商い。そして炭鉱
初めて投稿しています。
更新頑張ります。拙い部分も目に付くと思いますが、気長に見守って頂けると喜びます。
リミルの話によれば、人の良さが邪魔してあまり商売は上手く無いというこの人は見た通りの人柄のようだ。
「ま、まあそんなに固くならずに接してくれ。それじゃあ言いたい事も上手く伝わらないさ」
「あ、ありがとうございます」
「で、具体的にはこのソフィーをどうして行けば良いと思う?」
「はい。先ずは極端な値下げはやめるべきです。私の見識でもこの町で扱われる製品は一般の水準を大きく超える物ばかり、値段を下げすぎては市場の混乱を招くでしょう」
「お恥ずかしい限りです…」
リミルが落ち込んでしまった。
「リミル。気にすることは無いさ。何とかこの町のことを皆に知ってもらおうとした行動を責めるつもりは無いよ」
「はい」
「僭越ながらこの町の物価を見直させて頂きました。市場の同じ製品と同程度にしております」
「なるほど。質で勝負か…」
「はい。完全に既存の技術を淘汰してしまっても問題が出ます。なので、この町で市場と同程度。そこに流通コストを加えて人間達の町へと流れるように考えております」
「なるほどな。それくらいの価格でもこちらの製品が売れてくるなら生産者も自然とこちらの技術に目を向けるか…」
「その通りでございます。わたしの感覚ではこの値段でも品不足となり、技術への関心が高まると思っております」
「方針は分かった。その様に進めてくれて構わない。ところで手は足りるのか?」
リミルの話ではあまり大きな規模での商売は難しいという感じだったが…
「恥ずかしながら…」
「分かった。手を貸そう。リミル。スレイプニル馬車10台と、それに積めるだけの製品をバランス良く頼む。それと御者を見繕ってくれ。そのままこの人の指示に従うようにな」
「分かりました…が、彼らの手はお手伝いの範囲にとどめてあげてください。彼らにとって主と呼べるのはルーク様ただお1人で御座いますゆえ」
「分かった。ポーロさん。それで構わないか?」
「あ、ありがとうございます。お手伝い頂けるだけで十二分にございます。利益に伴って人を雇い。出来るだけ速やかにお手伝いの方をお返し出来るように努めます。あと、私の事はどうぞポーロと呼び捨てに願います」
「分かった。そうさせてもらうよ。あと、この金と銀も預けておく。よろしくな」
「はい‼精一杯やらせて頂きます」
やっぱりいきなり商売っていうのも難しかったか…
リミルにも負担をかけて申し訳ないな。
まあ、なるようにはなってくれた。
少しづつでも進んでくれるだろう。
「リミルも良い方を見付けてくれて有難う。引き続きよろしくな」
「はい‼頑張ります‼」
再びミーミルに戻る。
お昼ごはん。
美味しい。
食後のお茶。
最高。
「ルーク様。人手は集まっております」
「ありがとう。じゃあ食休みが終わったら採集に向かおう」
「「「はい」」」
ミーミルから程近い場所に着く。
「この下の地面に新たなエネルギーである石炭が埋蔵されているんだ」
「石炭?」
「そう。大昔にこの星に生きた素材達が地中に眠る間にその組成を石のように変化させたものだよ」
「大昔の…素材…」
「そう。大昔にはみんなと同じ生きていた者達の亡骸とも言えるな…」
「そんな物を使わせて頂いて良いのでしょうか?」
「その気持ちを忘れなければ問題無いさ。今生きているのにも沢山の素材のお世話になっているのだからね」
「なるほど…」
「幸いこの辺りの地盤は頑丈だ。素材が眠る地層も浅めだし、取り出すのも難しくは無いだろう」
そう言ってまずはこの炭鉱予定地の周辺区画を魔物避けで覆う。
さらにミーミルまでの道を敷く。
「後でミーミルまでの輸送を容易にするためにレールを敷こう。だがまずは見てもらうのが早いかな」
土の地面を掘りながら周囲を押し固めて行く。
階段を作りつつさらに掘り進める。
「みんな見えるか?地層が土から黒い層に変わったのが」
「は、はい。見えます」
「あれが石炭だよ。主な組成は炭素。他に酸素、窒素、水素、硫黄が含まれる。植物が地熱と圧力を受けて変化した物だ。加えて魔力を注いである」
「す、すごい…」
魔力で一欠片を取り出して引き寄せる。
延焼の無いように土を広めに綺麗に整地してその上に石炭を置き、火をつける。
「な、なんてぇ火力だ…」
「これは炭の比じゃねぇな…」
「実はみんなに製鉄で使ってもらってるコークスはこれをさらに加工した物なんだ」
「そ、そうだったのか…」
ちなみにこの石炭。
魔力を飽和するまで込めて魔石炭化する事によって10倍の燃焼効率とエネルギーを生み出せる事が分かっている。
炭鉱埋蔵量全てには既に飽和するまで魔力を注いである。
他の街の炭鉱予定地も同様だ。
「加工方法は木で作る炭と差は無い。蒸し焼きにして酸素を遮断してやることによって炭素以外の成分を除いてやるのさ」
「なるほど…」
「さて、具体的に採掘するに当たっての注意点は換気だな。今見えているようなひらけた場所では問題無いが、山肌から掘り進めるような場合だと空気が淀む。本当に危険だから注意してくれ」
「風魔法と土魔法で上手くカバー出来ると思うぜ」
「そうね」
「上に向かって土魔法で孔を開けて風の流れを作るか…行けるな」
「そうだな。工夫が必要だ。あとは炭鉱に有害な毒素が漂っている事がある。1番初めに入る時が1番危険だ。それも周知してくれ」
「分かった」
「風の守りで判別出来るわね」
いろいろ既存の道具で使える物もあるみたいだな。
カナリヤさんが犠牲にならなそうで何より。
安全に作業出来るなら安心だ。
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