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25 生きる意味

パーキングエリアを後にし、俺達は先へと進む。

タンクローリーをくれとは言ったが運転は杉田に任せる事にした。

あれを運転するのは大変だからな。

俺のキャンピングカーを先頭にし進み、遂に最大の難関の新千歳空港ICに到着した。

輪厚以降、反対車線に車は止まっているが、ゾンビの影が見当たらない。

杉田の話しでは千歳方面からゾンビが大量に押し寄せたとの事だったが。

しかし新千歳空港ICに到着した途端にその理由がわかった。

そこは上りも下りもゾンビで埋め尽くされていた。

しかも身動きもせずに、じっと俺達を待ち構えていたかのように。

逃げようにも車道はほぼ一車線でUターンするのが難しい。

こうなったらタンクローリーを突っ込ませ、開いた所から高速を下りるしかない。

俺はキャンピングカーを降り、タンクローリーへ向かい、杉田にはアルファードを運転してもらう。

オッサンにもここでトラックを捨ててもらうよう頭を下げる。

突破する車は少ない方が良いと伝えると渋々受け入れてくれた。

トラクターの二人にも、降りてキャンピングカーに乗ってもらい、運転はオッサンにしてもらう。

トラクターは残してもらい俺の逃走用に使う。

これでアルファードには杉田、早見さん、沢城さん、悠木、阿澄の5人、キャンピングカーにはオッサン、佐倉、内田さん、大橋の4人だ。

しかし俺がタンクローリーに乗り込もうとすると早見さんが前に立ちふさがる。


「また無理をする気ですよね」

「またいつものように戻って来るさ」

「私も残ります」

「ダメだ。今回は守れないかもしれない」

「守って下さい!私は!守られる事しかできないですけど!せめてあなたが生きて戻って来られる理由にさせて下さい!トラクターでお待ちしています」

「あっ、おい!」


涙声で叫び俺に背を向ける早見さん。

俺は女性に何を言わせているんだ。

わかったよ。

何が何でも生きてやる。

これは"無理"ではない。

ただのバカがやる"無茶"だ。


「ありがとう、早見さん」


俺はそう呟きタンクローリーに乗り込む。

俺達が車に乗るのを待っていたかのように、ゾンビ共が動き出す。

ゾンビ共がいる場所から高速の出口まで100mはあるだろうか。

俺はタンクローリーのアクセルをふかし、ゾンビの群れへと突っ込む。

途中ゾンビをタイヤに巻き込みスリップしそうになるが、何とかこらえ100m地点を突破する。

俺は素早くタンクローリーから降り、周りのゾンビを停止させ、タンクのバルブを開けホースからガソリンを流す。

その後ろをアルファードとキャンピングカーが通り抜けて行き、トラクターもこちらに近付いて来る。

ん?トラクターが近付いて来る?


「やってくれるな、早見さん!」


俺はトラクターに飛び乗り、出口レーンに入るなりガソリンに向け銃を撃つ。

火花が散り引火したガソリンが大爆発を起こす。

それを尻目に、トラクターの運転手を早見さんと替わり出口を目指す。

何とかこれで早見さんに怒られなくて済みそうだ。

暫く進むと先に行った二台が止まっている。

待っていてくれたのかと思ったが違った。

そこには先程の倍はあろうかと思うぐらいのゾンビの群れがいた。

その中心に男は立っていた。

目は黒く見た目は普通の人間なのにゾンビが襲う気配はない。

もしや俺の同類かと思ったが、その男を良く見ると俺の知っている顔だった。


「お前が何故ここにいる!若本ォォオ!」


そいつは俺の人生における最大の天敵であり、生涯を犠牲にしてでも倒す相手だった。

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