話は続くよどこまでも
初めて投稿しています。
更新頑張ります。拙い部分も目に付くと思いますが、気長に見守って頂けると喜びます。
ウィンディとの話はまだ続く。
「それで、人間達の国の戦争の目的に話は戻るんだが、労働力の確保が大部分を占めるんじゃないか?」
〖そうよ。人間達よりも少数の亜人と呼ばれる人達と亜人達と友好的な人間達を支配しようとして始まっているわ〗
「なるほどな。亜人達は一方的に支配されてしまうほど脆弱なのか?」
〖種族毎に特性があるから一概には言えないわね…でも、人間達の方が圧倒的に数が多いから、このままだと支配されてしまうと思う…〗
「そうか…なんで仲良く出来ないんだろうな…」
悲しい気持ちが湧いてくる…
〖話した通り友好的な人間もちゃんといるわ。戦争を起こした人間達も、今は手にした力の可能性に振り回されて周りが見えていないだけなんじゃないかな…〗
「そうなのか?」
〖バランスを取る抑止力がこの星にはいるもの。あなたがヴァジュラと名付けたフェンリル様だってそうよ〗
「ヴィーが?」
〖神獣とはそういう存在ね。他にも存在しているわ。今回のような力を振りかざす種族を戒める存在は神竜ね。まだ出てきてはいないけれど…〗
「神竜ね…出てくるとどうなる?」
〖大陸ごと消し飛ばされるんじゃ無いかしら?〗
「物騒だなっ!‼ 全部無くしてやり直すってことか…でも、それだと失敗を振り返り、その失敗を糧に新たに進むことが出来なくなってしまう…それに巻き込まれてしまうだけの存在も救われない…」
〖教訓という面では伝承として残って行くのだけどね…〗
「それは自分達が経験した事では無いのだから次第に薄れていってしまうだろう?」
〖そう。だからまたこうして…何度も繰り返されているのよ〗
「なるほどな…よし。ひとまず戦争を起こした者の責任云々はおいといて戦争理由を無くそう」
〖どうやって?〗
「亜人達とその友好的な種族を避難させる」
〖結構な数よ?〗
「この星の外でも良いんだけど…何処か良さそうな場所を知らないか?」
〖それならこの大森林の先、海の方が良いわね。大森林を挟んだ人間達の国の反対側は森に遮られて誰も住むことは出来ていないわ〗
「じゃあ、そこにしよう。住む所と環境は整えてあげてこのミーミルと交流出来るようにする。知識や技術が優れたものになれば、安易に虐げられることも減らせるだろう」
〖うん。なるほどね。じゃあ、ヴァジュラ様にお願い出来るかしら?この大森林を統べる神獣様の導きならばみんなを誘導しやすいと思うわ〗
「分かった。お願いしてみよう。俺は早速みんなが住めるように環境を整えるよ。準備が整うまで亜人達の犠牲が増えないように出来るか?」
〖それなら火が頑張ってくれてるわ。でも、前にドリアスが言ったようにあまり出来ることは無いの。急いであげて欲しいわ〗
「分かった。任せとけ」
話も一段落。
俺はみんなに少し忙しくなることを伝え、今までの作業を続ける中で疑問に思うことなどを考え、答えの出せなかったものをまとめておいて欲しい。とお願いしておいた。
出来るだけ自分達で考え、正解を出せるようになって欲しい。
俺はどうしても行き詰まって時間がかかりそうな場合に少し背中を押してあげるくらいでいることが望ましいだろう。
と、いうことで早速始めようか。
先ずは地理の把握だな。
空を見上げ、大気の組成を分析する。
微量成分の含有量に若干の違いはあるが、窒素と酸素を主に以前の地球と構成は同じ。ならば問題無い。
自分の体の周りに魔力を纏わせて大気よりも軽くしたり重くしたり出来るように調整する。
あとは、自分の体を動かす意識と連動させてやれば…
「うん。思うように飛べる」
そのまま上空を目指す。
5,000M程でちょうど雲にも遮られず地上の地形を見渡せるようになった。
「なるほど。とても大きいけれど半島の地形で森がそれを分断しているのか…」
ついでなので宙海に出る時と同じく大気と温度を保持する様に身体を覆い、更に上空へと向かう…どんどんと。
成層圏に達したので大気に魔力を干渉させ、そのバランスを維持させる様に効果を付与して広げた。
「これで化石燃料の使用も問題無いな。以前の地球よりは環境に負担をかけずに化学の進展も望めるだろう」
さて、みんなの住む所を作ろう。
降下地点を半島の先端へと決め、降りて行く。
そして降り立った半島の先端、切り立った崖から海を眺める。
「美しいな…」
〖ありがとうございます〗
独り言に返って来た声に目を向ける。
とても美しく慈愛に満ちた微笑みを浮かべる人がいた。
「そうか。君が…」
〖はい。海の精霊です。ルーク様〗
「ウィンディが無理を言ったようだ。謝罪する。申し訳無かった」
〖いえ、水のお姉様は良かれと思ってご自分で考えて行動なさったのでしょう。確かにこの星のことを思えば、使える物を使い発展させていくべきだと思います〗
「大切なのは心のあり様だと思うんだ」
〖そうですね。私は最近の戦争のことなどで過剰に人間達のことを警戒してしまっていたようです〗
「無理も無いことだ。海の素材を無理に使わせてくれとは言わない。ただ、この場所に戦争によって傷ついた者達を住ませてあげたいんだ。それは許してもらえるかい?」
〖私もその者達のことは知っています。とても心優しく思いやりに溢れる者達なんです。海と縁の深い者もおります。どうか彼らに安らぎを与えてあげてください〗
「ありがとう。お言葉に甘えるよ」
〖彼らに使ってもらえるのなら素材たちも満足でしょう。ルーク様。是非、彼らが海の恵みを有効に活用出来るようにお導きください〗
「分かった。任せてくれ。ところで…」
〖なんでしょうか?〗
「君を見たときに自然と思い付いた名があるんだが聞いてもらえるかい?」
〖ええ。喜んで〗
「メイル。母なる海を表す言葉なんだ」
〖その名を私に与えてくれるのですか?〗
「ああ。是非」
〖ありがとうございます〗
そう言ってメイルは再びとても美しく穏やかな微笑みを向けてくれた。
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