27 ハイスクール オブ ザ ・・・
私の名前は 茅野 愛 です。
苫小牧市内の北側にある高校で英語教師をしています。
年齢は27歳。
教師としてはまだまだ未熟です。
教師というよりお姉さんって感じでしょうか。
む?お母さんじゃないですよ?
その日、私は二年生のクラスの授業を行っていました。
「ヒヤマ君、この例題を訳してもらえる?」
「は、はい。え、えーと、わかりません」
俯きながら答えるヒヤマ君は、内気なちょっとポッチャリ男子です。
「ではキタムラさんお願い」
「はい」
キタムラさんがスラスラ答えます。
キタムラさんは二年生の首席を取るぐらいの優秀な生徒です。
しかし『unchain』ですか。
私は何かから解放されたいのでしょうか。
キタムラさんが答えてくれた例題の一語を読みながら私は考えます。
「あれ?そういえばスワベ君は?」
「いつものサボりです」
私はため息を吐きます。
スワベ君はサボりの常習犯で、よく屋上にいます。
「ありがとう、ミヤノ君」
私は答えてくれたスワベ君の親友のミヤノ君にお礼を言います
「先生、あいつには一回ガツンと言わないとダメだと思います」
そう言ったのはスワベ君の幼なじみのイノウエさんです。
「ええ。今度先生から言っておくわ」
そんな風にいつもと変わらない授業を私は送っていました。
そして、この日常の終わりを告げる放送が流れたのです。
「ピンポンパンポーン。校内に不審者が侵入しました。生徒の皆さんは体育館へ避難をして下さい。繰り返します。───」
不審者?こんな所に?
「何だあれ!?」
外を見ていた生徒が声をあげます。
私も気になり窓から外を見に行きます。
そこでは校門で数人の先生と不審者らしき人が取っ組み合いをしていました。
すると何を思ったのか不審者が一人の先生の首筋に噛み付いたのです。
他の先生が助けようとしますが、不審者はよっぽど力が強いのか離れません。
噛まれた先生が倒れ、ようやく離れた不審者は他の先生にも噛み付きます。
女の先生は最初に噛まれた先生を介抱していましたが、その噛まれた先生が上体を起こすと、女の先生に噛み付きだしました。
そして先生達は皆、不審者のようになって校舎の中に入って来ます。
今の時代だと皆が思うかもしれません。
あれはゾンビだと。
これは大変と思い、すぐに生徒達を体育館へと避難させます。
その途中スワベ君が屋上から戻り、イノウエさんとミヤノ君を連れて行きました。
私は止めようとしましたが、他のクラスの生徒の波に押されて出来ませんでした。
そして階段に着き降りようとした時、下の階から悲鳴が聞こえました。
「キャア」
「先生やめて、イギャアァァ」
「生徒を離せ!」
「先生助け、キャアァァァ」
「痛い、痛いよぉ」
聞こえてくる悲鳴を聞き、既に下の階に降りていた生徒達が逆流して来ます。
「皆、落ち着いて!落ち着いて!」
私は叫び落ち着くよう促しますが、パニックになった皆にわたしの声は届きません。
「先生、こっち」
キタムラさんが私の手を取り、教室の中に引き込みます。
そこは技術室で、ヒヤマ君が工作道具を物色していました。
「何をしているの?」
「ゾ、ゾンビを倒せる道具を揃えています」
「倒せるの?」
「ぼ、僕の知っているゾンビなら頭を狙えば倒せるはずです」
そう言ってまた道具を探しに行きました。
キタムラさんはカーテンを結んでいるみたいです。
教室には四枚のカーテンがあったので結構な長さになっています。
「それはどうするの?」
「廊下はもうダメなので、これで窓から脱出します」
ああそういうことか。
先生なのに質問ばかりだな私。
「せ、先生、車は運転できますか?」
「一応免許は持っているわよ」
「あ、あのバスを使いたいんですけど」
「カギは職員室ね。職員室は、あっ、この下」
「そういうことっ」
キタムラさんがウインクしながら答え、続けて宣言する。
「脱出作戦開始よ!」




