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32 寝る子は起きる

私達は男の子達に連れられ、彼等の学校に到着しました。

入口は門を閉められ、確かにゾンビはいないようでした。

でも人もいません。

校舎の中に隠れているのでしょうか?

一応門の所には人が立っていて、私達が近付くと門を開けてくれました。

しかし学校の外にもゾンビがいないのは何故でしょう?

とてもあの男の子達だけで掃討できるとは思えません。

何かあるのでしょうか?

警戒を強めなければ危険かもしれません。


校舎の入口辺りにバスを止め、私達はバスから降ろされます。


「こっちだ。付いて来い」


リーダーが先頭を歩き、世紀末雑魚達が後ろから私達を見張りながら付いて来ます。


「ここだ。入れ」


リーダーが立ち止まり、入れられた場所は保健室でした。

入るなりムワッとした空気を感じ、顔をしかめながら中を見てみると、そこは・・・


酒池肉林とは正にこういう事を言うのでしょう。

制服姿の数人の男女が絡み合い、男が腰を振り続け、女も上になり叫喚の声をあげてます。


「ヒィッ」


タケタツさんが悲鳴をあげます。

私とギブさんも固まってしまいました。

そんな中動く人影が。

井口先生でした。

井口先生は男の子達から隙を見てバットを奪い殴りつけます。


「今の内に逃げるんだよ!」


井口先生が固まっていたギブさんの手を引き、私はタケタツさんを連れて行きます。

あなたは何者ですか?

伏龍ですか?孔明なんですか?

寝る子が起きると大胆ですね。


私達は必死で逃げました。

男の子達も必死で追い掛けて来ます。

門が閉まっているので外に出るのも、バスで逃げるのも無理そうです。

すると逃げてる先に体育館が見えてきました。

とりあえずそこに入って立てこもろうとなり、私達は体育館の扉を開けようとしました。


「やめろ!そこは開けちゃダメだ!」


リーダーの男の子が何か叫んでますがもう遅いです。

私は扉を開きます。

しかしそこには大量のゾンビが体育館全体にひしめき合い、うめき声をあげていました。

男の子達はゾンビ化した先生や生徒を、体育館におびき寄せ閉じ込めてたようです。

備蓄品が体育館にあったから、食料が足りなかったんでしょう。


「ヴアァァァァァ」


ゾンビは声にならない声をあげ、私達の下に殺到して来ます。

まず腰を抜かしたギブさんがゾンビの群れに飲み込まれてしまいました。


「ギブちゃん!」


タケタツさんが握っていた手を振り払いギブさんへと向かいますが、辿り着く前に飲み込まれてしまいました。

私と井口先生は後ろを振り向かないように走ります。

顔は涙でグシャグシャです。


先生なのに。

教師なのに。

大人なのに。

助けてあげられなかった。

私が殺してしまった。

判断を間違えたから?

違和感を放置したから?

不用意に扉を開けたから?

誰がこんな世界にしたの?

誰がゾンビを生んだの?

誰が悪いの?

私じゃない。

あいつらだ。

ゾンビさえいなければ。

憎い、憎い、憎い、憎い、憎い。

滅ぼしてやる。

一匹残らず、私が、滅ぼしてやる!


わたしの心の中に憎悪が芽生えます。

すると隣にいたはずの井口先生がいません。


「私に構わず行くんだよ!」


振り向くとゾンビに腕を噛まれている井口先生がいました。

井口先生は手にしていたバットでゾンビの頭をかち割ります。


「井口先生!今の内に早く!」

「私もうゾンビになるんだよ!」

「関係ありません!」


渋々こちらに走って来ます。

早く逃げないと。

どこに行けば?

校舎の入口は逃げた男の子達が閉めてしまいました。

逃げ場所は一つ、もうバスしかありません。

必死にバスに辿り着き乗り込もうとすると、足から激痛が走りました。

えっ?何?

足下を見るとバスの下から這い出たゾンビがいました。

何時からいたのでしょうか。

ずっとバスの底に張り付いていたのでしょうか。

気付いた井口先生がバットでゾンビを殴ってくれて、ゾンビの歯が外れました。

二人でバスに転がるように乗り込みカギを閉めます。

窓から外を見ると周りはゾンビだらけです。

逃げる事はできないでしょう。

でももう逃げる必要はないですね。

ああ眠くなってきました。

眠って目を覚ましたら、私はなっているのでしょう。


あの憎きゾンビに。

滅ぼす事もできずに・・・


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