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あのコの一番そばで、私、輝くっ!  作者: そるみ
第2章 あのコに忍び寄る超常現象

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6/11

6 あのコ、何か隠し事、してるのかな……

いつも読んでいただき、感謝です。

話の展開上、ここから新しい章(第二章)に突入です。

 シャワシャワ~~って、遠くから風に運ばれて聞こえてくる滝の音、心地良い柔らかい日差し……お弁当をつまみながら、ひむちゃんとのお喋りで盛り上がったランチタイム。

 お腹一杯~、幸せ一杯~~。

 アゲアゲ気分で集合場所に戻った途端、お腹がギュルギュル……う、急に催してきた……。

 「あ、トイレ行ってくるね」

 私はお腹を抱えて小走りに駆けていくけど、ひむちゃんは付いてこない……そういう体調じゃないのね。


 トイレを済ませ、ホッと一息ついて周りを見渡しても、ひむちゃん、見付かんない。

 あ、きっと集合場所に戻ったんだね?

 そう思って、私も集合場所に駆けてみたけど、あれっ?! いない。

 もしかして、忘れ物を思い出して、取りにでも行ったのかな?


 暫くぼーっと休んでると、きゆりちゃんが、 「1年生、集合~~!!」 って声を張り上げた。

 すると、向こうの方にあるログハウスから、ひむちゃんが飛び出してきて、こっちへ駆けてくる。

 「ひむちゃん、あの建物に行ってたんだ。 あそこって、何かあるの?」

 「あ、あ、あそこ、ね。 昨日、お母さんから、ウサギのオブジェがあるから観に行くといいよ、って言われて……でも、見付からなかった。 ただの休憩所だったよ~~」

 ん? 何かどもってない? 声がうわずってない?? 変なの。

 「あはは、そっかぁ。 そりゃ残念だったね」

 ひむちゃんのママまでウサギフェチなの?!

 なるほど、ひむちゃんのウサギ好きはママの影響大、って事ね、あはは。


 神尾渓谷を出発して、山下り~~。

 上りの時より、ずっと楽……これなら、ズンズン歩けるよ。

 心と身体って、繋がってるんだね~~、自然と歩調も軽くなってる。

 まるで脚が、私を連れていってくれてるかのように。

 なーんて、詩人気分に浸ってる時、後ろを歩いてたひむちゃんが、突然、素っ頓狂な声で、 「あわわわわ……この子、歩いたよ! あっ、だめだめ、声が出ちゃった」 って叫ぶんだもん。

 「ひむちゃん、どうしたの?!」

 私、あまりにも唐突な出来事だったから、振り向きざまに、ありきたりな事しか訊けなくなっちゃったけど、そもそも、この子って、何よ。 虫でも捕まえてきたの?

 「ううん、何でもない、妄想妄想~~」

 ん? ひむちゃん、何かごまかしモードに入ってる??

 何だか視線、そわそわしてるし……私から視線を逸らして、肩の辺をチラチラ見たりしてるし。

 ま、ひむちゃん本人が何でもないって言い張るんだったら、これ以上ツッコまない方が良いのかな。


 家に帰って、風呂から上がった後も、身体の疲れは軽くなったのに、どうもあの時のひむちゃんの意味不明な言葉が心に引っかかっちゃって……。

 確かにひむちゃん、時々ホワッとした事を言ったりするけど、あの時のはそんな感じじゃなかった!

 何か、慌てふためいてた感があったし、話題を逸らせようと必死になってた感もあった。

 そこがどうも気に掛かって……どうしたんだろう、ひむちゃん。


 折角の日曜日、月曜日の連休も、気持ちがもやもやして、全然楽しめず、火曜日。

 ひむちゃんにはごめんだけど、ちょっとカマ、かけてみたくなってきた。

 そう決意して、いつものガゼボに向かうと、今日もひむちゃんは私を待っててくれてるけど……ん? いつもと様子が明らかに違うよ?? 熱、あるんじゃないかな? しんどそう。

 「ひむちゃん、ちょっと顔色、良くないような……元気が無いように見えるよ。 大丈夫?」

 わざと、ひむちゃんの顔を、下から覗き込むようにしながら、訊いてみた。

 「うん、土曜の夜から熱を出して、二日間、寝て過ごしてたんだ」

 やっぱ、熱、あるじゃない!!

 それって、風邪かな?

 元々、体調ばっちりじゃないところで登山したから、疲れで体調を崩した??

 でも、土曜日の朝、凄く体調、良さそうだったよね……張り切ってたように見えたし。

 私、どうもあの時の事が引っかかるんだよなぁ。

 でも、ここはひとまず……。

 「登山で疲れたんだよ、きっと。 無理はダメだよ。 しんどかったら学校、休んだ方が良いと思う」

 無難に労っといた方が良さそうね。 カマをかけるの、一旦止め。

 「心配かけてごめんね、ひいちゃん。 途中、しんどくなってきたら考えるよ」

 ひむちゃんの歩調に合わせて、ゆっくり学校に向かおう、今は。

 

 結局、ひむちゃんは最後まで授業を受けてた……小学生の頃からほとんど休まず、学校には顔を出すようなコだったから……今回も。

 帰り道も、ひむちゃんの歩調に合わせて、ゆっくり寄り添って歩こう。

 さすがに疲れたんだろうな……ひむちゃん、道すがら、ほとんど無口で……。

 ガゼボに辿り着くと、私はひむちゃんに優しく声を掛けた。

 「ひむちゃん……体調はどう? 無理してない?」

 これが、私の素直な気持ち。 心配なんだよ。

 「うん。 ちょっと疲れは出たけど、体育は見学したし、座って授業を受ける分には大丈夫だったよ」

 「早くいつものひむちゃんに戻るといいなぁ。 ひいかに出来る事があれば、言って欲しいな」

 いつものひむちゃん……この言葉には、体調が戻る意味ももちろんあるんだけど、今のひむちゃんはどうも私の知ってるひむちゃんじゃない気がして……そういう意味も密かに込めてみたの。

 だから最後に、私に出来る事が……って繋げたの。

 「ありがとう、ひいちゃん。 家でゆっくり身体を休めるよ。 じゃぁね、ばいばい」

 そう言いながら、ひむちゃんはちゃんと私の目を見て微笑んでくれたんだけど……何だろう、眼力を感じないっていうのかな……心、ここにあらず、なように感じたんだ、私には。


 翌日も、ひむちゃんは学校も休もうとせず、ガゼボで私を待っててくれてた。

 明日からゴールデンウイークだから、多少無理しても、そこで休めば……って、ひむちゃんは考えてるのかなぁ……無理はして欲しくないなぁ。

 「おはよーひいちゃん! 昨日よりちょっと調子が良いんだー。 ね、えへっ」

 そんな私の心配をよそに、ひむちゃん、満面の笑顔でお出迎え。

 「おはよーひむちゃん。 良かったぁ~、ちょっと笑顔が戻ってきたみたい? あはは」

 私も、ひむちゃんのペースに合わせて、笑顔で目線を合わせて答える。

 でも……ひむちゃん、無理してるよね、その笑顔。

 そうだ! 今日は一日、ひむちゃんの言動をウオッチングしてみよう。

 何か勘づく事ができるかもしれないよね。


 ひむちゃんウオッチングの結果、やっぱ、私、ひむちゃんには何か隠し事があるって睨んだの。

 とにかく、妙にそわそわしてる……熱でしんどいっていうのもあるのかもだけど、それを差し引いたとしても。

 そして、一番気になったのが、やたら肩、特に右肩をボーッと眺めてる機会が多かった事。

 そう言えばあの日も、変な事を叫びながら、肩の方をチラチラ見てたような気がするし……。

 よしっ! 今日も一緒に帰って、そこで思い切って……。


 別れ際、ガゼボでひむちゃんを引き留めて、 「ひむちゃん、明日、ひむちゃんち、お邪魔してもいいかな? だいぶ元気になったみたいだけど、まだ心配だから……」 って、思い切って提案してみたの。

 もちろん、体調を心配してるのは本心なんだけど、ひむちゃんの家に行けば、何か分かる事があるかも、って下心も、ね。

 「ひいちゃん、いつも私の事、気に掛けてくれてありがとう。 あっ、ひいちゃんが私んちを訪ねて来てくれるの、初めてだよね~~。 怪我の功名っていうのかな、これ。 楽しみ!!」

 そっか、付き合いは長いけど、そう言えばひむちゃんの家、行った事なかったよ。

 ま、家の場所は話には聞いてたし、ここから一本道だろうから、辿り着くのに問題は無いだろうけど……。

 そんな事より、魂が抜けたような感じだったひむちゃんの表情がパッと明るくなったのが、何より嬉しくて……。

 「良かった~~! ひむちゃんち、どんな感じなのかな~~。 おばさまに、よろしく言っておいてね」

 明るく自然に喜ぶ事ができたよ。

 ひむちゃんのママにも会った事ないし、初めて尽くしだから、楽しみ半分、緊張半分ってところかな、今は。

 「うん。 分かったーー。 お母さんには今夜、相談しとくよ」

 よしっ! まずは、ひむちゃんとの約束、上手く取り付けたよ。

 明日はひむちゃんの事、もっともーっと探ってみよう!!

本編の第10話・第20~22話をベースに書き上げました。


☆今回気を付けた点☆

本編では、ひむかが[謎の存在]と遭遇する展開だけど、ひいかはその事を全く知らない……。

不可解な事が起こってる雰囲気はあるけど、全く掴めない……ここをどう描写していくかに苦心しました。


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