎のどこに繋がっているのかはわからない。気をつけて」


 そう言ってこのか姫が先に入った。桃子は彼女の言葉の意味がわからなかったが、流れと勢いでその後に続いた。


 直後、このか姫の姿が目の前からふっと消えた。


 あれ、と思う前に、桃子の足は空を踏んだ。

 地面がない、と思った頃には、桃子はすでに深い穴の中へと落ちていた。


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