↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あのコの一番そばで、私、輝くっ!  作者: そるみ
第5章 異なる世界線での、私と絵日記帳

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
49/68

49 レアアイテムを手掛かりに

いつも読んでいただき、感謝です。

 その日の夜に見た夢の中で、私の推理をゆらにぶつけてみたの。

 「ねぇ、ゆら。 あの絵日記帳が書かれた世界について、私なりに考えてみたんだけど、聴いてくれる?」

 「絵日記帳の持ち主さんが住んでた世界がどんなのなのか、って事?」

 「そう。 まず、そこに登場した場所を思い出してみて。 棗海岸、長森島、そして月宮神社……どれも古河町のばっかだよね」

 「うん。 向こうの世界の古河町が持ち主さんの活動場所になってるのは間違いないと思う」

 「次に、登場した人物……ちかねさんも、みづるさんも、当然私も、この町に実在してるのが分かったよね」

 「うん。 会えなかった人もいるけど、会話の中で存在は確かめられたよね」

 「ここまでで、絵日記帳の世界と私の住む世界とは凄く似通ったもの同士だ、って思うの。 その上で、今回の月美さん情報を考えてみたいんだけど」

 「地理と人物が両方の世界で似通ってる……うん」

 「絵日記帳に出てきた[月宮神社の撫でウサギにそっくりなぬいぐるみ]って、唯一無二の存在だって思ったの。 月美さんは明美さんの為に何ヶ月も掛けて作った、って言ってたけど、そんな手の込んだものが、この小さな町に二つとあるものかな、って」

 「あ~~、なるほど! 火雷はぬいぐるみのレア度に注目したんだね~~」

 「そうなの。 絵日記帳の世界でも、月美さんが明美さんにプレゼントしたんじゃないかな、って」

 「ちょっと待って、火雷。 そうと決めつけるのは危ういかも……市販のものって可能性もゼロじゃないし……」

 「ううん、ゆらはパラレルワールドって言葉を使ったよね? そのぬいぐるみは絵日記帳の世界でも、月美さんと明美さんとの間で生まれたもの、って考えるのが自然じゃないかな? 二人がいて初めて存在できるものだ、って」

 「似通った世界同士だから、特別な意味を持つアイテムは共通……そう言いたいんだね?」

 「そうよ。 そんなぬいぐるみが、今も廃墟にあるから今度見せてあげる、って月美さんは言ったの。 それが何を意味すると思う?」

 「明美さんしか持ち得ないものが廃墟にある…………あっ! もしかして、この絵日記帳の持ち主の家って!!」

 「そう! あの廃墟じゃないか、って考えたの。 そこに[私]と[お母さん]が住んでたんじゃないかって」

 「確かに、一点もののぬいぐるみを手掛かりにして、ここまで理詰めで辿り着いた火雷の推理力は凄いけど、そうだとしたら……」

 「ゆらの言いたい事、分かるわよ。 [私]と[お母さん]はそれぞれ誰なの? って事よね?」

 「うん。 さっきの火雷の話だと、この二人の家に明美さんしか持ち得ないものがあるんだから、どっちかが明美さん、って事になるよね?」

 「どっちかが、ねぇ……それを考えるには、絵日記帳の世界の時間と、私の世界の時間との差を考える必要があるわね」

 「両方の世界が時間的にどれだけズレてるか、って事?」

 「そうよ。 私はそんなに大きな差は無い、って考えてるの。 絵日記帳の世界の[ひいか]は、[私]と共同で活動してるっぽいんだけど、[私]は文脈とか筆跡を見ても成熟しきってないって感じるし、勉強部屋を与えられてるって記述もあったから、この二人は年が近くて、しかも大人じゃない、って考えるのが自然よね」

 「絵日記帳を使うって発想も大人には無いかも、って、ゆらは思ったよ」

 「そうね。 それと何より、[ひいか]が存在してる事……これが大きいわ。 いくらパラレルワールドって言っても、もしもには限界があるはずよね。 私が産まれないっていうのはアリだとしても、他の親から産まれるとか、何十年も誕生日が違うとかは……少なくとも、私と[ひいか]とが全くの別人になるほどの劇的な変化までは起きないんじゃない?」

 「うん、火雷の言う通りだと思う」

 「で、明美さんは月美さんの中学生時代の親友だったんだから、二人は同じ世代……私の親世代になるはずなの。 もしもの世界なんだから、明美さんが生きてるっていう仮定もアリよね? って事は?」

 「って事は……ああ! [お母さん]が明美さん、って考えたのね、火雷は。 火雷の理詰めって凄いなぁ~~」 

 「そうよ。 推理力をフル回転しないと立ち向かえないんだから、この課題」

 「あはは……火雷の集中力を邪魔しないように、ゆら、気を付けなくちゃ」

 「でも、[お母さん]が明美さんだとしたら、[私]って一体誰なの? 明美さんは子供を授かれなかったって言うのに……」

 「ねぇねぇ火雷、それこそもしもの世界だって事、忘れてない? 明美さんが生きてるのがアリなんだったら、子供を授かるっていうのも……」

 「あーーーーっ! そっかぁ!! ゆら、ありがとう。 私、こっちの世界の情報を当てはめ過ぎてたわ。 その仮定もアリだよね」

 「[私]が誰なのか……そこを解いていくのが今後の道しるべになるんじゃないかなって、ゆらは思うよ」

 「そうね。 もしかすると今後、大きなヒントが出てくるかもしれないし。 私の推理を真剣に聴いてくれてありがとう、ゆら。 今日はここまでにするわ」

 「うん、ゆらも火雷の力になれて良かったよ。 じゃぁ、ぐっすり眠れますように。 おやすみなさい」


 次の日、新しく開示された絵日記帳のページは……[8)衣装]。

 まず私の目を惹いたのは、左上枠のイラスト……この衣装そのままのを何処かで見たよね、って。

 そう、月美さん……袴、紫色のを穿いてるし。

 【コメント】

  ・奥宮の本殿の中にある。

  ・袴は紫色で、三着の服も綺麗に畳まれて置かれてる。

  ・足袋、白い細い紐が三本、白い太い紐、紅い紐、ゴムも一緒に畳まれて置かれてる。

 【考察】

  ☆今度、宮司さんに尋ねてみよう。ちかねさんにも。

  ・舞を舞う時の巫女さんの衣装だけど、袴が紫というのが違和感あり。(宮司さん談)

   この衣装の持ち主は、神職に就きながらも舞を舞っている女性、って事になるらしい。

  ・着付けは、ちかねさんに教わった。

 舞関係の衣装かぁ……これはちょっとママを頼ってみるのもいいかな。


 描かれてるイラストをササッと写して、朝御飯を食べる前にママに見せてみたの。

 「あら、これは巫女の衣装……じゃないわ。 紫の袴だから、ある程度上の立場の人の、って事になるわね。 この色のは本職で神に仕える人が身に着ける習わしがあるのよ」

 「考察に書いてあった通りなのね。 この衣装とそっくりなのを身に付けてる人、私知ってるの。 月美さんよ」

 「そうね。 月美ちゃんは神社の家系に産まれて、小さな頃から英才教育を受けてきたサラブレッドだから」

 「今はねぎさん、って言ってたわ」

 「禰宜なのね。 なら、宮司に次いでナンバー2、って立場よ。 立派になったわねぇ~~。 頑張り屋だったもんなぁ、昔から」

 「努力で偉い人になったんだ、凄いなぁ~~。 そう言えば明日の夕方、あの廃墟で待ち合わせの約束をしてるの。 私にちょっと見せたいものがあるんだって」

 「あら、月美ちゃんが火雷に見せたいもの? この短期間で随分気心が知れるようになったのね。 どういういきさつでそんな話になったのか、気にはなるけど訊かない事にするわ。 でも、一つお願いがあるんだけど……ママもそこに一緒に行っちゃダメかしら?」

 「ちょっとは話せるようになったけど、そこまでじゃないわ。 話の流れで、廃墟にある手作りのウサギのぬいぐるみを見せてもらえる事になったの。 それよりまだママの事、話してないのよ? 何で連れてきたの? って思われるわ、きっと」

 「確かに呼んでもない人が付いてきたら、月美ちゃん、面食らうかもしれないわ。 でも、お世話になってから何十年とご無沙汰してしまってるところに、その話……折角の機会だし、会ってみたいの」

 「それだけの理由でママを連れてってもいいのかなぁ……ママが側にいたら月美さん、対応変わっちゃわないかなぁ」

 「もし、月美ちゃんが望まなかったら、ママは早々に退散するわ。 ただ、ここを逃すと、会うタイミングを失ってしまいそうだから」

 「月宮神社に行けば会えると思うけど……そうじゃなくて、神様が作った巡り合わせを大切にしたい、って事なのね? 確かに、色々な事が重なって生まれた機会だし……分かったわ、月美さんには想定外になっちゃうけど、ママも一緒に付いてきて」

 「ありがとう、火雷。 じゃぁ、ママは明日着ていくワンピを準備しなくちゃ!」

 「着ていく服を準備するって……普段着でも良いと思うんだけど」

 「いえ、ママにはママなりの考えがあるのよ」

☆今回気を付けた点☆

火雷が絵日記帳の世界の[お母さん]の正体を突き詰めていくシーンには、かなりの時間を費やしました。

なかなかしっくりくる文章が書けなくて……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。