夢の中で(設定 黒蜜性能編)
サイドストーリー風に設定を文章化してみました。
ストーリーに直接影響は出ないので、読み飛ばしても大丈夫です。
次回から、本編に戻ります。
気づくと、一面淡い青色の世界にいた。前後左右に、上も床もすべて淡青。何もないだだっ広い所だった。
『ここはどこだ?いつの間にこんなところへ来た?いや夢か?』
自分自身を見てみると…
『あれ?この流れ、前にもあったな。前は白い世界だったけど…』
と、ふと思った。
「こんばんわ」
背後から声がかかった。突然のことに驚きながらも、知っている声に思わず返事をしてしまう。
「真理香さん?」
後ろを振り向くと、〈フォレスト〉の店員の真理香さんがいた。ただし、髪の毛の色が藍色だったが。
「久しぶり」
「髪の色違うけど、真理香さんだよね?」
「半分合ってる。今の私はマリカ」
発音が少し違う。
「マリカ?」
「そう」
「半分合ってるってどういうこと?」
「マリカであって真理香」
あまりよくわからないが、説明を詳しくする気は無いようだ。相変わらず、言葉が少なめだ。しょうが無いので、別の事を聞く。
「それで、ここはどこ?マリカさんは何でここに居るの」
「ここは夢の中。」
「夢の中?」
「そう。起きたら忘れる」
忘れる?まぁ、確かにそういう話はよくあるよなぁ。夢の中の記憶を持ち帰れないって。
「9・6・32、それの説明をする」
彼女の指さす方をみると、いつの間にか、卵型の《黒蜜》が浮いていた。
「説明のために来たと?」
「そう」
「なんでマリカさんが?」
「5人の中で1番最後に出てくる。出番が少ない」
「…」
「駄目?」
じっとこちらを見ている。
「えっと、出番云々は置いておくとして、説明はできるの?」
「5人の中で、私はアイテム担当」
「詳しいと?」
「うん」
「わかった。それじゃよろしく」
彼女が縦に頷いた。
「ケンヤが知っている性能を、まず教えて」
「俺の知ってる性能か…まずは」
形状変更は俺自身のイメージで行う。武器が勝手に形状変更しない。
武器に触れていないと、形状の変更はできない。
念話は、武器に触れていなくても可能。
分割できるが、イメージを各々に対して維持する必要があるので難しい。
普通は3個に分割できれば良い方。
密度を調整し、固さの変更ができる。
柔らかい物と比べ、固い物は形状操作しにくい。
総重量は変わらない。
「こんなところかな」
「あってる」
説明しに来たというわりには、俺が説明しているように感じるのは気のせいだろうか。
「最初は、どんな形だった?」
「卵のような形だったな」
《卵》縦横10cm、高さ15cm
黒色、黒真珠のような宝石がはまっている。
「次は、どんなふうに使っているか教えて」
「そうだな…」
やっぱり、俺が説明している…マリカさん、居る必要あるのか?
《短剣》
長さ40cmの剣。刃は鋭いが、軽く小さい剣。
《短棒》
長さ50cmの棒。短めだが、扱いやすい。
移動時も便利。
戦闘中《棒》に変更して長さを伸ばし、相手の不意を突く。
《棒》
長さ80cmの棒。固さを考えると、このぐらいが限界。
戦闘中、曲げて不意を突く事も可能。
ただし、曲線に曲げるのは難しく、カクッと折るような感じ。
《円盾》
直径20cmの盾。かなり固い。
《槌槍》
木杖50cmの補強用、補強後70cm。
固さの足りない《木杖》と大きさの足りない《黒蜜》を合わせた。
下部に刃、上部に槌。
槌の中に空洞有、水魔石で内部に水を入れ重量増加できる。
バランスはあまり良くない為、武器が手に入るまでのつなぎ。
《網》
150cm×150cmの網。見た目は七夕飾りの天の川(正方形)。
意外と固いため、金網のように使える。
曲線に曲げるのは難しく、カクッと折るような感じで曲がる。
そのため、魚取りにはあまり向かない。捕まえる事はできるが。
《薄板》
100cm×100cm・150cm×70cm 厚さ0.1cm
厚さ1mmだが、手で曲げる事ができない程の強度はある。
《網》作成途中に作っただけ。
今のところ使用予定なし。
《鞭》
長さ150cmの鞭。密度が薄いので柔らかい。
普通の鞭のように滑らかに操作できる。
軌道を急変動させて、不意打ちも可能だが、コントロールには練習が必要。
《剣》 考案中
崖下で拾った、折れた剣(柄と鍔15cm)に《黒蜜》を合わせた。
長さ55cmの剣。ショートソードより実用的。
《銀短槍》 考案中
崖下で拾った、壊れた槍(穂先20cm)に《黒蜜》を合わせた。
長さ1mの槍。穂先は銀と高級。
現在、穂先は修復中。
名前が長いのでショートは省略。
「こんなところかな」
「うん」
一通り確認が終わった。
「俺ばっかりしゃべってるけど、マリカさんは何かないの?」
「ない」
「説明のために来たのでは」
こくり、と頷く。
「例えば、そうだなぁ、9・6・32の番号の意味って知らない?」
「知ってる」
「どういう意味?」
「教えない」
「?」
「そのうちわかる」
「それじゃ、誰が作ったか知ってる?」
「うん」
「誰?」
「教えない」
「…何しに来たんですか?」
「解説?」
「いや、何もしていないと思いますが」
「ケンヤが1人で話すより、私がいた方が良いと思った」
「…言いたいことは、なんとなくわかります。けど、それだとアイテム担当とか知識があるとか必要ないような。誰が来ても良いのでは?」
「出番が少ないのは困る」
「…」
「…」
「…」
「…」
「そろそろ、話題が無くなったようだし、目が覚めるかな?」
「まだ、時間が余ってる」
時間が余っていると言われても、何を話すか悩むところだ。起きたら忘れるみたいだし、重要なこと聞いても、答えてくれなそうだし。
そういえば、さっき担当がどうのとか言っていたけど、他の人の担当って何だろう。無難そうな話題を思いついたので、聞いてみる。
「有紗さんの担当は何?」
「お金」
「お金って…なんかお金好きって言ってるみたいで、表現が微妙だなぁ。金の亡者みたいな…」
「ケンヤがそう言っていたと伝えておく」
「ストップ、ストップ!それは言わないでいい」
「…わかった」
今の間は?本当にわかっているのだろうか。
「えっと、瑠奈さんの担当は?」
「…警護?」
「なぜ疑問形」
「特に担当はない。知識的に、詳しい物がないから」
「その言い方はむごいなぁ」
「あえて言うなら、ケンヤの身近にいつも居るから」
「俺に付き添っていることが多いと」
「そう。で、警護」
付き添っているということは、やっぱりこれから会うってことだよな?
「絵里さんは?」
「常識」
「…それは、俺たちが常識の無い集団ってこと?」
「少し違う。ケンヤの常識が足りない」
「…」
「冗談。ブランドン大陸についての知識が少ないってこと」
「あぁ、人としての常識じゃなくて、世界を知らないってこと」
「そう」
なんかこれ、からかわれてるよな、絶対。
「玲奈さんは」
「魔法」
「へぇー、魔法得意なんだ、玲奈さんって」
『呼んだー?』
「えっ!」
姿は見えないのに、声だけ聞こええくる。
「レーナの出番は今日じゃない」
見えないレーナさんに、マリカさんが突っ込む。
『つまんないなぁ、少しぐらい良いと思うんだけど』
「駄目、今は私の時間」
『えぇー』
マリカさんが手元から、見慣れないアイテムを出すと、空へ投げつけた。
(ボンっ)
アイテムが爆発し、綺麗な光が飛び散る。
「きれいだね。花火?」
「違う、爆弾」
「爆弾?まぁ、花火も爆弾みたいなものか?」
「あの光は、粉々に砕けたレーナ」
花火のように散る、緑色の光。それを眺めながら、マリカさんが冷静に答えた。
「!?」
「レーナの思念体を、細かく砕いただけ」
「レーナさん大丈夫なの?」
恐ろしいことを言っているような気がするのだが。
「大丈夫。本編に影響はない」
「…」
「夢の中だから、何しても大丈夫」
「…本当に?」
恐る恐る聞く。
「多分」
反射的に、逃げる体勢を取ってしまう。
「それに、レーナならこの程度問題ない。どうせ、そこらへんで聞いている」
『やっぱり』『気づかれ』『てるね』
「おわっ」
いきなり背後から声がしてびっくりする。後ろを見ると、3つの小さな光が浮いていた。
「レーナさん?」
『こん』『ばん』『わ』
「こんばんわ…って大丈夫なんですか?3つに分かれてるけど」
『全然』『問題』『ない』
「本当に?」
『うん』『だから』『心配しないで』
もし、爆弾喰らったら、自分もこんな風に分裂するのだろうか?
いや、『レーナなら』っていていたよな。
俺の場合、粉々に…考えるのはよそう。爆弾を使われなければいいだけ。
気を取り直して、レーナさんに話しかける。
「ところで、マリカさんって、こんなに過激でしたっけ」
「過激?」
マリカさんが、首をかしげている。自覚が無いのだろうか。
『それはね』『多分』『はしゃいでるだけ』
レーナさん達が答える。
「はしゃいでる?」
『そう、久しぶりに』『ケンヤに会えたから』『うれしくてはしゃいでいる』
「!!」
マリカさんの顔が、わずかに赤くなる。そして、なぜかその手に《爆弾》が…
「ストップ、ストップ!!」
大声で止めるけど、聞いちゃいない。その眼はレーナさん達?にしっかり向いている。そして3人のレーナさんは、
『アハハ、怒ってる』『いや、恥ずかしがってるかな』『可愛いね』
俺の周りを飛んでいる…
このままでは、俺に向かて爆弾が…
「待って、落ち着こう、マリカさん」
必死に声をかけるけど、それはマリカさんに届かない。彼女の右手がゆっくりと上がっていく。俺は、それを止めるために前に出る。
投げる寸前、俺の左手は彼女の右手首をつかむ。寸前のところで間に合った。
「とりあえず、落ち着こう」
彼女の右手を見ていた俺は、顔を見ようと視線を前に向ける。すると、目の前に彼女の顔があった。
至近距離、10cmといったところだろうか。視線が合い、顔も耳も真っ赤にするマリカさん。お互い声が出なかった。
それでも、俺はなんとか声を絞り出す。
「とりあえず、爆弾をしまおうか」
「は、はい」
小さな声で返事が返ってくる。
俺がそっと手を離すと、名残惜しそうな表情を見せた。
お互い、ゆっくりと手を下ろしていく。その時、
『真っ赤』『真っ赤』『真っ赤』
冷やかす声が、周囲を飛び回る。
うろたえるマリカさん。そして、その動揺は下ろしかけていた手にも広がり、手元が狂う。
「あっ」
無情にも、手を放れる爆弾。まるでスローモーションでも見るように、ゆっくりと地面に落ちていく。
『あっ』『落ちる』『ドカンだ』
なぜか、楽しそうに言うレーナさん達の声を最後に、意識が薄れていった。
「はっ!」
目が覚める。睡眠が浅かったのだろうか、いつもより疲労感があるような気がする。
「何か、大事な事忘れているような気がするんだが…」
いくら、考えても思い出すことはできなかった。
「ま、いっか」
布団から出ると、顔を洗いに向かった。
参考までに(計算間違えてたらどうしよう…)
○硬い(密度濃い・体積少ない)
短棒 長さ50cm 直径3cm 1.5×1.5×3.14×50=353.25
長棒 長さ80cm 直径2.4cm 1.2×1.2×3.14×80=361.728
円盾 直径20cm 厚さ1.15cm 10×10×3.14×1.15=361.1
短剣 長さ40cm 幅6cm 厚さ2.5cm 6×2.5÷2×40=300(刀身・柄)+(鍔部分)
○中間
卵型 高さ15cm 幅10cm 7.5×5×5×3.14×4÷3=785
薄板 100cm×100cm 厚さ0.1cm 100×100×0.1=1000
薄板 150cm×70cm 厚さ0.1cm 150×70×0.1=1050
○柔らかい(密度薄い・体積が多い)
鞭 長さ150cm 直径3.5cm 1.75×1.75×3.14×150=1442.437




