熱意
初めて投稿しています。
更新頑張ります。拙い部分も目に付くと思いますが、気長に見守って頂けると喜びます。
「ふぁー…痛てて…おはようトール」
「あん‼…」
荒ぶるゴール爺を何とかなだめようと頑張ったけど…
結局寝たのは日付けを超えてからになった…
正座のおかげで足がとても痛い…
結果として極限まで純度を高め、魔力を限界まで注いだ。考えうる最上の素材、チタン、タングステン、アルミナ、カーバイド、ニッケル、マグネシウム、バナジウム、ロジウム、クロム、ニッケルでハイエントロピー合金の剣を作る事を強制された…
そして金属の名前として「ルーク」の名前が使われる事が決まった…
何故だろう…
「ルーク鋼」って響き悪くない?
ま、まぁ、そんなに使われる事無いだろうし問題無い…
原子の配分を魔力でならせるおかげで最小の空間を残した隙間で凄まじい密度の組成に仕上がった。
折れる事も欠ける事も錆びる事も無いだろう。
仕上がりには大変満足である。
気を取り直して身支度を整えて野外食堂に向かう。
「おはよう。ヘスティ」
〖おはよう。ルーク。今朝はうどんと天ぷら。天ぷらは好きな物を選んで。トールはどうする?〗
「ありがとう。じゃあかき揚げを頂くよ」
「あんあん‼」
トールは天ぷら多めにしたようだ。
…本当になんでも食べるよね。この子。
「おお‼つるしこのうどん‼そしてこのつゆ‼美味い‼」
〖海の街でかつお節が作れるようになったからさらに出汁の幅が広がったの〗
「え‼かつお節!?まだ作り方までは説明してないんだけど?」
〖私に話してくれたでしょ?それを海の街から来てくれてる子に話した〗
「凄いな…結構複雑な工程だし、カビの菌もサンプルとして小瓶に分けた程度しか渡してないのに…」
〖小さなキッカケでも熱意があれば形には出来るよ〗
「そうだな…みんなの熱量を見誤ってたみたいだ」
〖ルークはそのままでいい。ただ、みんなが自分たちでやり遂げることもちゃんと評価してあげれば良い〗
「ああ。そうするよ」
みんな凄いな。
食後のお茶。
あったかい烏龍茶も良いもんだ。
あ、プーアル茶を作らないとな。
みんなと雑談を兼ねて進捗状況などを語り合う。
石炭の採掘はとても順調で今日1日採集に当てれば次の日からは順調に使いながら回って行きそうな感じだった。
コークスを自前で作れるようになってもらうのと…
あとは蒸気機関だな。
設計しておこう。
と、いう感じで今日はプーアル茶。
ついでに他のお茶も大分消費したので作り足そう。
食休み後、各街とソフィーへの視察という名の挨拶を済ませてからお茶小屋に向かう。
おお‼久しく使って無いのに綺麗に維持されてるな。
「ルーク様。お茶を作られるのですか?」
何故かメイドの格好をした人達に声をかけられた。
「あ、ああ。在庫も減って来たし、新しい種類を作りたくてね」
「よろしければ私たちにもお茶の作業工程を学ばせて頂けませんか?」
「ああ。大歓迎だよ。ところで…?」
「あ、わたし達は各街からの留学です。勉強することの無い手の空いた時は設備のお掃除などもやらせて頂いております」
「そうか。ありがとう。おかげで直ぐにここも使えるよ。ただ、休みもちゃんと取るんだぞ」
「はい。それも皆さまにご教示頂いておりますので交代で休ませて頂いております」
「ならいいんだ。さて、じゃあ早速始めよう」
お茶の木から新芽と葉を集めて来る。
籠にまとめた物をメイドさん達と小屋に運ぶ。
「取れた新芽と葉はそのまま使う物と寝かせる物に分けるんだ。緑茶はこのまま。紅茶と烏龍茶、新しく作るプーアル茶は取れてから寝かせてやる必要がある。今日は魔力で省略するけど、温度管理してあげて時間をかければ同じ物になるからそのつもりで聞いてくれ」
「「はい。分かりました」」
「では、緑茶から始める」
茶葉を大きな蒸し器にかける。
蒸した茶葉を冷ます。
「氷や風の魔法が使える者に協力してもらうと効率的だろう」
温風を当てながら揉み続ける。
「乾燥させながら揉んでやる、水分を感じない…この程度だな。このくらいまで乾燥すれば完成だ」
「なるほど。お茶の葉はなぜ揉むのでしょうか?」
「茶葉に傷が付く事でお湯を注いで抽出する時に成分が出やすくなるんだよ」
「なるほど‼」
「この揉む加減を柔らかくすれば時間をかけてじっくりと抽出する性格になり、強く揉むと最初の1滴から香り高い性格となる。柔らかく揉んだお茶は時間がかかる反面、お湯を注ぎ足して何度も楽しむことが出来るんだ」
「面白いですね」
「ああ。奥深い。さて、他のお茶を今寝かせている理由なんだが、茶葉は木から摘んだ瞬間から葉や芽が持つ酵素が働き始めるんだ」
「そうなんですか」
「厳密に言うとお茶の中の成分が酸化する現象のことを指すんだが、発酵と呼んでる。そのために温度管理さえしっかりとしてやれば、自然に発酵されていく。この作用を用いるのが烏龍茶、紅茶、プーアル茶だな」
「なるほど」
「さて、烏龍茶から始めよう。12時間温度管理しながら寝かせるとこの状態になる。お茶の持つ成分が半分程発酵が進んだ状態だ。これに150度ほどの強い加熱を加えた後か、熱を加えながら揉んでやるんだ」
「烏龍茶は熱を使うからあの色合いになるんですね」
「ああ。鍛治の手が空いたらこの熱を加えながら揉む工程に適した機械を作ろうと思ってる。楽しみにしていてくれ」
「楽しみです」
「揉みあげたら最後に仕上げで香り付けと水分調整のために炙る。これで完成だ」
次は紅茶だな。
「紅茶は最初の寝かせ12時間ほどで1度揉んでやって再び6~12時間ほど寝かせるんだ。これによって発酵はさらに促進する。で、これがその状態。完全に発酵させた状態だな」
「もう紅茶の香りがするのですね」
「ああ。これを烏龍茶よりは低め、香りを飛ばしてしまわないように100度程の熱で揉んでやる。時間をかけてゆっくりと続けてやれば…」
「あ、もう紅茶ですね」
「そう完成だ。但し茎の部分や葉の崩れた細かい部分は除いてやった方が高貴な香りで雑味を感じなくなる。温度を低めにしてやる事で雑味も残ってしまうんだ。だから原因を除いてやる」
「なるほど。分かりました。手間も大切ですね」
「ああ。最後に新しいプーアル茶だ。大きな葉の物が適している。他のお茶とも違い2時間ほど寝かせてやる。この状態だ」
熱を入れる。
「発酵を止めてやる」
揉む。
「熱の残る物を揉むので火傷には気をつけるように」
積み上げて麹菌を水に混ぜた物を振りかけて寝かせる。
「発酵させてやる。この状態だ良く覚えてくれ」
天日乾燥
「雨には当てないようにな。天気が悪い時は60度ほどで乾煎りしてやると発酵を止めてやれるからその状態で天気の良い日を待ってくれ」
火入れ乾燥
「天日乾燥がこの状態になったら150度で一気に乾燥させてやってくれ。烏龍茶の最後の工程と同じだな。それで完成だ」
「ありがとうございました。これで街でもお茶が楽しめます」
「ああ。そうか…すまなかったな。もっとはやく製法を広めるべきだった」
「いえいえ十分です」
各街への配慮ももっと注意深くミーミルと同じ生活が送れるようにしておかないとなぁ。
読んでいただきありがとうございます。
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