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うつ病患者の再生物語  作者: はなかみ
ミーミル
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ウォッカとラム

初めて投稿しています。

更新頑張ります。拙い部分も目に付くと思いますが、気長に見守って頂けると喜びます。


「ふぁー。おはようトール」


「ウォンウォン‼」


今日もトールは元気だね。


「さぁ、朝ごはんを食べに行こう」


「ウォンッ‼」


今朝は、焼きおにぎりとお味噌汁、筑前煮とかぼちゃサラダだった。


食べながらも、さらに焼かれ続けるおにぎりの焦げた醤油の香りが堪らない…


食べているのにお腹が空いてくる気がするのは何故だろう…


食後は玄米茶にしてみた。


緑茶を即席で仕立てた物だが、今日の献立に相性抜群。


みんなからも量産して欲しいと言われた。


香ばしい匂い繋がりで最高だよね。


さて。


「みんな揃ってるかな?」


「ああ。楽しみで寝付けなくて寝不足のやつが続出だ…申し訳ねぇ…」


「今日は作業は良いよ。レポートを良くみながら頭に手順を入れてくれ。今までの作業をした者ならそれで十分だ」


「すまねぇな…」


さぁ始めよう。


「まずはラム酒だ。これは砂糖を作るのに使ってる砂糖きびを原料に使う。煮詰めて絞って砂糖を取り出したあとに残る液体だ。糖蜜という」


起こるざわめき。まぁ気持ちは分かる。


酒好きなら原料から拘りたいもんな。


他の作業の残り物だと言うとイメージが悪い。


「まぁ、完成を味わって量産するかは判断してくれ」


サトウキビを煮詰めて砂糖結晶を取り除いた糖蜜を倉庫星から持ってくる。


これまでの全製糖作業分なのでありえない程の量がある。


その糖蜜をタンクに注ぎ、酵母を入れる。


「この糖蜜には砂糖として結晶化しなかった糖分が豊富に残ってるんだ。なので他の種類の酒とは違って糖化させる行程が無い。つまりそのまま酵母を加えて発酵させてあげれば良いんだ。概ね30時間程。酵母はいつも通りに次に作る時のために取り分けてくれ」


この時点でのアルコールは6%程度。


それを蒸留器にかける。


「発酵を終えた物を蒸留器に2度かける事で70%以上に酒精を上げる」


これを再びタンクに戻して、アルコールが自然に蒸発する分を加水しながら40%程の酒精になるまで寝かせてやる。


「それで完成だ。試飲してみてくれ」


「「「おお‼」」」「荒々しいがそれが良い‼」「香りは甘い」「ほのかに香辛料を思わせるな」「さらに酒精の苦味…」


「ああ。こういう性格の酒なんだ。さらに樽で寝かせても良い。その場合は最長10年といったところだ。寝かせる程に荒さが和らいでまろやかになる。樽は生の物を使う。焼入れ樽だと雑味に感じられてしまうんだ」


「奥が深けぇな」「こいつはこの荒さこそという気もするな」

「素材を余さず使えるのが良い」「だが、この完成度‼」「ああ。量産決定だな」


好評で良かった。量産も決定みたいだ。


「よし。じゃあ、次だ。ウォッカを作る」


ウォッカに使う原料は穀物であれば種類を問わない。


ザワつくみんな。


驚くだろうな…


「おそらくみんなが今まで求めていた酒はこれだと思う。楽しみにしててくれ」


さらにザワつくみんな。


違いを感じてもらうために複数の原料を用意する。


小麦、ライ麦、トウモロコシ、じゃがいも。


全て糖化作業を行う。


そして全てに同一のイーストを加える。


発酵を済ませてもろみとする。


連続蒸留器にかけてアルコールを96%まであげる。


連続蒸留器にかける事でさらにどよめくみんな。


まぁ、今まで飲用にしてないからね。


そこに水を加える。


この水が大事だ。


他の酒造にも共通するが、あの湖の水は本当に素晴らしい。


お蕎麦やうどんもおかげで本当に良い出来になる。


加水してアルコールを40%にまで薄めたら徹底的に雑味を取り除くために5段階の荒さを変えたガーゼに通した後、活性炭でさらに濾過する。


完成だ。


さて、反応はどうかな?


「ああ…確かに」「求めた答えがここにあった…」「素晴らしい…」「生きてる間に完成に出会えるとは…」「………」


皆、涙を流しながら飲み比べては、また同じ感想を口にする。


やっぱり正解だったみたいだね。


雑味のない濁りの無いどこまでも澄んだアルコール本来の味わいだ。


これを味わうには雑味を徹底的に取り除く工程だけでは足りない。


重ねてになるが、水が大切だ。


本当に良くできた酒の、本当の味わいを知る為には適温の良い水が必要なのである。


ウィスキーもそう。


日本酒もそう。


良い水を加える事で真の姿を見せてくれるのだ。


そういう意味でこの場所は本当に恵まれている。


他の街でもソフィーでもこのミーミルの酒が1番に求められ続けるのはこの水のおかげだ。


しかし、流石に最近の価格の高騰はちょっと困ってはいるのだが…


まぁ、上手い酒を味わいながらそんな事を考えるのも無粋か…


みんなの笑顔があれば良い。


今はただ新しい酒の誕生を祝って笑い合うのが正解だろう。


泣き笑いながらただただ純粋に喜びを噛み締め合うみんなを眺めながらそう思った。

読んでいただきありがとうございます。

評価を頂けるとモチベーションが上がるのでよろしくお願いします。

また、誤字報告、感想、ご意見は必ず目を通して返信して行きますので気が向いたらご指摘・ご意見をお寄せくださいm(_ _)m

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