魔牛と散歩
初めて投稿しています。
更新頑張ります。拙い部分も目に付くと思いますが、気長に見守って頂けると喜びます。
さて、作業も一段落したので料理のお手伝いが残ってないか見に行こう。
すると、調理場で悲しそうに佇む料理の精霊。
誰だ!料理の精霊たんを悲しませたヤツは‼出てこい!
「どうしたんだい?」
〖朝ごはんはお腹が温まってすぐエネルギーになる物を作りたかったの…だからお米を炊くんじゃなくて、煮たらどうかなって。でも。美味しく出来なくって…〗
なるほど。
多分俺だな。料理の精霊たんの悲しみの原因。申し訳ない…
「なるほど。確かに良いアイディアだと思う。でも、今の家にある材料ではちょっと難しいんだ。まだまだ足りない物がたくさんあるからね」
〖………〗
「だから今ある物で1番上手く出来るように一緒にやってみようか」
〖…うん‼〗
「先ずはお米の種類だね。今用意してある長細いお米は確かに香りが良い。でもこの香りを更に活かすためにはただ水で煮るのでは力不足なんだ」
〖そうなの。他の調味料で工夫しようとしても上辺だけの味付けになっちゃって思うようにできないの。食べられるけど美味しくない…〗
「このお米を煮込むためには前に話した鶏の骨や食べにくい部分を使ってつくるスープとか、きのこや海にいる貝の身などを干して作るものなどで取る出汁を使うんだよ」
〖出汁?を取る?〗
「そう。お水やお湯に素材の旨みや香りを移すんだ。それが出汁」
〖!?そっか!その旨みがお米の中に入るから一体感のある美味しさを感じられる‼〗
「正解。出汁の元になる素材もちゃんと用意していくからもう少し待ってて欲しい」
〖うん‼〗
「で、今日はこの短いお米で作ろう。まだ洗練されてはいないけど…このお米は香りは強く無い分、お米自体の甘さ、風味はとても良く感じられるんだ」
〖そうなんだ〗
「あと、この料理を引き立てるのはそれだけで食べると少ししょっぱいくらいの物があるといい。作るのに少し時間が掛かるからそれを先に。お野菜に塩を振って少し置いておこう」
〖分かった〗
「あと大切なのは好みもあるけど、水加減。あまり少ない水だとベタベタになってしまうんだ。今回は目安に合わせておこう。この先は工夫して行けばいい」
そうして試食。
「どうだい?」
〖お米の優しい甘さと風味。野菜の美味しさをそのまま感じられるのにしょっぱくて、でもこの中に入れるとちょうど良くて、更にお米の味が引き立つ。美味しい!〗
「良かった。じゃあ、みんなにも食べてもらおう。お野菜は時間が経つほどしょっぱくなってしまうからね」
〖うん!〗
みんなの分を用意しながらも料理の精霊の知的欲求は止まらないようだ。
〖なんで時間が経つほど塩を振ったお野菜はしょっぱくなるの?〗
「野菜の体は水で出来ている部分がとても多いんだ。塩にはね、水分を引き寄せる力があるんだよ。だから塩に野菜の中から水分を一旦出してもらうのさ。その後、野菜の中に旨みが含まれた水分が再びじっくりと吸収されるんだよ。実は素材の腐敗を進めるのはこの水分なんだ。だからこの方法を使うことで色々な素材の水分を減らして保存性を高めることも出来るんだよ」
〖あ、ベーコン‼〗
「そう正解だ」
言う間におかゆも完成したのでみんなに振る舞う。
〖あーこりゃあ良いや。飲みすぎた次の日なんか多分、最高だな〗
〖体の中の働きが弱ってる時にも良さそうじゃの〗
好感触だな。
働き盛りや成長期にはもう少し副菜を付けてあげると良いだろう。
食後に完成した3種類のお茶を振る舞う。
みんな好みが分かれるみたいだけど、思い思いに笑顔で楽しんでくれてる。
お茶請けとお菓子の作成も頑張らないとな。
トールもボアの煮込みでのご飯が終わったのか、嬉しそうに駆けて来る。
良く撫で回すと喜んでくれるのは俺も嬉しい。
「みんな。今日は森の外れ、魔牛の場所に行って来るよ」
〖そっか俺も行く〗
〖私も行くわ〗
〖私もー〗
「あん‼」
「水も来るのか…ちょっと離れてるみたいだからお昼と夜の用意は料理の精霊にお願いしていい?」
〖何よ‼私は駄目なの?〗
〖大丈夫!〗
「いや…問題無いよ。帰りは直接帰ってくるし。1度行っておけばそこから街にも行きやすくなるからね」
〖その…は何?〗
「さて、じゃあ準備して出掛けよう」
〖話聞いてるの!?私の扱い酷くない?〗
種麹も順調そうだ。
一応出来るかどうか舟にもかき混ぜと温度管理のイメージで付与をしておこう。
後は魔牛のところに行ってと。
魔牛は俺が来ると嬉しそうにしていたが、だんだんと様子がおかしくなり、しまいには前足を突っ張るようにしてテコでも動かない姿勢をみせた。
しかし、みんなのところへ行かなくて良いのか?と言うと。
何かを思い出したように歩き出したのだった。
そうして道案内を頼み、出掛けるがあっさりするほど順調に到着してしまった…1日かかるのでは?
〖普通は魔物の対処に悪路で楽には進めんもんだが…お前さんには何の障壁にもならんからな。何も無く順調に進めればこんなもんだ〗
まぁ、トールも魔牛も道中楽しそうにしてたから良いか。
丁度、森がきれるかというところにある大きな草原に魔牛が沢山いた。
良かった直ぐに見つけられて。
魔牛を群れの方に連れて行ってやる。
すると魔牛は群れの中で何やら鳴きながらコミュニケーションをとっていた。
と、思ったら10頭くらいのお仲間を連れて戻ってくる。
どういうことかと思ってると…
〖この子達も一緒に森に連れて帰りたいって〗
なんと水の精霊がそう教えてくれた。
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