表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あのコの一番そばで、私、輝くっ!  作者: そるみ
第3章 少しずつ離されていく……あのコとの距離感

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
19/42

19 あのコと私の誕生日、もうすぐだぁ

いつも読んでいただき、感謝です。

 その夜、家に帰ると私、そのまま私の部屋に閉じ籠ったの。

 ママは、どうしたの? って顔、してたかもだけど……呼び止めはしなかった……ごめんなさい。

 ひむちゃんの家では気持ちが高ぶってたけど、この静かな部屋に独りでいると、その反動なのか、気持ちが沈んできて……謎を解いちゃったがために、逆にあの出来事を受け入れられなくなっちゃって……。

 最初にほつきさん、それから、ウサギのぬいぐるみ、カヌー、山……そこまでは、ひむちゃんの妄想が見せてるだけなんだ、って無理くりでも思えた。

 へぇ~~、そういうものなんだ~~って、聴けてた。

 でも、ひむちゃん自身が消えちゃうなんて……逃げ道、無いじゃない!!

 現実から目を背けられなくなるじゃない!!

 私、ほつきさんが黒幕なんじゃないか、って思い始めてるの。

 だって、ひむちゃんがほつきさんを見付けてからだもん、後から後からひむちゃんにしか見えないものが増えていったのって。

 だとすると、ひむちゃんに変なものを見せてるのも、ほつきさんじゃないの?

 意思を持ってるし、言葉も理解してる……ひむちゃんを操って、何をさせようとしてるの、って。

 正直言うと、ほつきさんが憎い。

 ひむちゃんがほつきさんを見付ける前に時間を戻せるんだったら戻したいし、ほつきさんを消してしまえるんだったら、消し去ってしまいたいよ。

 でも……私にはどうにも出来ない……ただひむちゃんの話を近くで聴く事しか……。


 翌日、学校での昼休憩時間。

 お弁当を食べ終わったタイミングで、朝子ちゃんに背中をちょんちょんされたの。

 「ねぇねぇー、ひいかちゃん、冴先生が呼んでるよー。 職員室に来て欲しいってー」

 ギクッ! 私、何か悪い事、しちゃったかなぁ……。


 職員室に入ると、冴先生の手招きで、個室に通されたの……ドキドキするよぉ。

 「ひいかさん、突然呼び出してごめんなさい。 実は、ひむかさんについて尋ねたい事があって……本人には訊きにくい事なのです」

 「あ……ひいかの事じゃなかったんですね……でも、ひいかに分かる事なんですか?」

 「いえ、分からないならそれでもいいのです。 誰からとは言えないのですが、最近、ひむかさんがおかしな行動をしてるのを見た、っていう報告があって……」

 ドキッ! 本人じゃないのに何だろう、心がざわざわするよ。

 「ひむちゃんがおかしな行動、ですか?!」

 「ええ。 何でも、色んなものをベタベタ触って歩いてる、って言うの。 ひいかさんは何か心当たり、ありますか?」

 確かにそんな事してたら目につくよ……ひむちゃん、何をしようとしてるんだろう……。

 「いえ……ひいか、今、初めて聞きました。 そんな動きにも気付きませんでした」

 「そう……ありがとう。 今、ひいかさんに尋ねた事は、本人には黙っておいてほしいの。 気付いている人は他にいないみたいだから、この件はそっとしておきたいの」

 「はい、ひいかも心に留めておきます」


 次の日の夜、食事してるとママが、 「ひいか、どう? 体調は……一昨日、家に帰ってきてから、何だか元気がないみたいだけど……」 って……図星だよそれ、あはは。

 「うん……ひいか、ちょっと思い悩む事があって……」

 「悩み事なのね? それ、私が力になれない事、かな……」

 「ママ……心配掛けちゃってごめんなさい……ひいかにはママがいるのにね。 実は……」

 どこまで話したものかな……超常現象に関わる事は伏せたままの方が良いとは思うけど……。

 「上手く言えないんだけど……最近、ひむちゃんが離れていってる感じがするの。 同じ場所にいても、見えてるものが同じじゃないっていうのか……」

 ママは私のアバウトな言葉を計り兼ねてるみたいで、 「随分難しい事、言うわね……うーーん……それは、近くにいるのに遠くに感じる、って事を言ってるの?」

 「まぁ、そういうところかな。 お喋りとか、登下校とかは普段通りだし、喧嘩とか絶縁とか、そういうのはしてないんだけど……」

 さすがに、はぐらかし過ぎてるかな。

 「?? ひいかの言いたい事、今一つ分からないわ。 でも私、一つ良い案、思い付いたの」

 「えっ?! 良い案って何?」

 「ひいか、誕生日、もうすぐよね。 来週の日曜日でしょ? その日、ひむかちゃんを家に誘って、お誕生日会を開いたらどうかな、って」

 「あっ! ホントだ!! 思い付かなかったよ、ひいかの誕生日。 ママ、凄く良いアイデアだよ、それ!! でも、ママは良いの? ひいかたちに付き合ってくれるの??」

 「もちろんよ。 私、腕によりをかけて、二人のためにお料理を準備するわ。 そう言えば、ひむかちゃんの誕生日も近いんじゃない? なら二人一緒に誕生日を祝う、っていうのはどう?」

 「ひむちゃんの誕生日って、ひいかの4日後だもんね! ママ、ありがとう~~、ひいか史上、最高の誕生日になりそう!!」

 トントン拍子にワクワクする話が進んで、心のもやもやが吹き飛んだ感じだよ。

 先月、双子ちゃんのお誕生日会の時、私もこんな風に誰かに祝ってもらえるといいなぁ~~、なんて思ったけど、ホントに実現するなんて、夢みたい。

 「ひむかちゃんたちにはお世話になりっ放しだから、やっと恩返しができそうだわ。 張り切り甲斐があるわね!!」

 あはは、ママ、凄く気合い入ってるよ。

 「そうそう! 出来立てを食べてもらいたいから、お誕生日会、お昼過ぎにスタートでいい?」

 「そうだね!! それならひいか、午前中は別の計画を立ててみるよ」


 翌日、学校でひむちゃんに早速声を掛けてみたの。

 「ひむちゃん、私たちの誕生日、来週だよね。 ひいかが日曜日で、ひむちゃんが木曜日」

 するとひむちゃん、 「そっかぁ! もうすぐだね、今年の誕生日!!」 って、パッと表情が明るくなって……やっぱ特別な日だよね、誕生日って。

 ここで、ママのアイデアをぶつけてみよう。

 「最近、ひむちゃんの家にばっかお邪魔してるから、今度はひいかの家で二人のお誕生日会、っていうのはどうかな」

 反応はどうかな……。

 「ひいちゃんの家、招待してくれるの? そりゃ、嬉しいよ~~。 行くの、初めてだよ、私」

 よしっ! 乗り気になってくれた!!

 「そう! この歳になるまで、一回もひいかの家に招待した事、なかったよね。 ママもひむちゃんが来るの、楽しみにしてて、腕によりをかけてお料理を準備してくれるって」

 「おばさまに初めて会う事になるから、私、緊張しちゃうなぁ。 お料理、喉を通るかなぁ……」

 「ひいかもひむちゃんのおばさまに初めて会った時、緊張したもん。 それはお互い様だよ、なんてね、あはは。 ママ、出来立てを食べてもらいたいから、お誕生日会はお昼過ぎにスタートして欲しいんだって」

 「そっかぁ、お料理は美味しいうちに、って事だね! 分かったよ、じゃぁ、お昼に集合、って事になるのかな?」

 「それなんだけど……その前に行きたい所があるんだ~~。 この前、一緒にお出掛けしたばっかだから、さすがにまたって嫌かなぁ……」

 「ううん、私は全然平気! 毎週でも大歓迎だよ!! でも一体、何処に行きたいの?」

 「うん……」

 昨日、ママと打ち合わせした後、ずっと私、考えてたの……結局、思い付いたのはここ。

 「この前行ったばっかだけど、月宮神社に」

 「お誕生日に神社にお参り、かぁ。 私、いいアイデアだと思う!」

 もしかしたらひむちゃん、別の所にしない? って言うんじゃないかって……乗ってもらえる自信が無かったけど……付き合ってくれるんだね。

 「ホントに? 嬉しいよ~~。 ひいか、やっておきたい事があって」

 「やっておきたい事? あはは、何だか意気込みを感じるなぁ。 うん、分かった! 行こ! お誕生日会の件と合わせて、お母さんに相談してみるよ」

 やっておきたい事……言葉を濁したからひむちゃん、ズレて受け止めたけど、私の為じゃなくて、ひむちゃんの為に、なんだよ。

 「いいの? ひいかのわがままばっかだけど……付き合ってくれて嬉しい! ありがとう、ひむちゃん!」

 よしっ! 今度も、しっかり計画を練らなくちゃね!!

本編の第34話をベースに書き上げました。


☆今回気を付けた点☆

ひいかが職員室に呼ばれてる間、ひむかはきゆりと歩き方について話し合ってます。

本編で、ひむかの側にひいかが居合わせて無い時に、どういうエピソードを割り当てるか……スピンオフを書き上げていく上で、凄く頭を使います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ