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あのコの一番そばで、私、輝くっ!  作者: そるみ
第3章 少しずつ離されていく……あのコとの距離感

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25 あのコへの思い、色紙に込めて

いつも読んでいただき、感謝です。

 その夜、すっかり片付けられたテーブルの上に突っ伏してウトウトしてたら電話が……ママが出たの。

 「もしもし……あら~~、夏美じゃな~~い! どうしたの? こんな時間に」

 夏美おばさん……ママのお兄さんの奥さんなんだけど、ママとは子供の頃の同級生だから、お義姉ねえさんって言ってもタメ口なんだよね。

 盗み聞きは良くないから、私の部屋に引っ込みましょ……お昼にお腹一杯食べたし、朝は動き回ったから、丁度眠いしね。


 一時間くらい経ったのかな……夢なのかな、現実なのかな……ママが私を呼ぶ声が聞こえたの。

 「ひいか~~、海愛みあちゃんが代わってって!」

 あ、現実だった、あはは。

 ベッドから飛び上がり、階段を駆け下りて、電話口に。

 「もしもし、ひいかです。 ふあ~~ぁ。 海愛姉みあねえ、お久し振りです」

 「ふあ~~ぁって……ひいか、さては寝起きだな、もう。 ま、相も変わらず元気そうで、安心はしたけど」

 「ごめんなさい……今日はひいかの誕生日で、家でお誕生日会をしたんです。 ママの手料理をお腹がはち切れるほど食べて、眠くなっちゃって……」

 「あら! 誕生日だったんだ!! おめでとう!! 確か……16歳、だよね」

 今、頭の中で計算したよね?

 海愛姉と私の年の差は5歳……計算、簡単なはずなんだけどな。

 「ピンポーン! ところで、おばさんからこんな時間に電話が掛かってくるなんて珍しいな、って」

 「うん。 最初はママ同士で話し合ってたんだけど、この土曜日、そっちに用事があるみたいで……私も一緒に付いていく事になったの。 ま、私はただのついで、だけどね」

 「海愛姉、こっちに来るんですか? わぁ~~、楽しみ~~」

 「折角の機会だし、ひいかのJK奮闘記でも聞かせてよ」

 「奮闘記ってほどでもないんですけど……はい! 土曜日ですね!!」


 明くる日の夜、夕御飯を食べると自分の部屋に戻り、ひむちゃんの誕生日に何をプレゼントするか考えてみたの。

 ひむちゃんは、二人のツーショットのイラスト色紙を私にプレゼントしてくれた。

 苦手だった事に敢えて挑戦しての、手作りプレゼント……そういうのって、凄く気持ちが籠ってて、グッと来るよね。

 逆をしようとしたら……ひむちゃんが得意で、私が苦手な事って……自作小説?!

 いやいや、さすがにひむちゃんの誕生日、3日後なんだから、とても無茶だよ。

 そんなに時間が無いってなると、私も似顔絵、って事になるかなぁ……。

 でも何か、一捻り……工夫が欲しいよね……あっ、そうだ! 超短いの、あったよ! 短歌だ!!


 翌日の放課後、ひむちゃんには 「用事があるの」 って言って先に帰ってもらい、私は文房具店へ。

 今日のターゲットは、ひむちゃんから貰った色紙を飾るための額と、お返しのイラストを描く色紙、それと、可愛い包み紙。

 売場を探してると、ふと、視線の端っこ、ファンシーグッズ売場に知った顔を発見!

 こっそり近付いて、 「わっ!」 って驚かせても良いんだけど、そこまで仲良しって訳でもないし……普通に声、掛けてみよっかな。

 「祐子ちゃん、やっほー」

 あはは、目を丸くしてるよ……私が文房具店にいるのが意外、って思ってたりする?

 「わぁ~~ひいかちゃん、こんちはー。 奇遇だね、ここで、なんて」

 ほら、やっぱり。 祐子ちゃん、今日は何目当てなのかな……。

 「ひいかちゃんって、小物、買ったりするの?」

 「あ、ひいかはたまに、かな。 トゥインクルな双子星の可愛いのがあっ……」

 「わぁ~~、分かるよ~~、可愛いもんね~~! 私は黄色いくまハンターだから、今日のターゲットはこれっ!」

 あはは、被せてきた。 こういう話、大好物なんだよね~~、祐子ちゃん。

 指差す先を見てみると……ああ~~、一番くじかぁ。

 まだA賞とC賞が残ってるね……ラストワン賞はまだまだっぽい。

 なかなか引きそうにないんだけど……気でも溜めてるの?

 「まだ引いてないの?」

 「それが凄~~く迷ってるの。 勝負するのか、しないのか……もう、30分は考えてるかな」

 「もしかしてくじ、まだ買ってないの? あはは……A賞があるんだったら、ひいかなら狙うかなぁ」

 適当な事を言って、私はその場から離れ、自分のターゲットを無事ゲットして、店を後にしたの。

 あの調子だったら、あの後もずっと考え続けそうだもん……そこまでは付き合ってあげられないよ。


 で、その夜、まずはひむちゃんプレゼンツの色紙を額に入れて、勉強机の横に飾り付けてみたの。

 やっぱ、椅子に座った時に、目線と同じ高さのとこがいいよね~~。

 二人とも真正面を向いて、にっこり笑ってる……色使いも影の付け方もまだまだで、背景はほとんど無地で、色鉛筆でボカシを入れて埋めてる……まだまだ初心者って感じの構図なんだけど、色使いが凄くソフトで……そうだなぁ、まるでお婆ちゃん二人が寄り添ってるような、ほのぼのした雰囲気が滲み出てるのよね。


 しばらく眺めて心を和ませてもらってから、ひむちゃんへのお返しイラスト作りに取り掛かったの。

 私の構図は……背の高いひむちゃんが左で、私が右。

 二人の腕を恋人繋ぎで結んで、その手を下端の真ん中辺りに配置。

 お互いの空いた腕は、それぞれの額の辺りでピース……あっ、もちろん、手の平側が見えるように。

 二人の視線は正面ほんのちょっと斜め前で、遠くで結ばれるように。

 顔は口よりも目から笑ってる、柔らかい笑顔、っと……ま、こんなとこかな。

 で、隅に短歌を……入れたいワードは、ひむちゃん、ひいかは絶対だし、仲良し、幸せってのも入れたい……あれっ?! これだけで……もう16文字っ?! 半分も使っちゃうの~~!!

 短歌って文字数、少な過ぎだよ~~。

 3時間くらい知恵を絞りまくったけど……素人丸出しって感じの短歌しか思い付けなかった。

 ま、大事なのは中身より気持ち、って事で許して~~。


 いよいよ、ひむちゃんの誕生日当日。

 やっぱ、渡すなら朝一番に限るよね! って事で、家から手に持って出てきたの。

 トゥインクルな双子星で埋め尽くされた包み紙と、青い縞々のリボンでラッピングしてみたんだけど……。

 「おはよう、ひいちゃん……って、それって、もしかして?!」

 「おはよ~~。 ひむちゃん、誕生日おめでと~~! そう、お返しのプレゼント、ひいかも今の精一杯をぶつけてみたよ。 記念に受け取ってね」

 ひむちゃんが包み紙を開ける……わぁ~~、ドキドキする~~っ!!

 「わぁ~~、ありがとう! 凄~~い! 私のと同じ、ツーショットのイラストなのに……溢れるほどの仲の良さ。 でも、視線は力強く未来を見つめてるって感じ? なのかな……やっぱ、絵のセンスが私とはレベルが違い過ぎるよ~~。 私も勉強部屋にこれ、絶対飾っちゃうからね」

 そう言った後、ひむちゃん、数十秒くらい無言になったの。

 もしかすると、あの短歌をじっくり味わってる?! わぁ~~、顔から火が出そう~~!


 ひむちゃんと ずっと仲良し それだけで ひいかはずっと 幸せだから


 「短歌って作った事無くて……ひいかも苦手にチャレンジしてみたの。 変だったら笑ってね、あはは」

 ひむちゃんはどう感じてくれるかな。

 すると、ポロっと一言、 「……ひいちゃんらしいなぁ」 って……変過ぎて、声のトーンも下がっちゃったのかな??

 「やっぱ、ダメ、だったかな……」

 「ううん、違うの。 上手いとか下手とか、そういうのじゃなくて……ありのままの、背伸びしてないひいちゃん、そのままだなって」

 あっ! それって、私がひむちゃんのイラストを見て思った事と同じ……私の気持ち、伝わった!!

 「うん!! ひいかの今の精一杯、ずっとずーっと、大切にしてね!!」 

本編の第38話をベースに書き上げました。


☆今回気を付けた点☆

祐子イベント、本筋に絡まない、無意味なエピソードに思えますよね。

これは、祐子とひむかとの相性と、祐子とひいかとの相性との[差」を表現するために入れたものです。

仲の良さの差も織り込んでいくと、人間関係の相関図に深みが出るかな、って思って。

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