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あのコの一番そばで、私、輝くっ!  作者: そるみ
第2章 あのコに忍び寄る超常現象

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11 あのコのための[超常現象解明サークル]、爆誕!

いつも読んでいただき、感謝です。

 「で、次は、同じ要領で、ウサギのぬいぐるみのページも作ってくよ」

 今後の予行演習もしたいから、今回はひむちゃん独りでスケッチしてもらおう。

 私がひむちゃんの側にいつもいられるとは限らないもんね。

 ひむちゃんは、付いてこないの? みたいな顔しながら、おばさまの書斎に入っていったけど、それから暫くして、 「さっきのほつきより、この子の方がずっと難しいよぉ……」 なーんてぼやく声、こっちまで聞こえてきたんだよ? 大丈夫かなぁ。

 悪戦苦闘したみたいね……少し疲れた顔で、ひむちゃんがリビングに戻ってきた。

 「で、説明は……」 ひむちゃんがシャカシャカ書いていくのを、私は横で黙って眺める。


 ・お母さんの書斎の片隅に置かれてて、動かない。

 ・全体的に白くて、眼は赤くて、1メートルくらいある。

 ・後足で立ち、前足をひょいと前に突き出してる。

 ・手作り感があるような?


 「こんなところかな」

 ひむちゃんから絵日記帳を受け取ると、今度は私の番ね。

 大まかに想像を膨らませてみよう。

 ま、ぬいぐるみって言ってるんだから、当然動かないよね。

 結構大きいよ? 1メートルって……ホントに手作りだったら、どんだけ頑張ったんだろう……。

 そんな事を考えながら、十数分……。

 ほつきさんの時は色んな注文を付けてきたのに、今回はひむちゃん、黙って見守ってる……性も根も尽きたって感じ?

 イラストを完成させると、ひむちゃんに見せたの。

 「よしっ! こんなところだよね、ひむちゃん!!」

 すると、横から眺めてたおばさまの方が大きなリアクションを見せたから、びっくり!

 「ちょっと待って! そのウサギの姿形、何処かで見たような気がする!」

 よく考えたら、おばさまの書斎で見えるものなんだから、おばさまが閃くの、おかしくはないんだけど……絵日記効果、早速出たよ! よしっ!!

 「えっ?! お母さん、心当たりがあるの?」

 「うーーん……何処だったかなぁ……あっ! これ、神社にある”撫でウサギ”にそっくり!」

 ポン! おばさまが手を打つ音がリビングに響いた。

 「神社の、撫でウサギ?」 って、ひむちゃんが尋ねると、 「そうそう。 月宮神社にあるウサギの石像。 本殿のすぐ奥にあるの」 だって。

 神社かぁ……私には全然縁が無い場所だなぁ~~。

 「お母さん、凄ーーい! ひいちゃん、この絵日記帳、もう威力を発揮してるよ」

 「ひいかのアイデアがこんなに早く役に立つなんて……びっくりだよ」

 ひむちゃんが私のアイデアを褒めてくれた! よしっ! 心の中で、ガッツポーズっ!!

 「月宮神社はお母さん、よく知ってるから、今度、連れてってあげるよ」

 「ほんと? 何か発見がありそうで楽しみ!!」

 ひむちゃんとおばさまとの間で、とんとん拍子に話が……ちょっと待って~~、私を置いてかないで~~!!

 「あっ、それ、ひいかも一緒に連れて行ってくれませんか?」

 私は慌てて、必死に食い下がったの。

 「もちろん! おばさん、サークル活動に協力できてホッとしてるよ」

 良かったぁ~~。 おばさま、案内まで買って出てくれるなんて、指導者の鏡だよ~~。

 って、あれっ?!

 おばさまから許可を貰ってないよ、まだ……このサークルの指導者になってくれるかどうか。

 「あっ、その……サークルの指導者の件、なんですけど……」

 すると、 「今、ひいかちゃんが活動する姿を実際に見て、ひむかの事、心から思ってくれてるんだなって。 私こそ感謝してるよ。 もちろん、喜んで協力するよ」 って、おばさま、右腕を差し出しながらオッケーしてくれたの!!

 「わぁーー、受けてくれてありがとうございます! よろしくお願いします!」

 これで、今日のミッション、コンプリートだよ~~!!

 おばさまの手を両手で包んで、頭をグワッと下げたの。 感謝!!

 で、ひむちゃんに向き直って、 「あっ、ひむちゃんはこのサークル、強制参加だからね、主役なんだから」 って念押しも忘れずに、っと。

 もう、逃げちゃダメだからね!

 「あはは。 分かったよ、ひいちゃん。 私の為にそこまで一生懸命に付き合ってくれて、ありがとう」

 私たち三人、ひむちゃんに降りかかろうとしてる謎現象に立ち向かっていくんだから!

 ひむちゃんのそばに居たい……そのために私が出来る事、もっとあるはずだよね。


 外はすっかり真っ暗。

 「すっかり遅くなってしまって……長い時間、話を聞いてくださって、ありがとうございました」

 「いえいえ、こちらこそ、ひむかの力になってくれて、ありがとう」

 「お邪魔しました。 おやすみ、おばさま、ひむちゃん」

 「おやすみ、ひいかちゃん」 「おやすみ、ひいちゃん」

 サークルの立ち上げを成功させた充実感に浸りながら、ひむちゃんの家を後にすると、私、自然とスキップしてたの。

 手に持った懐中電灯の明かりが、動きに合わせてゆーらゆらと……私の前を明るく照らしてくれて。

 

 翌日、席でボーっとしてたら、ひむちゃんに肩をトントンってされたの。

 「ん? どうしたの、ひむちゃん?」 

 「ひいちゃん、私、もう少し絵心を……って思って。 何か、コミックを貸してほしいな。 それを真似して絵の練習をしてみようかなって」

 わぁ~~、そう来たかぁ~~。

 ほつきさんにしても、ウサギのぬいぐるみにしても、あの絵心だったから……やっぱ、ずっと絵日記帳に形として残るの、抵抗があるのかなぁ。

 「あはは。 ごめん、昨日”画伯レベル”だって言ったのが刺さっちゃったかな。 でも、絵を描くのが上達したら、もっと活動が充実するし……分かった、一冊、選んで明日持ってくるよ。 練習用だったら、シンプルな絵のがいいね」


 その夜、私の部屋の本棚を眺めてみると、改めて漫画ばっかだな、って気付いて、苦笑い。

 ひむちゃんの本棚のアカデミックさには、到底叶わないや。

 ま、それは置いといて……そうだなぁ……絵心を磨くには、やっぱ、子供向けのシンプルなのがいいのよね。

 って言うと……これ、”トゥインクルな双子星”なんか良さそうね。

 本選びを済ませると、ふと、私が絵画サークルで描いてきたスケッチブックが目に留まって……そう言えばひむちゃん、本棚に自作小説のノートを立ててたけど、私も本棚にスケッチブック、立ててたよ。

 こんなところにも共通点が見付かるなんて、嬉しいな。


 土曜日。

 授業の合間に、ひむちゃんに声を掛けられたの。

 「ひいちゃん、明日、朝から時間ある? この前お母さんが言ってた、月宮神社に行けたらな、って思って」

 明日って、思ってたより急展開!!

 積極的にサークル活動に協力してくれるおばさまに感謝、だよ。

 手帳をめくるまでもなく、明日は予定、何もないし。

 「明日? うん、大丈夫だよ。 けど、ママに相談しないといけないから、返事はちょっと待ってて。 いいよって言ってもらえたら、電話で連絡するよ。 それでもいいかな?」

 「うん。 ギリギリになってしまってごめんね。 じゃぁ、電話、待ってるね」


 家に帰って、昼御飯を食べた後、ママに相談したら、 「あらっ! 月宮神社なんて、懐かしいわぁ〜〜」 なんて、予想外の反応が。

 「あれっ?! ママから月宮神社の話なんて、聞いた事ないけど?」

 「そうねぇ。 何十年と行ってないからねぇ〜〜」

 ママと神社、あまり結び付かないなぁ。

 何だか思い出どっぷりモードに入りそう? ……こりゃ、早く話を進めなきゃ。

 「それより明日、朝から神社に行ってくるからね。 ひむちゃんとおばさまと3人で」

 「あら? そうなの?? 気を付けて行ってらっしゃ~~い! 私の分もしっかりお参り、お願いね~~。 懐かしいなぁ~~」

 だめだ、深~い思い出沼にハマってるよ……ママにも、私の知らない過去がまだまだあるんだね。

本編の第25~26話をベースに書き上げました。


☆今回気を付けた点☆

絵日記帳を書き上げていく過程を、文章だけで表現するのって難しいですね。

リズムが単調になったり、説明っぽくなったり……。

会話に落とし込んで、リズムを生み出す文章力を身に付けていきたいと感じました。

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