滅びの光
初めて投稿しています。
更新頑張ります。拙い部分も目に付くと思いますが、気長に見守って頂けると喜びます。
神竜の口から放たれた滅びの光。
反射的に俺はその前に出てしまった…
口を中心として広範囲に拡散して行こうとする光。
このままだと話に聞いた通り、この兵士達はもちろん大陸ごと消滅して行くだろう…
しかし、本当に凄いな。
陽電子として放ち電子を対消滅させるのか…
これを体内で作り出すとは恐れ入る。
そう思うと同時に神竜の顔の近くに魔力の壁を浮かべる。
そのエネルギーを吸収して俺の扱う魔力と同じ物へと変換し、大気へと拡散するように…
やがて神竜の放つ光も終息する。
【何をする。人間】
とても怒気を込めた声で話しかけられた。
「待って欲しい神竜よ。あなたが下す審判はあまりに苛烈だ」
【それが我の役割なのだ。人間如きに指図される覚えは無い】
「あなたのやり方では罪の無い者も。大地も。緑も消滅してしまう。それはあまりに酷なことだ」
【知らぬ。我はただ己の定めに従うのみだ】
そう言ってまた滅びの光を口に込める神竜。
俺は魔力を込めて神竜の動きを拘束する。
【なっ‼ 馬鹿な‼ 動けんだと。なんだ…この魔力は…?】
「どうか話を聞いて欲しい。神竜よ。人は過ちを犯すものだ…だが、その過ちを糧に良い方向に向かえる者達もいる」
【…そうであったとしても我に出来ることは滅びを与えるのみだ…】
「ならば、せめてその裁きは過ちを主導した者に限ってくれないだろうか?」
俺と神竜のやり取りに一喜一憂していた軍隊の顔色が青を通り越して白くなった…
【なるほどな…そう言う貴様…いや、貴方は…なるほど…】
こちらを見てはなにか勝手に納得しだした神竜。
「俺はルークという。敬称は不要だ」
何やら不穏な独り言の流れなので、一応予防線をはっておいた。
【あいわかった。これよりは貴方の言うように裁きの力を用いよう。しかし、2度はない。驕れる者の過ちに反省を促す機会など1度でも十分過ぎるだろう】
「聞きとどけてくれたこと。感謝する」
そう言って軍隊に目を向けると、我先にと駆け出そうとする兵士達。
そこに語りかける。
「良かったね。1度は許してくれるそうだ。聞いていた通り、2度は無いってさ。その辺良く話し合ってみると良い。小賢しくも何をしたら神竜の怒りを買うのか、何なら許されるのか。なんて勝手に解釈すると今度こそ滅亡出来るかもね」
嫌味も加えて兵士達にも釘を刺しておく。
兵士達が居なくなった頃、亜人達の避難も順調に進む中、落ち着いて神竜と話をしてみることにする。
【ルーク様。このような形で良いのでしょうか?】
どうやら神竜に対する予防線は決壊したらしい。
「ああ。問題ないと思う。どうしても救えない…考えを改められない者もいるだろう。その者に対するこれ以上の慈悲は不要だろう。滅んでしまったとしてもやむを得ないさ…」
【分かりました。その際にはルーク様の言うように、その者達以外には類を及ぼさ無いようにいたしましょう】
「そうしてくれると助かる」
【久しぶりだ。神竜よ】
避難民たちも順調に移動し、落ち着いたようでヴィーも話に加わる。
【フェンリルか。久しいな】
【私はルーク様よりヴァジュラという名を賜った。これより先はそう呼んで欲しい】
ヴィーがそう言うと…えっ‼という顔で神竜がこちらを見た。
「えーと…名前が欲しい?」
【是非お願いしたく】
神竜が伏してそう言った。
神竜ってそのままで格好良いと思うんだけど…
「ミョルニルで良いだろうか?愛称として親しみを込めてミニルと呼ばせて欲しい」
【ミョルニル…】
「俺の生まれた星の神話で神が使ったと言われる槌の名だ。神に遣わされ、裁きの鉄槌を下すあなたに相応しいだろう」
神竜の方が格好良いと思うけど…
【ありがとうございます。有難くその名を頂きます】
【良かったな。愛称も愛らしい響きでそなたによく合うではないか】
えっ!? 竜に雌雄があるのか!?
そこは盲点だった…
よ、良かった問題無さそうで…
「で、ミニルはこの後どうするんだ?」
【この星の動向をしっかりと潰さに見て行こうと思います。ルーク様のお話に従い、小さなことでも愚かな行いを見過ごすことが無いように】
「余計な手間をかけてしまうようだな」
【いえ、今までのような、裁きの時をただ寝て待つよりは有意義でございましょう】
「そう言ってもらえると助かる。何処か住処はあるのか?」
【はい。私は人間達がグラルと呼ぶ山で過ごしております】
「そうか」
さて、あとは…
移動した人達にゆっくり休んでもらわないとな。
「俺たちは移動させた人達を休ませるよ」
【分かりました。また何かありましたらお呼びください】
「その機会は無いことを祈るよ」
【ミニル息災で】
【ああ。ヴィーもな】
そして移動させたみんなの元に移動する。
「みんな詳しい説明はまた後にする。今は簡潔に。みんなのために3つの街を作ってある。海と平原と森だ。とりあえず今日はそこで休んで欲しい」
「あ、あなた様は…」
「俺はルークという。環境への適正と…どの街が良いかの希望を聞いてまとめてくれ」
「わ、分かりました」
しばし待つ。
大まかには種族特性に沿った希望となるようで、予想通りの人数に分かれそうでホッとした。
「移動した先にある家屋、畑の作物は自由にしてくれて構わない。よく食べ、よく休んでくれ。これからの事はその後に話そう」
そうして住民達をそれぞれの街に送ったのだった。
さて、俺も休もう。
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