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あのコの一番そばで、私、輝くっ!  作者: そるみ
第4章 もうあのコには追い付けない……

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27 私の過去、現在、未来……タロット占い

いつも読んでいただき、感謝です。

 カフェを出て、商店街を抜けて、石畳の路地を歩く。

 「懐かしいね~~、ただいま~~、私たちの青春のステージ」

 あはは、おばさん、ドラマのセリフっぽい事、言ってるよ。

 で、ママも、 「そうだね~~、アオハルな想い出が色々あるよね、ここには」 なーんて返してる。

 私にも、ひむちゃんとそんな風に少女時代を思い返せる日が来るのかなぁ。

 この通りには両脇に小さなお店がポツポツあって、JKの好物、食べ歩きの誘惑も凄いの……あはは。

 「今はお腹一杯だから、さすがに食べ歩きはね。 逆に由美子の家まで頑張って歩いて、腹ごなししなくちゃ」

 いやいや、それ以前に、イイ大人は食べ歩き、ダメです!!


 しばらく歩くと、私が通う高校が見えてきたの。

 「私たちと同じ高校に、ひいかが通ってるなんて、じわ~~ってくるよね~~」

 「そうね~~。 時が経つのって、ホント、早いわぁ~~」

 だめだめ、そういう話をしてたら、老けちゃうんだから。

 ママとおばさんの青春の舞台で、今、私が生きてる……私にも子供が出来て、同じように感じる日が来るのかなぁ、何時か。


 ここを過ぎれば、家までは毎日ひむちゃんと歩いてる通学路。

 ママと、おばさん親子でこの道を歩くのって、何だか新鮮だなぁ。

 丘を吹き抜ける風は、6月に入ってもまだカラッとしてて気持ちいい。

 その風に背中を押されるように歩くうちに、私の家に到着~~。

 「いらっしゃい、夏美、海愛ちゃん。 どうぞ中に入って」


 「久し振りねぇ~~、由美子の家にお邪魔するの。 何時以来かなぁ」

 「そうねぇ……ひいかを産んだ後ぐらいだったかな、前は。 そのひいかがこれだから、随分経ったよねぇ。 あの時、夏見がガラガラをプレゼントしてくれたよね。 あれ、ひいかが凄く気に入っちゃって、ず~~っと遊んでた。 懐かしいわぁ」

 あはは、そんなガラガララブな時代もあったのね、私。

 「そうなの~~、気に入ってくれたんだね、あれ! トゥインクルな双子星のキャラクターものだったね。 遠い町まで買いに行ったのを今でも覚えてるわ」

 「でもあれ、何処にやったのかなぁ……」

 ん? そんなに気に入ってたんなら、きっと何処かに大切にしまい込んでるんじゃないかな。

 「あ、ごめんごめん、ついつい思い出話に……。 海愛にひいかちゃん、私は由美子とここで大事な話をするから、その間、ちょっと時間を潰しててくれない?」

 また用事かぁ……色々と大変なのね……。 じゃぁ、私たちは……。

 「海愛姉、私の部屋にご招待しますね」


 私の部屋に入るなり、海愛姉、ぐるりと見渡して、 「これが今時のJKの部屋かぁ。 本棚、漫画で埋め尽くされてるけど、勉強、やってるのぉ?」 なーんて言うのよ。

 今時のって、私とそんなに歳、変わんないじゃない! もう。

 「勉強やってるのって……大人になった途端、みんなそう言うんだから! 意地悪~~っ!!」

 「あはは、冗談だよ、冗談。 私だって他人の事、絶対言えないや」

 「ま、勉強はそれなりですよ。 全科目が美術だったら最高なんですけど……」

 「それ言っちゃったら、私だって、全教科が家庭科だったら無敵だったんだけどね、あはは」

 こういう意味のない会話を楽しめるのがJKだって思うの、私。

 「ところで、あそこにかかってる似顔絵、ひいかが描いたのじゃなさそうね」

 海愛姉の視線の先には、ひむちゃんからプレゼントされた色紙が。 

 「違いますよ~~。 ひいかの似顔絵をひいかが描いて部屋に飾ってたら、ナルじゃないですかぁ~~。 これはこの前の誕生日に親友のコがプレゼントしてくれた、ひいかの宝物なんですよ」

 「なるほどね~~、額に入れて飾ってるくらいだから、思い入れのあるものだと思ったよ。 こういうのって、上手い下手じゃないんだよねぇ」

 「そう、ひいか、心を揺さぶられたんですよ。 苦手なはずのお絵描きでプレゼントを作るなんて、って」

 「気持ちがこもってる……凄く大切に思ってくれる親友がいて、JK生活、充実してるじゃない」

 「うん。 そうなんですけど、心からそうだとは言い切れなくて、最近……」

 「あれっ?! もしかして、悩み事があるのかなぁ~~? JKらしいねぇ。 私で良かったら相談に乗ってあげるけど?」

 海愛姉、言葉尻は冗談っぽく言ってるけど、ちょっと表情が引き締まったような。

 「うん……そのコとは上手く行ってるんです。 ただ、ちょっと最近、そのコに色々とあって……何とかしてあげたいんですけど、どうにも出来なくて……」

 「その話し振りからすると、詳しくは話せないけど、その子の力になれずにモヤモヤしてる、って訳ね」

 「ごめんなさい、海愛姉……楽しいJKライフを話すはずが……」

 「いえいえ、そういう時は、姉さんにドーーンと任せなさーーい!」

 そう言うと海愛姉は、セカンドバックを開けてゴソゴソいじりだしたの。

 「じゃーーん!! 当たるかどうかは保証できないけど、この子に聞いてみるとしましょう!!」

 そう言って取り出したのは……ん? タロットカード??

 「うわぁ~~、海愛姉、タロット占い、出来るんですか?!」

 「あはは、本格的じゃないんだけどね。 ま、趣味ってところかな?」

 そう言いながら、紫色の、四隅に金色の小さな星が刺繍された高級そうな布を、私の目の前に敷いたの。

 「これはクロスって言うのよ。 ベルベットで出来てるの。 で、これがタロットカード」

 海愛姉の手よりちょっと大きな木の箱から、両手を使って丁寧にカードを取り出してる……まるで、割れ物を扱うみたいに。

 「思わず見入ってしまいました……凄く、神聖な感じですね」

 取り出されたカードは一度、胸の前で丁寧に束を整えられ、それから、クロスの真ん中に静かに置かれる……凄くゆったりした動き。

 「じゃあ、三枚引きで占ってみましょうか」

 「三枚引き?」

 「そう。 複雑な占いが正義、って事はないからね。 簡単なのが好みなの。 だから私は逆位置は見ないしね。 カードが逆さまに出ても、正位置として扱うわ」

 何を言ってるのかよく分かんないけど、シンプルに占うよ、って事ね。

 ま、その方が私も気軽に聴けそうだからいいかな。

 「ではまず……ひいかは右利きよね?」

 利き腕も関係するの? どんどん海愛姉ワールドに引き込まれていく感じがするよ。

 「あ、はい。 右利きです」

 「じゃぁ、左手でそこのカードを切って、それを大雑把に三つの束に分けてみてね。 利き手じゃない手の方が良いの」

 言われた通りにしてみる。

 「こんな感じ、ですか?」

 海愛姉は、 「うん、それでいいわ」 って言うと、静かに三つの山をまた一つに重ね合わせて、呼吸を整えてる。

 「始めるわよ。 まずは過去からね。 一番上から一枚取ってみて」

 言われるままにめくってみる……ドキドキ。

 「19番、太陽……あはは、このカード、好きなんだよねぇ、私。 これは分かりやすいわ。 ひいかは明るい子。 周りにも恵まれてここまで来た、って訳ね」

 「あはは、そっかぁ。 今までのひいかをダメ出しされなくて、ホッとしたよ~~」

 「自分じゃ気付いてないかもしれないけど、ひいかには人を笑顔にする強い魅力があるみたい。 小さい頃から人との縁に恵まれてるし、幸せな過去だったって示してくれてるわ」

 心なしか海愛姉、微笑んでくれてるような。

 「で、次は現在ね。 また一番上から一枚取ってみて」

 念を込めて二枚目を、エイッ!!

 「18番、月……なるほど……このカードね」

 海愛姉の声のトーンがちょっとダウンしたのが不安で、 「えっ?! あまり良くないんですか? 今のカード」 って、思わず私、尋ねてた。

 「うーーん……ひいかは今、何か悩んでたりするよね。 さっきもそんな話、してたし。 そうねぇ……今はちょっと苦しそうだね。 何だろう……見えないものを追いかけてる、みたいな……まるで霧の中を歩いてる、みたいな」

 えっ?! 見えないものを追いかけてる? ちょっとドキッとしたよ。

 「うん、何となく……そんな感覚もあります、今は」

 「なるほどね……じゃぁ、最後は未来ね。 また一番上から一枚取ってみて」

 何だか引くの、怖くなってきた……でも、覚悟を決めて、エイッ!!

 「10番、運命の輪?!  ここでこれが出るなんて。 太陽、月って来て、この流れ……これはどう解釈しようか……」

 超不安になるから、そんな反応、止めて~~。

 「どうしたんですか? 海愛姉」

 「過去から現在の流れは凄く綺麗に読めたんだけど……未来は……そうねぇ、大きく流れが変わるみたいね」

 「流れが……大きく変わる……」

 「大げさに言えば、人生の転機ってところかな。 環境も、人間関係も。 それが良い方向なのか、悪い方向なのかまでは分からないけど、もう今までの毎日には戻れない、ぐらいの」

 「人生の転機……もう戻れない……ひいか、ちょっと怖くなってきました」

 「そんなに恐れる事はないわ。 タロットって未来を決めちゃうものじゃない……ひいかの今の立ち位置を教えてくれる……あくまで流れを見るものだから、ね」

 何だか凄く肩に力が入っちゃったけど、何だろう、客観的にアドバイスをもらって、少し肩の荷が下りた感じもしたの。

 「ありがとう、海愛姉。 参考になりました」

 「それそれ。 そのくらいの受け止め方でいいの。 どんな未来も、心の持ちようで変えていけるんだからね」

 そうこうしてると、下のフロアからガランガランって音が聞こえてきたの。

 何だか、懐かしい感じのする、優しい音色……。

 「ん? もしかして、ママたちの大切な話が終わったのかな? そろそろ降りても良さそうだね」

 「はい、海愛姉。 下に降りましょ」

本編では描かれてない、このスピンオフオリジナルのエピソードを構築しました。


☆今回気を付けた点☆

タロット占いのシーンは、だいぶ苦心して仕上げました。

詳しい方からは、それは違うぞ! って言う指摘を受けそうですが……。

このカードの組み合わせならこういう解釈もあるぞ、って言うのがあれば、ド素人の私に是非教えてください。

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― 新着の感想 ―
タロットは大アルカナだけで引いた感じですか? その三枚なら、上手く読み解いていると思いますよ
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