顛末
初めて投稿しています。
更新頑張ります。拙い部分も目に付くと思いますが、気長に見守って頂けると喜びます。
引き上げて行くトワイス共和国の者達を見送ったあと、ポーロさんの元に向かう。
泥と血で汚れた衣服は綺麗な物に替えられて穏やかな呼吸で寝ている。
良かった。
本当に良かった。
思えば、街の人々が商隊で交易に向かうのを危険だと留めたのは俺だ。
ポーロさんが大丈夫と言ったところで安易に任せてしまった事が悔やまれる。
他の町からのお手伝いの人達とスレイプニル達はトワイス共和国で拘束されているが、傷1つ付けて無いと言っていた。
その言葉を鵜呑みには出来ないが、安全である事を切に願うしかないのはもどかしい…
そんな思考が巡る中…
「ル…ク様、申し…ありま…んでした」
「ポーロ。目覚めてくれたか…良い…良いんだ…今は何もしなくて良い。休んでくれ」
「い…え。全て…私の考えの無さ…」
「ポーロ。良いと言った。今はとにかく休んで、食事をしっかりしてくれ。もう大丈夫だから。何も心配するな」
「すみま…せ…」
ポーロの胸に手を当て、安らぎと体の回復を願い魔力を注ぐ。
淡い光に包まれ、穏やかな寝息を立て初めるのと同時に顔や手足に残る傷も消えていった。
「こんなことが…出来たんだな…」
自嘲気味にそう呟くと…
「上級回復魔法を凌ぐ効果ですね。それほどの回復魔法を見たのは初めてです」
「そうなのか?」
「はい。私も回復魔法を施しましたが、顔の傷も手足の傷も完全には消すことが出来ませんでしたから」
優しく微笑みながらリミルが続ける。
「あまりご自分を責めないでください。方法を間違えてしまったかも知れませんが、誰も欠けておりませんよ。また、新たな方法を考えてみましょう」
「ああ…そうだな…」
そう言って穏やかな寝姿のポーロを残して部屋を後にした。
「俺は一旦ミーミルに戻るよ。またトワイス共和国からの使者が来たら知らせてくれ。町のみんなとスレイプニルの無事を確認したい」
「分かりました」
ミーミルに戻ってみんなにも事情を説明する。
すると…
【あの国の商人がそんな暴挙に…】
ミニルが怒ってる。
怖い…
【ルーク様。此度の件は私の落ち度です。今回の顛末もソフィーの製品を己が独占しようと企てた物に間違い御座いません】
「そうなのか?」
【はい。私の能力は悪意ある者の意識に繋げる事で思考も過去も垣間見ることが出来ます。今、確認いたしました故、間違いありません】
「そうか…」
その事実に驚くよりも、そんな役目と能力を行使しなければならないミニルへの心配が勝る…
さぞ辛いだろうな…
願わくはミニルがミーミルで少しでも安らぎを得る事を望むばかりだ…
そんな出来事から数日…
再びソフィーから黄色の狼煙が上がった。
それを受けてソフィーに向かう。
「ルーク様。先ずは此度の事、正式に国を代表して謝罪させて頂きます。誠に申し訳ありませんでした」
「謝罪を受け取ろう。ただし、2度は無い。こちらに取り返しのつかない命の被害を受けた際には容赦はしない。覚えておいてくれ」
「は、はい‼ありがとうございます」
ところでこの人は誰だろう?
「で、あなたは?」
「私はトワイス共和国の議会を束ねるマルスと申します」
「ルークだ。よろしく頼む」
「よ、よろしくお願いいたします」
「で、あちらのわが町の民とスレイプニルは返してもらえる事になったのかな?」
「勿論でございます。全てを元に戻してお返し致します。ただ…」
「ただ?」
「申し訳ありませんが、ルードがいくつかの商品を既に私物化して消費しておりました。その償いはいかなる要求にも対応させて頂きます」
「ああ。そんな物はどうでもいい。心を込めて作ってくれた者へと素材に対する想いはあるが、無駄にならずに消費されたのなら本望でもある。取り返しの付かない命に比べればな」
「は、はい。それで、お詫びも含めてどのように償えば宜しいでしょうか?」
「同じ過ちを繰り返さない事を望む。それだけだ」
「分かりました。では、傷付けてしまったポーロ氏への見舞いと失った製品の代金としてこちらをお納めください」
「分かった。そうせねば話せぬこともありそうだしな」
「その翠眼と寛大なお心に深く感謝致します。改めてこの町との交易並びに技術の交流を希望致します」
「そうか。分かった。よろしく頼む。こちらの窓口はポーロを筆頭にリミルに任せてある。詳細についてはポーロの回復を待って、彼女を含めて話し合ってくれ」
「あ、ありがとうございます‼」
全員で平伏してそう告げるトワイス共和国の面々。
これで一段落…で良かったのか…
その答えには時間が掛かりそうだな…
平伏される光景を前にそんな事を考えていると、以前の兵士が声を上げた。
「恐れながら報告させて頂きます。ルードは今回のこの町への遠征でこの町を支配して己の利益となるように画策しておりました。各所への裏取りも済ませております。その罪への罰として公開処刑に決定致しました」
「そうか…国の運営に口出しをするつもりは無い。ただ、神竜はこの件を把握していた。それだけは伝えておこう」
「決して同じ過ちはせぬようにトワイス共和国一同肝に銘じます」
こうして、ソフィーの町に起こった騒動は幕を下ろしたのだった。
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