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36 市役所

「これは厳しいな」


俺達は今、駐車場から一番近い部屋の中から駐車場を見ている。

駐車場の周りはゾンビだらけだった。

ちょっと近付ける気がしない。


「警察署を開放しよう」

「えっ?本気で?」

「ああ。警察署内に奴らをおびき寄せ、その隙に車に乗って市役所へ行く。どっちみち車道のゾンビも何とかしなきゃいけないしな」

「その案しかなさそうね」


俺の提案に、キタムラが驚きながらも賛同してくれる。


まず俺が、警察署の入口まで行きドアを開けた。

それから俺がさっきの部屋に逃げられるよう、予め奥の部屋の中に入れていた俺のスマホに、イノウエが電話をかけて音を鳴らす。

どうせ使えないんだから必要ない。

その音に釣られ、警察署内にゾンビが入るのを部屋の中で待つ。

そして外のゾンビが少なくなったのを見計らい、護送車と人員輸送車まで走った。

車道にいたゾンビも警察署内に入るのを、車の中でエンジンを止めたまま待ち、少なくなったのを確認し俺達は車を走らせた。

エンジン音に気付いたゾンビが数体集まって来たが、流石は護送車。

次々にゾンビを跳ねるが頑丈だ。

市役所の敷地にいたゾンビも跳ね飛ばし、市役所の入口に到達する。

後は作戦通りに女性二人が素早く市役所に入り、男の俺達は車の屋根で牽制&防衛&囮をし、後は女性陣に任せる。



キタムラさんと市役所内に入ると、外の異変に気付いてが、数名の男性がそこにはいた。


「お父さん!」

「マリか?」


私の下の名を呼ぶこの人は紛れもなくお父さんだ。

私は人目も気にせず抱きついた。


「外の護送車はマリが?」

「うん。スワベ君と友達で警察から持って来ちゃった」

「そうか。正直助かった」

「それで私達、発電所に行こうとしてるんだけど、お父さん達も一緒に行かない?」

「発電所か。あっ、自衛隊か?よく気付いたな」

「私の友達は凄いんだ!」

「そういえばスワベさんの息子もいるって言ってたな。今はどこに?」

「護送車の上でゾンビを引きつけてるよ」


それを聞いて一人の男性が入口に走って行きました。

あれは確かスワベ君のお父さんだったはず。


「マリ!」

「お母さん!無事だったのね」

「マリも。良かったわ。それでそちらの方は?」

「友だちのキタムラさん。学校から一緒に逃げて来たの」

「キタムラさん所のお嬢さんね。娘を助けていただいてありがとうございます」

「いえ。こちらも色々助けていただいたのでお気になさらず」


お母さんとキタムラさんが畏まった挨拶をしている内に、奥から続々と人が出て来ました。

40人くらいでしょうか。

意外と少ないですね。


「お母さん、これで全員?」

「そうよ。逃げて来られたのはこれで全員よ」


これなら車二台に乗せられそうね。

お母さんと話している内に、お父さんが皆に説明してくれていたみたいです。

皆さん色々思う所があるようですが、自衛隊と合流というのは心強いようで納得してくれました。

ただいきなりだったので準備に時間がかかるようで、30分時間が欲しいという事でした。

その間、私とキタムラさんは今なおゾンビと戦っている、スワベ君達の所へ援護へ向かいます。

そこでは、銃を撃ってヒヤマ君がゾンビを引きつけ、集まったゾンビの頭にスワベ君が釘打ち機で釘を打ち込んでました。

スワベ君のお父さんも銃を手にしてゾンビに撃っています。

ヒヤマ君から予備を受け取ったのでしょう。

ですがゾンビの群れは一向に減らず、どんどん集まって来ています。

生存者の人達も準備の出来た人から順に乗っていますが、まだかかりそうです。


するとお父さんが何かを持って車の屋根に上りました。

あれは銃?

でも皆が持ってる物より長いですね。


「スワベ君、銃は撃てるか?」

「はい。あっ、でもそれはヒヤマに渡した方がいいと思います」

「そうか。ではヒヤマ君これを」


と言ってお父さんがその銃をヒヤマ君に放り投げます。


「これは!イサカM37ライオット・ショットガン!」

「押収品だ。こんな状況だ。使える物は遣わないとな」


とウインクし、もう一つ同じ物を構えるお父さん。

父よ、警察官がそれで良いのか。

四人がゾンビを掃討してる間に、全員が車に乗り込みました。

遂に市役所脱出です!


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