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あのコの一番そばで、私、輝くっ!  作者: そるみ
第5章 異なる世界線での、私と絵日記帳

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48 甘味処でリフレッシュ!

いつも読んでいただき、感謝です。

 廃墟に向かう間も、着いてからも、おじさんと出会い、話し、行動した事や、その時々の様子などを、思い出せる限り正直に警官に伝えたの。

 玄関の前で現場検証が行われてたんだけど、そこには警官と一緒に月美さんの姿が。

 第一発見者の墓参りに来た女性、って月美さんだったんだ……でも、一体どういう事だろう。

 墓参りに来るって、明美って人と何らかの関係があるって事よね……花を供えてたのももしかして……なんて考えてると、月美さんと目が合ったの。

 随分驚いた顔されちゃった……あまりに場違いな所に私が来たからだろうな。

 私への聴き取りが済んで家に帰ろうとすると、警官を伴って月美さんがこっちに向かってきたの。

 「貴女がここにいるなんて、びっくりしたわ」

 「あ、昨日、成り行きで、画家のおじさんがここに来るのに付き添ったんです。 ここに住んでたって言ってたけど……」

 「ええ、その通りよ。 彼は、巌(いわお)さんは、この家の持ち主だった明美の元旦那さんで、二人とも私のよく知った人たちなの。 彼らの出会いから別れまで、明美から色々と話を聴いたものよ。 今頃になって、どうして巌さん、ここに……」

 私は画家さんと棗海岸で交わした会話を繋ぎ合わせて考えたの。

 「棗海岸で偶然私と知り合って、会話の中で想い出のひとの事が思い浮かんだみたいなの。 それがきっかけなのは間違いないと思う。 ここに来るまで、明美さんが亡くなってるって事、おじさんは知らなかったの」

 「そう……それを知ってしまって、自責の念で思い詰めてしまったのかしら……悲しい事だわ、終わってしまった遠い過去の話なのに」

 「私、そんな気配、全く感じられなくて……鈍かったなって、今になって悔いてるんです。 あの時、もっと注意深く感じるべきだったって」

 「それは無理な話だわ。 貴女が彼に付き添ってここまで導いた、それは決して誤りではなかったのよ」

 そんな会話を月美さんと交わしてると、立ち会ってる警官に、 「そろそろ聴取に戻りたいのですが」 って、話を打ち切るよう促されたの。

 「私のわがままを聴いてくださって、ありがとうございました」

 警官にそう言うと、月美さんは私に向き直り、 「じゃぁ、私は引き続き聴取に協力するわね。 貴女もお勤め、お疲れさまでした」 って、労をねぎらってくれたの。

 「はい。 それではまた」


 家に帰ると、ママが私を呼び止めて、 「朝から騒動に巻き込まれて大変だったね。 あまり色々考えず、今日は一日頭を休めなさい。 学校へはさっき、休ませますって電話を入れたからね」 って、気遣ってくれたの。

 時間的には遅刻ながらも登校する事も出来たんだけど、ここはママの指示を素直に聞くわ。

 私の部屋で、とにかく頭を空っぽにして眠ったの……夢は見なかったなぁ。


 火曜日、水曜日は絵日記帳を見付ける前の、普段通りの生活を送るように意識して過ごす事にしたの。

 体育の時間は体力テストだったから、ストレス発散って事で気合い入れたりして。

 得意の走りは、50m走が7.8秒、1000m持久走が4分ピッタリで安定だったし、反復横跳びの45回と、20mシャトルランの60回は自己ベストを出せたし、満足できる出来だったわ。

 やっぱ、身体が軽いの、こういう種目ではだいぶ有利ね。

 でも、立ち幅跳びがねぇ……170cmだったの。

 あれってどうやって上手くジャンプすればいいのか、イマイチよく分かんないんだよなぁ。

 更に苦手なのがハンドボール投げ……今年も12mで全く成長無し。

 これもどうやって上手くボールを放せばいいのか分かんなくて……がっかり。

 ま、まだ残ってる種目もあるけど、今年も[A]評価は固いわね。


 私は家が遠いし、同じ方向に帰る友達もいないから、授業が終わったら大体は独りで寄り道もしないの。

 だけどこの日、教室でボーーッとしてたら、珍しく声を掛けられて。

 「火雷~~、学校が終わってもゆっくりしてるなんて珍しいね~~。 今日はこの後、何も予定無いの~~?」

 この、のんびりペースで喋る声は、双子の妹、朝子のだね。

 ま、普段も別に用事があるから早く帰ってるって訳じゃないんだけどね。

 「うん、まぁね。 ちょっとオーバーヒート気味の頭と身体を冷ましてるとこかな」

 「いつも全力の火雷だもん、そんな時もあるよね~~。 そうだ、駅前に甘くてひんやりのスイーツのお店があるんだけど、一緒に行こうよ~~」

 駅前って言えば、私の帰り道とはあさっての方向なんだけど、ま、いっか。

 出来るだけ普段通りの生活を送る、って決めたんだし。

 「そうね、凄く魅力的だわ。 でも、私を誘うなんて、珍しいわね」

 「だって火雷、いつも忙しそうだもん。 声掛けるタイミングがなかなか見付からなくて~~」

 「あはは、ごめんごめん。 する事が思い浮かばないから、真っ直ぐ家に帰ってるだけよ。 丁度気分転換もしたいって思ってたトコだったし」

 「じゃ、決まり~~。 お姉ちゃんと一緒に、お店にレッツゴ~~!」


 隣のクラスの双子の姉:東子と合流して、3人で向かった先は[古河さくら茶屋]……甘味処、ってやつね。

 古河町駅とアーケード街の間にあるんだけど、ここはJKの間ではちょっとした有名店なんだよね。

 わらび餅、焼き団子、ぜんざい……ドリンクもあるんだけど、一番のウリは何と言ってもパフェ。

 中でも人気なのが…… 「私、猫パフェで、顔はバニラかな~~」 って朝子が、 「じゃぁ、私は顔はチョコがいいな」 って東子が即答。

 こりゃかなり双子の行きつけになってるな、このお店。

 で、私は…… 「猫パフェのダブルで、顔はバニラと黒ゴマで」 っておっかなびっくり注文してみたの。

 「わぁ~~、火雷、ダブルいっちゃうの~~、すご~~い!」

 「火雷って結構、甘いのイケる口なんだね、新発見よ」

 双子に何だかんだ言われても、このパフェの良いトコは、色んなのを一度に満喫できる事……きな粉に、あんこに、ソフトクリームに……それに、野点傘が刺さってるカステラも何気に美味しいのよね。

 絵を描く私にとって、こういうデザインは美的感覚も養えるしね。


 甘さとか、冷たさとかが身体に染み渡っていく……ジワーーって吸収されてくのを感じるわ。

 それにしても、こういうのを食べる時って、何で無言になるんだろうね。

 「ぷふぁ~~、美味しかった~~」

 「私もごちそうさま。 やっぱ安定の美味しさね」

 双子の舌も満足させたみたいね。

 「久し振りに食べたわ、猫パフェ。 まだ食べれそうね」 って、冗談交じりで言ってみたの。

 「ひゃ~~、火雷、別腹度凄い~~! って言いながら、私もまだイケるかな~~」

 「おいおい二人とも……って言いつつ、私も追加を頼もかな。 火雷も朝子も、お財布の中身は大丈夫なの? 私は余裕無いからおごれないよ?」

 こういう会話も、たまにはいいもんね……すっかり気分転換が出来たわ。


 さて、木曜日は半日授業……当初の予定通り、撫でウサギの探索をしに、月宮神社へ向かったの。

 まず、本当に存在するのか調べないとね。

 巫女さんに尋ねると、本殿のすぐ奥にあるとの事……この前は全く目に付かなかったわ。

 実際に目にすると、なるほど、絵日記帳に描かれてるイラストとほぼ同じ姿形ね。

 なでると病気平癒や開運、飛翔などの願い事が叶う、かぁ……ここは念入りになでなで、っと。

 前から横から斜めから眺めてると、後ろから声を掛けられたの。

 「あら、貴女は……ようこそお参りくださいました。 この前はお互いに大変でしたね」

 「あ、月美さん、こんにちは。 はい、大変な事に巻き込まれて……あの時、二人ともよく知った人だって言ってましたね」

 「ええ。 あそこで今回亡くなったのは巌さんで、十数年前まで住んでたのは明美……彼女は中学生の頃からの大切な親友だったの。 ここにある私の家に遊びに来てくれたし、逆にあの家にも遊びに行ったし……。 学校で孤独だった私に、いつも仲良く寄り添ってくれたの」

 「大切な親友……そんな人が命を絶ってしまった……当時の月美さんのご心痛、測り知れないものだったとお察しします」

 「ええ、それはもう……。 巌さんとの間に子宝を授かれなかった。 それが元で別れを切り出されたと相談された時も、決して後ろを向かなかった……私の目にはそう映ってたのに」

 他人の心の奥底を読む事なんて、そう簡単には出来ないものね。

 「今回の件もご心痛、心からお察しします。 どうか、月美さんの心が一日も早く晴れますように」

 私は撫でウサギの前で、両手を組んで祈ったの。

 ご利益からは外れてるかもしれないんだけどね。

 「ありがとう、私の為に御神使さまに祈ってくれて。 ところで貴女、さっきから随分と熱心に御神使さまを眺めてたけど、そんなに興味があるの?」

 「あ、あの……この石像に姿形がそっくりな、1メートルくらいあるぬいぐるみって存在するのかな、って……」

 私、意味深に呟いた訳じゃないのに、 「えっ?! 貴女、そんな話、何処で聞いたの? 私と明美しか知らないはずなのよ、それ」 って、月美さんが凄い反応をしたから、逆にびっくりさせられちゃって。

 何何?! それって、ホントに存在するって事?

 でも弱ったなぁ……これ以上有力な情報をゲットできてないのに、どうやって話を繋げればいいの?

 月美さんと明美さんは親友同士で、その二人しか知らないのよね。

 そして、巌さんは二人に繋がってる人……その線でいってみるしかないか……。

 「あ、あーーっ……この前、画家のおじさんがボソッと言ってた、かなーー」

 知恵を巡らせた末に、口から吐いた言葉……でも、月美さんからの返答は意外なものだったの。

 「巌さんが? そう……なるほどね。 あの家で暮らしてたんですもの、知ってるのが自然よね。 分かったわ、貴女の言う事、信じるわ」

 ふぅ~~、何とか首の皮一枚繋がったわね。

 「そのぬいぐるみなら、今もあの家の中にあるわ。 私が中学生の頃、何ヶ月も掛けて、大切な親友の為に、この御神使さまをオマージュして作り上げたもので、いつも私の側に寄り添ってくれた感謝の気持ちを込めて、誕生日にプレゼントしたの。 今でも大喜びした顔が脳裏に浮かぶわ。 ウサギには目が無かったからね~」

 「そんな事があったんですね。 二人の思い出が詰まった、大切な大切なぬいぐるみなんですね」

 「ええ。 そうね、これも縁だわ。 一度、貴女に実物を見せてあげましょう。 明後日の土曜日はご都合、どうですか?」

 「土曜日なら授業が半日で終わります。 予定もありませんし、夕方なら大丈夫です」

 「夕方ね、私もそれなら時間が取れるわ。 じゃぁ、あの家の前で待ってるわね」

 何だか不思議な方向に話が進んじゃったけど、これでいいのかな。

☆今回気を付けた点☆

今回登場させた甘味処、実はモデルにした店があるんですよ。

猫で有名な町にあります。

以前、火雷のテストの成績に触れた事がありましたが、今回は運動能力に触れました。

どちらも非凡である事を提示する為です。

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