48 発電所班
私、早見と発電所班は順調に進んでいました。
何でも、発電所の周りのゾンビは、ショッピングモールまでに来る途中で、雪ちゃん達が殲滅させてしまったようです。
雪ちゃんはいつの間にそんな能力を?
刀みたいなのも持っていますし。
偽物ですよね?
それでも数体のゾンビに遭遇しましたが、雪ちゃん、杉田さん、高校生達が中心になり対応しました。
刀、本物だったんですね。
そんな中で目を見張ったのが、ドローンを駆使し、無線で的確な指示を出す悠木さんでした。
ドローンを改造し、機動性が上がったと言っていました。
何でしょう?嫌な予感しかしないのですが。
私、副官とかにさせられませんよね?
私達はまず火力発電所の方に寄りました。
そこで、フェリーで北海道を脱出し、南の島へ向かう説明をしました。
一緒に来る方がいらっしゃると思ったのですが、さすが自衛隊と発電所職員です。
自衛隊はここが落ちれば北海道全体に影響が出るため、何としてもでも死守するとの事でした。
発電所の職員も同様で、後は家族の安否がまだわかってない人もいるので、落ち着いたら自衛隊と協力して捜しに行く予定だそうです。
やっぱり国を背負っている人達は違いますね。
そんなやり取りを、スワベ君達高校生が黙って聞いていたのが気になりました。
私達は、日持ちのする食料品を渡し、その場を後にしました。
そしてもう一つの発電所へ向かうと、自衛隊の人達に停止させられましたが、雪ちゃんと高校生達の顔を見るとバリケードを開けてもらえました。
中に入ると、スワベ君、イノウエさん、キタムラさんのご両親が待っていて、スワベ君のお父さんに女性が抱きついていたので、きっと奥さんなのでしょう。
羨ましいですね。
私も抱きつきたいです。
誰に?
内緒に決まってるじゃないですか。
その後、火力発電所の時と同様の説明をしましたが、答えも同じでした。
家族のいるスワベ君達は来るかと思いましたが、子供達の親を捜したいとの事で、トマッチャンと皆で残る事にしたようです。
「寂しいわね」
「すみません。子供達の親をどうしても捜してあげたくて」
「そう。死なないでね?無事を祈っているわ」
「先輩も。こっちが落ち着いたら船を見つけて追いかけますよ」
「絶対よ?待っているわ」
雪ちゃんとスワベ君が別れを惜しんでいる会話が聞こえてきます。
私はトマッチャンとです。
「トマッチャン、本当に行かないの?」
「うん。ここには思い出が多過ぎるから。それにコンドウ君が戻って来たら誰かがいないとね」
「必ずまた会おうね」
「私と子供達の親が見つかって、櫻井君とコンドウ君と連絡が取れたら、私も高校生達と後を追うよ」
「うん、わかったよ。無事でいてね」
私達は別々の道を歩く事になりました。
だけど必ずどこかで再会出来ると信じ、前を向いてそれぞれの道を進むのでした。
すると、下の方から声がしました。
「私を連れてけです」
「あなたは確か久野ちゃんでしたね。お父さんとお母さんは?」
「ここに来る途中でゾンビになってたのを見たでごぜーます」
「な、なんて事!」
私は思わず久野ちゃんを抱きしめます。
「悲しくねーから大丈夫でごぜーますよ。あの2人からは虐待されてたですから」
私は更に強く抱きしめます。
「だから私も連れてってほしーです」
「わかったわ。久野ちゃんは私が守ります」
「決まったら早く離しやがれです。これからよろしくお願いしますでごぜーますよ」
勝手に決めちゃって大丈夫ですよね?
福山さんの配下を見ると、あの人ロリコンっぽいし。
私は、久野ちゃんの手を握り、皆の所に連れて行きます。
「久野ちゃんも一緒に行く事になりました」
「大丈夫か?こんな小さい子」
「私が守ります」
オッサ、藤原さんに聞かれましたが大丈夫です。
今までは守られるだけでしたが、今度は守る側にも回りたいのです。
久野ちゃんは、私が命に代えても守ります。
藤原さんはその後、何故か久野ちゃんからアッカンベーされて落ち込んでました。
オッサ、藤原さん、ドンマイです。
久野ちゃんには、後方で悠木さんのサポートをしてもらう事にしました。
早速ドローンの使い方を習っているようです。
さて、そろそろ出発しましょうか。
車はアルファードとトラック2台と寂しくなってしまいましたが、楽しい仲間が1人増えましたから。
悠木さんと後ろで仲良く、
「もっと簡単に教えやがれです」
「わかんねーのが悪いんだろ」
仲良く、やっているはずです。
それではさっさと福山さんの待つフェリー乗り場へ向かいましょう。




