42 沢城ルート
私達は福山さん達と別れた後、再び高速に乗り、沼ノ端西ICという所から高速を降りたわ。
それから海を目指して走り、海沿いを約束のフェリー乗り場を目指して進んだの。
そしたら見事に迷ったわね。
何故か行き止まりになり、海の向こうにフェリーが見えたわ。
ゾンビ?もちろんいたけど、悠木ちゃんのドローンナビと、大橋ちゃん&阿澄ちゃんコンビで蹴散らしたわ。
まあドローンも道案内には役立たずだったけどね。
そして道を戻る途中に、ゾンビに囲まれた発電所を見つけたの。
そこでは自衛隊とゾンビの激しい攻防が繰り広げられていたわ。
大橋ちゃんと阿澄ちゃんにお願いして、後ろからゾンビを攻撃してもらい戦闘は終了。
それから自衛隊の人たちから感謝され、発電所の中に案内されたの。
そんな時ね。
彼等が現れたのは。
バスに乗って複数の避難民を連れて来た彼等の制服を見て、すぐに私の後輩だと気付いたわ。
しかも彼等は高校でも色々と有名人。
この世界で生き残れたのも納得できたわ。
そして彼がお父さんを救いに行くって聞いた時は、お姉さんキュンキュンしちゃったわ。
私はすかさず、一緒に行く事を告げたわ。
こんな良い男を死なせるわけにはいかないじゃない?
さすが男の子よね。
私達は準備を終え、いざ出発って時にキタムラさんが話しかけてきたわ。
「先輩これ」
「えっ?刀じゃない。どうしたのこれ」
「さっき両親が発電所に合流して、お父さんが先輩に渡してくれって」
キタムラさんの実家は剣術道場をやっていて、私はそこの門下生だったの。
医者を目指すのに集中力を鍛えるためにね。
「キタムラ先生が・・・あれ?これは」
鞘の所に紙が挟まっていたので読んでみると、『娘を頼む』と。
キタムラ先生も酷よね。
私に昔に戻れって言うの?
でも先輩として守るのは当然よね。
皆、死なせたくない良い子だもの。
「わかったわ。ありがたく戴くわね。でも覚悟しなさい。刀を持った私は甘くないよ」
フフフッ、滾ってくるわね。
超難解の手術に挑む時みたい。
これから私は、命を救う側ではなく、命を奪う側よ。
ゾンビ限定だけどね。
「おっ。沢城さん、その刀凄いな」
「あら、杉田さんわかる?今度貸しましょうか?」
「いやいい。俺は木刀の方が性に合ってるしな。それにそんなもん振り回せる気がしない」
でも木刀でゾンビを倒せる貴男も大概よ?
新たな武器を手に入れ、私達は発電所を出発したわ。
市役所方面に行くには、一旦東側に行ってから湾を迂回して西側に進むという、ちょっと遠回りなルートになるの。
途中、スワベ君のお父さんを捜すついでに、食料の確保を自衛隊から頼まれたから、ショッピングモールに寄ることにしたわ。
「こっちにも発電所があるんだな」
「ええ。これは火力発電所ね。こっちも自衛隊が守ってるって聞いたわ」
自衛隊のために少し減らして行きましょうか。
この火力発電所が落ちたら全道に影響が出てしまうわ。
刀の試し斬りもしたいしね。
私は刀を手にし、大橋ちゃんと阿澄ちゃんを連れてゾンビの群れに向かう。
「杉田さんは今回お留守番ね。車と悠木ちゃんを守ってね」
「了解。さあ、お手並み拝見といくか」
「失望はさせないよ」
刀を持つと昔を思い出して口調が変わっちゃうわね。
そう思いながらゾンビの群れに突っ込み、目の前にいたゾンビの首をはねる。
はねて、はねて、はねまくる。
この刀はやっぱり凄いわね。
全然刃こぼれしない。
まあ私の腕もあるけどね。
大橋ちゃんと阿澄ちゃんと三人で、ゾンビ共を蹂躙していく。
私は徐々に快感を覚え、思わず叫んじゃったわ。
「濡れるっ!」
あら、はしたなかったわね。
その後も三人でゾンビを倒しまくるが、一瞬の隙を突かれてゾンビが横から襲って来たわ。
するとゾンビの頭から矢が生えてきたの。
「調子乗ってんじゃねーぞ!」
「ありがとう、悠木ちゃん!」
悠木ちゃんのボウガンがゾンビの頭を貫いてくれたわ。
私は気を引き締め再度ゾンビに向かう。
私達に気付いた自衛隊の協力と、高校生達の援護もあり、その場にいたゾンビ共はいなくなったわ。
少しのつもりだったんだけどね。
火力発電所の自衛隊は歓迎してくれたけど、先を急いでいたので失礼したわ。
「スワベ君、寄り道しちゃって良かった?」
「構いませんよ。父さんも大事ですけど、目の前の助けられる人を放っておいたら、父さんに叱られますし」
やっぱり男の子だね。
お姉さん、おもわず抱きしめちゃったわ。
スワベ君は顔を真っ赤にしてたけど。
でもイノウエさんの顔が怖かったわね。
若いって良いわ。
さて、先に進まなきゃね。




