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フェリー乗り場に着いた私達の目に飛び込んで来たのは、大量のゾンビの死体でした。

潰され、裂かれ、ドミノ倒しになっているゾンビ共。

誰がやったのかは明白です。

あの非常識な人達ですね。


「福山達はフェリーを制圧するために、客室デッキに向かったようだから、俺達は別にトラックデッキを確保しよう。ただ様子を見て、ゾンビが多いようなら撤退な」


杉田さんは以前、タンクローリーに乗っていた頃、何回かフェリーを利用した事があるようで、案内役をしてくれるみたいです。

しかし、フェリーに近付くためには、倒れているゾンビの死体を排除しなければいけません。

福山さん達が残して行ったトラクターを、内田さんが嬉々として運転し、倒れているゾンビを排除します。

まるで除雪車ですね。

そうして出来たフェリーまでの道を進み、トラクターを先頭にトラック二台、アルファードの順でトラックデッキに侵入します。

トラックデッキの中は薄暗く、電気は消されているみたいです。

非常灯のような物の灯りを頼りに進んでいると、トラクターが急停止しました。

よく見ると、トラクターの周りにゾンビが群がっています。


「内田、大丈夫か!?」

「キモ過ぎー」


悠木さんが無線で内田さんの安否を確認しますが、まだ余裕がありそうです。


「今行くわね!」

「ちょっと待て」


雪ちゃんが助けに車の外に出ようとしますが、悠木さんに止められます。

すると、車のサンルーフから身を乗り出し、ボウガンを撃ち始めました。

矢は的確にゾンビの頭を貫き、一体一体倒れていきます。

何とかトラクターの周りのゾンビを撃退し、皆で安心していると、佐倉さんの悲鳴が聞こえました。


「キャアッ!こっちにも来たッス!」


フェリー内に停めてあったトラックの影から、続々とゾンビが這い出て来ます。

瞬く間にアルファードの周りがゾンビで埋め尽くされました。

トラクターやトラックの方も囲まれているようです。


「このぉ、死になさい!」

「ちっ、マズいな」


雪ちゃんが窓の隙間から刀を突き刺し、ゾンビを仕留めていますが、全然減らず焼け石に水状態です。

悠木さんも、ボウガンを撃ち続けていますが、次々と迫るゾンビの物量に焦りが見えます。


「撤退するぞ!佐倉、車の後ろのゾンビを銃で撃て!内田はUターン出来るか?」

「了解ッス!」

「やってみる」


佐倉さんが、高校生達から譲り受けたショットガンを構え、ゾンビ共に向け発砲します。

内田さんはバケットの部分でゾンビを殴り飛ばしながら、トラクターを切り返しています。

その間も雪ちゃん、悠木さん、杉田さんも木刀で、ゾンビの頭を貫いて倒しています。

私は何もできませんが、いつでも車を発進できるよう待機しています。

でもバックは得意じゃありませんけど大丈夫でしょうか?

そうこうしている内に、トラクターの切り返しが成功し、内田さんがこちらに向かって来ます。

再びゾンビの群れを除雪車の様に排除し、外までの道が開けました。

私は恐る恐るバックして行きます。

前にはトラックが二台いるので、止まれないというプレッシャーが。

外まであと少しというところで、痛恨のミスをしてしまいました。

私も気付かずに、道に対して斜めにバックしてしまったため、脇にあったゾンビに乗り上げてしまったのです。

慌てて道に戻ろうとしますが、タイヤがゾンビとゾンビの隙間にはまってしまい、空転して動く事が出来なくなりました。


「早見お姉様!」


内田さんが気付いてトラクターで近付いてくれます。

タイヤの所にいたゾンビを器用に避けてもらい、何とか道に戻る事が出来ました。

ホッとしたのも束の間、トラクターの運転席に向けて何かが飛びかかりました。

よく見ると、それは丸まると太ったゾンビで、井口さんのようでした。

太ったゾンビはトラクターに何度もぶつかり、運転席にはヒビが入り始めました。


「ウッチャン!」

「内田!」


佐倉さんと悠木さんが太ったゾンビを狙って撃ちますが、動き回ってるため頭に当たらず、腹に当たっても肉の壁に阻まれて効いていないようです。

運転席の窓全体にヒビが入り、あと一撃で割れてしまいそうです。


「内田さん、逃げて!」


私は有らん限りの声をあげますが、内田さんは観念したのか、固まったまま目を閉じてます。


「イヤッス!ウッチャン!お願い!誰か!」

「ウッチャンを虐めたらダメです!」


佐倉さんの悲鳴が辺りに響き渡ると同時に、聞き覚えのある声が聞こえてきました。


もしかしてあれは、シンデレラ!

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