布団のことも忘れないであげてください
初めて投稿しています。
更新頑張ります。拙い部分も目に付くと思いますが、気長に見守って頂けると喜びます。
ただの昼食だったはずのカレーが宴会へと昇華し、みんなが思い思いに好きなカレーを食べているのを眺める。
でも、なにか忘れてる気がして考え事をしていた…
料理の事は問題無かった。
料理道具に使うアルミが不足したので素材採取に行く事も決めた。
その後みんなでちゃんと話し合うようにしていこうってことも話した。
他になんだったかなぁ…
結構大事なことだったと思うんだけど。
まぁ、この先の行動を考えてみようか。
片付けはすぐ終わるから問題無い。魔法万歳。
で、食休みしたら風呂に行くでしょ、その後…
あ、布団か!
幸い調理の最後の方は〖もっと料理を作りたい〗
と言う料理の精霊に任せて、綿花だけ大量に作ったからストックは大丈夫。
街で見かけた製糸技術はあまり発展してなかったようだけど…
まぁ、最初は魔法で作るか。
綿花の綿のワタを外して種を取り出した後、繊維の組成を均していく。
構成を変化させるまでも無く、そのままでも良い生成の生地が作れそうなワタの上質さに思わず笑みがこぼれた。
中空に浮かべてやってるので興味深そうに風と木と土が寄って来た。
後は繊維の厚さに偏りが出ないようにより合わせてあげれば十分だな。
〖本当に非常識ね。普通糸を紡ぐのは重労働よ?それをこんなに簡単そうに巻き上げてるのを見てると街の職人が可哀想になってくるわ〗
〖でも、糸や布なら風の影響を1番受けてるエルフの得意分野だろ。あいつら長生きだから技術の研鑽に当てる時間はたくさんあるしな〗
〖エルフ達は確かに糸や布を作るのが得意。でも技術についてはそれぞれが興味を持ったことしか磨いていかないからエルフ全員が得意な訳じゃ無い。その点、ドワーフは違う。お酒と鍛治のどちらかに力を傾けるから技術力はドワーフの勝ち〗
「なるほどな。エルフやドワーフにも会ってみたいもんだ。そのうち会えるかな?」
〖あん?会いたいなら連れて来てやってもいいぞ?〗
〖多分、来てくれるから大丈夫〗
いや、別に用も無いのに呼びつけるのは気が引ける…
「あ、偶然に会った時で良いよ。本当に大したことじゃなくて会って話をしてみたいだけだから」
〖まぁ、ルークがそういうのなら俺らは構わんぞ?そうだろ?みんな?〗
そんな話をしながらも作業は続け、ベッドのサイズに合わせてピタリと合うように縦糸と横糸で織り上げる。
中の綿はワタをそのまま使わせてもらう事にする。
ワタの空間を均等に均しつつ、押し固める具合を何段階にも調整したものをミルフィーユの層のように重ねて完成させた敷布団。
十分なクッション性を維持しつつもしっかりと体にフィットして受け止めてくれる至極の逸品だ。
掛け布団は1番緩く形を整えた物を多めに使うことによって羽毛布団にも匹敵するようなふわふわ感を出す事が出来た。
非常に満足な出来上がりである。
あ、ついでに服も作っておくか。
気が付いた時には着ていたこの服は常に魔力で汚れを除去したり、よれたりした時に補修したりしてるけど…
何時も同じ服ってのは味気ないもんな。
シャツとズボン。
それぞれに染料となりそうな物質を探し、出来るだけいろいろな組み合わせになるように染めては織り上げる。
デザイン力は…残念ながら長い時の果ての効果は無いようなのでシンプルに仕上げることにした。
ただ、肌触りには拘って綿糸の繊維を組成したので着心地は極上である。
〖呆れた…そんな物エルフにだって作れないわよ〗
「素材を綿しか使って無いからそう見えるだけで同じような寝心地や着心地の物は良い素材を組み合わせれば作れると思うけど」
〖ねぇねぇ。やっぱりエルフ連れてきちゃ駄目?料理の子みたいにエルフにもいろいろ教えて上げて欲しいな〗
そう言う風の精霊。
〖あ、それなら私たちだってドワーフ達にいろいろ教えてあげて欲しいわ。あの鍋に使ってた軽い金属なんて見た事無かったもの〗
それに乗る土の精霊。
そこにやってきた金の精霊も加わる。
〖そうじゃの。あの軽い金属を見たら連中腰を抜かすわい。それにあやつらは酒作りにも熱意が凄い。お前さんの元で勉強すれば良い酒が出来そうじゃ〗
〖そっちが本音じゃ無いの?〗
〖じゃあ土のは興味無いのかの?飲まんでも良いと?〗
〖ウソウソ 茶化したのは謝るから私にも楽しませて〗
「エルフやドワーフ以外の種族には教えてあげなくて良いのかな?」
〖いや、是非とも教えてやって欲しいんだが、ここでやるなら多分ここには来られんだろ。この森、魔境って呼ばれて人間には怖がられてるからな〗
木の精霊の魔境発言にたじろぐ。
「そ、そうなんだ」
〖だから、ドワーフやエルフに教えてやって、それを人間に伝えるように言ってやれば良い〗
「なるほどね。話は戻るけど、あの鍋の金属は電気溶解という技術を使って作るから今のこの星ではちょっと抽出するのが難しいんだけど、俺としてはこの星でも使える技術を教えて行くことに問題は無いよ」
〖良いのか?職人たちは技術を隠して利益を得るものだろう?〗
「利益という点は俺はここでみんなと暮らせていれば十分楽しいし、幸せだから。ただ、あまり考えもせずにいたずらに技術を広めても今のこの星の人達の営みを混乱させてしまうだろう。その結果争いが起きたり辛い思いをする人が出るのは悲しい」
〖そうじゃな〗
〖そうね〗
「だからそれもみんなでよく話し合って考えて行こう」
〖ああ。そうしよう〗
〖賛成〗
〖そうだな〗
〖そうね〗
「お酒は楽しみにしてるみたいだからまずワインを作ろう。良さそうな葡萄は見つけられてるから」
〖おお!楽しみじゃ〗
〖嬉しいわ〗
「じゃあ、明日は葡萄を栽培してワインの仕込みだ。その後採集に森に行く」
〖あ、今度は私も一緒に行くわ。採集も楽しそうだもの〗
〖土のが来てくれるならよりいろいろと集められそうだな〗
話もまとまったので片付けを済ませ、今日も風呂を満喫して家に戻る。
ベッドに布団をセットするとなんだか布団とベッドも仲良く楽しそうにしているような気がした。
そんなことが感じられるのが嬉しく、俺も良い気分で休むことが出来た。
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