魔牛
初めて投稿しています。
更新頑張ります。拙い部分も目に付くと思いますが、気長に見守って頂けると喜びます。
魔牛を連れて家に帰ってきた。
帰り道の途中、結構な数の魔物が魔牛をめがけて襲ってきたので有難く食材や素材として活用させて頂くことにする。
見た目はともかく、魔石や魔力を持つ部位以外は体の構造は動物と違いはないように思えるのにあの攻撃性はどこから来るのだろう?
まぁいいや。みんなに魔牛を紹介しておく。
「みんな、群れに返してあげられるまでしばらくここに居ることになるから仲良くしてあげてくれ」
〖構わねぇが、そいつ群れに返すってルークが言ったとき悲しそうな目でお前のこと見てたぞ〗
一斉に頷く精霊達。
視線につられて魔牛をみると上目遣いでこちらを見る魔牛と目が合い、首を擦り付けてきた。
〖懐かれてんな〗
「魔牛ってこんなに賢いのかい?」
〖俺らは自分の属性のことはある程度分かるようになってるが、動物に関することに属性を持つやつなんていたかなぁ?みんな聞いた事あるか?〗
首を振る精霊達。
「まぁ、良いさ。ある程度気持ちが分かるなら便利に越したことはないよ。とりあえず居場所を作っておいてあげよう」
そう言って魔牛を連れ、畑の奥を更に拓いていく。
耕した地面に魔牛が食んでいた草を植えると直ぐに生えて来たので繰り返し育てて種をどんどん確保していく。
ストレスにならないように広めに確保した場所を埋め尽くす程には種も確保したので広範囲に植えてやる。
魔牛はキラキラした瞳でそれを見ていたが、草がたくさん生えてきたところで嬉しそうにそちらに向かい食べ始めた。
そして、魔牛が食べるそばから伸びて来る牧草…おまえもか。
思考を放棄して他の作業を進める。
壁は圧迫感があるので屋根と梁で建物を作り、寝藁をたっぷり敷き詰める。
そばに水桶を用意して自浄の効果を持たせ、畑から延伸させて来た水路を接続させる。
更に遊び心でトイレ桶も作っておいた。
こちらには臭いの粒子を吸収する効果と発酵を促す効果を持たせておく。
あとは敷地を覆う柵を作り、柵の上にも水が流れる樋を設置して自浄効果を付けた。
畑の水路→樋→畔へと循環するように作りあげる。
柵に沿わせて侵入を阻む効果と空間全体の臭いの粒子を吸収し、分解するように立方体に囲うっと…
「あ…考えながらの作業が楽しくて没頭してしまった…魔牛が帰ったら寂しい場所になってしまう…まぁ、その時はその時か…」
〖大丈夫。きっと使い道はたくさんあるよ〗
独り言に返って来た言葉に驚いてそちらをみるとまた見た事の無い精霊がいた。
「えっと、君は?」
〖僕は牧畜の精霊。さっき生まれたばかりだよ〗
朗らかに笑いながら答える精霊に驚きつつ問いかける。
「えーと…ひょっとしたらこの星では食べるために動物を繁殖させたりする事は一般的では無いのかな?」
〖捕まえて来た動物を飼っていろいろなことに利用する人はいるけど、繁殖させるって概念は無いよ。食べるのは魔物が主流だし、動物も狩りで得るものとして生活してるかな〗
「なるほど…俺はひょっとしたら大変残酷な概念を持ち込んでしまったのかもしれない…」
〖残酷かどうかはその技術を扱う人によるんじゃないかな。食べるために育てたってちゃんと子孫を残す形にしていくことになるわけだからその種族を滅ぼそうってわけじゃない。いたずらに命を弄ぶ者も…滅ぼそうとする者も…とても残念だけどこの星にはいるんだよ〗
「そっか…」
〖少なくともルークがここで育ててそれを利用したとしてもそれを辛く感じる動物や魔物はいないと思うよ〗
「ありがとう。そうでありたいと思う。ところで生まれたばかりなのに俺の名前が分かるんだね」
〖精霊は繋がっているからね。上位の精霊が精霊に上下関係なんて無いって言うのはそれが大きいんじゃないかな〗
「なるほどね。まぁ、とにかくこれからよろしくね」
〖こちらこそ。ここで生まれて良かったよ。ここはとても楽しい〗
嬉しそうにのんびりと草を食む魔牛を眺めたあと、みんなにも新しい精霊の紹介をしておかないと。と思い、家の方に向かうのだった。
〖なんつーか。あれだな。精霊は確かに数えきれないくらいには存在するんだが…こう頻繁に新しいやつらが生まれて来るもんでも無いんだぜ?〗
〖本当にね…〗
〖みんなよろしく。牧畜だよ。〗
〖おう。よろしくな〗
暖かく迎えられる牧畜くんに微笑ましさを感じつつ、俺も会話に加わる。
「そうなんだ。精霊にもいろいろあるんだね」
〖まぁな。基本的には自分に関係する事を正しく使って貰えるように導くのが役割みたいなもんだ。上位の精霊ほど派生して細分化しているから、導き手はより具体的なやつらが担当してる。つまり俺らは暇って事だな〗
笑いながらそう告げる木の精霊につられて他の上位精霊たちも頷いて笑っていた。
「そうそう。採集してたら金属類があまり見つから無かったんだ。だから金の精霊が暇な時に採集に付き合ってくれないかな?」
〖いつでも構わんぞ。お前さんといるのは楽しいからの〗
〖ついでだ。範囲も広げて行こうぜ。これまでは作物になる物を中心に案内してたが、金の案内の元にだって植物はたくさんあるだろうしな〗
〖そうね。それも楽しそう〗
牧畜くんの歓迎も兼ねてちょっと豪華に料理を作る。
その雰囲気に酒があればもっと楽しそうだと感じた。
完成が待たれる。
その後、お風呂に入る。
牧畜くんの〖これは動物達も喜ぶんじゃないか〗との発言に魔牛のために作ってあげようと思いつつ、その日も極上布団に包まれて気持ちの良い眠りに落ちて行くのだった。
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